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2011.12.26
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カテゴリ:観劇日記
今日は、今年最後の観劇日。

南座遠征を諦めた関係で、2011年の〆は中村座の千穐楽とあいなりました。昼の部だけの日だから、〆の演目は寺子屋。菊之助の源蔵で終わる…

実は、この日程を決めるまで、ほんのちょっとだけど、悩みました。演舞場はないし南座へはいかないけれど、中村座でいいか?

新歌舞伎は避けたいから国立ラストはないけれど、日生の夜は勧進帳だもん、そっちのが魅力的ではないか?

が、しかし。

結果オーライというか、なんというか。少なくとも、勧進帳にしなくて良かったです(爆)

その中村座、昼。正面から見るのは千穐楽の今日が初めて。前回、初・桜席でね、ちょっとね、眠かったりしたもんだから、さてどうよ?って、少し気になりつつ、できれば感想を挽回したいと思いつつ。

結果、感じのは…松王丸って、大事。うん。

菅原は、千本桜や仮名手本ほどはっきり分けられないというか、分けにくいというか、三つ子の物語と源蔵夫婦の話と菅丞相一家の話とに分割するのは難しいですよね。かぶるのがあるし、かぶらせないと成立しないし。

三つ子の話…というか、桜丸シリーズにするなら加茂堤と車引と賀の祝。梅王なら加茂堤じゃなくて筆法伝授。松王なら加茂堤を止めて寺子屋を足す感じ。今回の組み合わせは、だから、松王物語かなって勝手に解釈してたんですゎ。

源蔵夫婦に着目するなら、筆法伝授があって寺子屋がないとね。

でも、3幕ですべて松王が違うんですよねー

松王共演って解釈したらよかったのかな。でも、なんだか、あまりにも芸風が違うっていうか…いや、素人目に見て…素人目だから?…解釈がつながらなくて、通しを観た気分になれませんでした。

彌十郎の松王@車引は、頭脳構造が単純なタイプの体育会系で、どちらかと言えば地味なタイプ(もちろん勝手な私見)国体2連覇とかしちゃってて強いのになぜか目立たずスターになれな九て、気が付いたら警察官になってたとか。

亀蔵の松王@賀の祝は、知的で斜に構えたような文化系。アタマの回転も速いし感受性も豊かだけど、傷つきやすい己を守るためか物事を客観化しやすくて、世の中を冷めた目で眺めているような。まさに、官僚として生きていくなら清濁併せのまなきゃねって。

勘三郎の松王@寺子屋は、理性より感性の人。うっかりすると芸術家か宗教家。色気があってオンナにモテる。ゆえにオトコに憎まれるような。人前で平気で泣けるけど、なぜかそれが様になるような。

3人が3人ともぜーんぜん違うんだもん。

だから、車引は正直言って、菊之助だけ観てればいいやって感じ。桜席から見た時と大差なし。桜席でもさほど退屈しなかったけど、松席のプラスアルファが少ないので…うーん、なんだかな。

必ずしもそういうルールとは言えないけれど、でも、やっぱり、概ね最後に出てくる派手なヒトが第一の主役って感じになるじゃないですか。車引は、松王が「じゃじゃーん」と登場しなくちゃね。出てきて、あんまりしゃべんないし暴れないし、いるだけ?なんだけども、いるだけで「主役でぇす」って感じじゃなきゃ。

そのロジックで行くと賀の祝の主役は桜丸。なるほど「じゃじゃーん」と出るし、出たら黙って座ってる時間が長くて、何にもしない感じ。することは切腹だけだもんな。

菊之助の切腹を眺めつつ、ああ、表情と言い段取りと言い、菊五郎の判官とそっくり…なんて思っていれば私は幸せだからいいんだけども…ここでの松王は、もうちょっと感情的っていうか、本心を隠すために演技過多になってる感じっていうか、喧嘩別れでほくそ笑むくらいの方がすんなり寺子屋に入れる気がするんだけどもねー、そういうのが好みなんだけど、亀松知的。なんだかカッコいい(爆)カッコ良くちゃ困る(大爆)

ま、桜席よりは、菊之助のキレイなキレイな桜丸をたっぷり観られただけ良かったので、ここは松席の甲斐がありました。

そして最後の寺子屋。これこそ、松席で見といて良かった…やっぱりねー、右の桜からだと松王の表情ってほとんど見えないもんですから、だから、ダメですね、乗れなかったのって、その辺に原因があったのかもしれないなぁ。

とにかく松王の芝居を見なくちゃ成立しないんだゎ。

扇雀の千代も、正面から見た方がやや好き(笑)お父さんの千代の方が圧倒的に好きだし、まだ「お役に立ちましたか、ただしはまだか」で泣けるってほどじゃないけど、なるほど額縁舞台なんだから正しい角度から見るべきだって納得。

源蔵は、松も桜も変わんないかも。

賀の祝も寺子屋も、松から見とて良かったなって思えたから、いいや。〆としてもOK。

ただ、今月の中村座の中では、私は、圧倒的に夜>昼。夜は松浦の太鼓>関の扉>葛の葉で、昼は寺子屋>賀の祝>車引かな。で、葛の葉>寺子屋。

しかも、今月の歌舞伎の一番は、どう考えても国立。贔屓しても、やっぱり国立。

◇◆◇

中村座で今年の観劇を〆て、ご一緒したお友達とちょこっとお茶してから、夜は松助さんの七回忌の集まりへ。

今日が祥月命日。12月の千穐楽に亡くなるなんて…役者だなぁ。

児雷也が最後の舞台だから、あれからもう丸6年なんですね。児雷也、再演しないのかな、しなそうだな、少なくとも亀治郎はやらなそうだからな。

祭壇が作ってあって、最初に献花。席について、お坊様のお経とかお題目とか説話とかあって(私にはこれらの厳密な区別がわかりません・爆)、献杯して、着席で中華のコースをいただく。

BGMには松助さんありし日の録音が流れる。清元の歌声あり、ラジオ出演あり、シェイクスピア劇あり、新派あり。

会場内には舞台写真がいっぱい。襲名の時の絵看板の原画を譲ってもらったものを屏風に仕立ててあるモノまで飾ってありましたっけ。あ、絵師の鳥居さんも出席してて。おー、この前テレビで見たわーと、思わず凝視(笑)司会の鈴木治彦さんが芸歴を紹介したり、家族が挨拶したり。

最初は二世松緑の部屋子だったという関係が今でも健在で、祭壇の両脇にあったお花の一方は松竹だけど、もう一方は当代の松緑から。それを観て、顔見世の外郎売の口上を思い出す私。ああいうので、ここんとこ私の中での松緑好感度が上がりっぱなしなのよね。

7時に始まって10時に終わる、意外な長丁場だったけれども、相変わらずアットホームでいい感じ。不器用で手作りっぽくても、それにはそれの良さがあるよねー

お土産の袋の中にもメッセージあり。パパを忘れないで…って、妙に稚拙な筆跡が泣かせるかも。あはは

ともあれ。今日一日めいっぱいいろいろ。いろいろおしまい。





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Last updated  2011.12.27 00:09:45
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