「斉藤さん」と自作小説
ドモです!昨日風邪ひきそうになりまして~。今日はゆっくりできそうなので、家でゆっくりしてまっす!京粕漬けの魚は、水洗いして、焼いて食べてみました♪美味しかったけど、お酒っぽい?そんな味でした~。 「斉藤さん」観ました~!「ハチミツとクローバー」といい、なぜ今時期にクリスマスの話題?!あ~、いろいろ思っちゃったよ。ネタバレ&私の感想がバリバリ。プレゼントにゲームは×って話だったけど。これは個人の家のやり方があるから自由だと思うんだけどさ、斉藤さんの意見は、親の想いを押し付けてるようで、実はちょっと嫌だった。欲しい物を欲しいって言えなくなりそう。いい子なら尚更ね。犯人をちゃんと糾弾するって意見も正しいんだけど、実はちょっと嫌だった。ウザったく思った。私が子供の頃って、大人は家族で生きていくのに忙しくて、そんなに子供の世界に入ってこなかったな~なんて。私が子供だったら…正論なんだけどさ、正論を押し付けられてるみたいで何かがキレそうだと思ったよ。だからかな、斉藤さんに言われたからじゃなく、子供が自分から謝りたいって言い出した時は嬉しかったよ。お母さんが子供の言ったことを覚えていて、そのためのプレゼント。それが子供に伝わったとこが良かったよ。正論だけで人の心は動かないと思う。やっぱり根底は思いやりかな~?そうそう、クリスマス前はパパと離れてるといいんだね。パパがプレゼントなんて、安上がりでいいじゃん!そう思う私って汚れきってますね~!!!-------「ある女の話:アヤカ」今更ながらに人の痛みや苦しみが伝わってくる。何年もの時を越えて。ツカちゃんに失恋したことで、赤木くんの痛みを推し量ることができる。ウエノさんのせつなさ。マノくんの気持ち。それが大人になるってことなんだろうか?私はそこから何をすればいい?結局人が苦しんでいるんじゃないかと思いながらも、自分が同じような立場になっても、何もできなくて、ただ無力だ。こんな時、肩を抱き合える友達なら、きっと無言でもいいのだろう。そんな仲の人たちが羨ましい。何もできなくても、自分が大切に思う人のことを、思いやることに役立つのかもしれない。何も知らないよりは、きっといい。赤木くんが、女の子をとっかえひっかえしてるのが、だんだん日常になってきて、そんなことを思って日々を過ごしていたある日、私を可愛がってくれたおじいちゃんが突然亡くなってしまった。最後におじいちゃんに会ったのは、みんなで集まったお正月だ。ヒロトが加わるのも、会う度に子供が大きくなったり、増えたりするのも、だんだん慣れたお正月の風景になりそうだった。いつも、おじいちゃんはうちへ来てくれた後に、おじいちゃんが住んでいる地域の、互助会のお年寄りと将棋を指しに行くのを楽しみにしていて、おじいちゃんを車で寄り合い所まで送っていくのが、私の役目だった。私はふと、おじいちゃんに聞いてみた。なぜそんなこと聞こうかと思ったのかは、思い出せない。「ねえ、おじいちゃんは幸せ?」「うん?何だ?」おじいちゃんは唐突な質問にちょっと驚いたようだけど、しみじみと思ったことを口にし始めた。「最近そんなこと考えもしなかったなぁ。幸せだよ~。ヒコにも会えたしな。アヤカのおばあちゃんは会えなかったから。」ヒコ?ああ、ひ孫ね。そうだよねぇ~。と私が返事をすると、おじいちゃんが続ける。「おばあちゃんは美人だったからなぁ。美人薄命ってホントなんだなぁ。」「そっか、おじいちゃんは恋愛結婚だったの?」「いや~、親が決めた結婚だったよ。あの頃はそれが普通だったから。だから…」そこでおじいちゃんは一度言葉を切って、しみじみと続けた。言うか迷ったのかもしれない。「おじいちゃん他に好きな人がいた時あったけどなぁ、今こうしてアヤカと会えて、まあ人生はそんなものなのかなぁって思うんだ。いろんなことが思い出になって、まあ、これで良かったんだな。ってな。」おじいちゃんのカミングアウトはいきなりすぎて、私の中に入ってくるまで時間がかかった。「まさか灰をその人のといっしょにして撒いてくれ…とかって話じゃないよね?」「何だソレは?」私は以前読んだことのある本の話を簡単にした。おじいちゃんは、死んでからまで情熱的な人もいるもんだ、って笑った。「おばあちゃん知ってた?怒っちゃうんじゃないの?」「うん?怒るかな?大丈夫。おばあちゃんは心が広い人だし、全てが過ぎ去ったことだから。どうぞ許して下さい~。」おじいちゃんは、無邪気にあははと笑いながら、おばあちゃんが空中にいるかのように、お辞儀をペコリとした。ホントに大丈夫かよ?おばあちゃん。私は心の中でおばあちゃんに、こんなおじいちゃんを許して下さいとお願いした。何となくだけど、自分より多くを経験してきた人の言葉が響くようになったな…と、この頃思う。「今は自分で人生をいろいろ決めていい時代だからいいねぇ。自分で決めたことって言うのは、人のせいにしないもんなんだよ。後悔しないように生きるんだよ、アヤカ。」「うん…。」寄り合い所で降ろすと、おじいちゃんが手を振って、私をずっと見送ってくれたのが見えた。帰りは伯母さんが迎えに行くことになっている。まさか、それがおじいちゃんとゆっくり話せた最期になるとは思ってもみなかった。実家に帰るとみんな陽気に酔っ払っていた。私の部屋は客間になっていて、その部屋に、私とヒロトは泊まる。もうココは私の家では無いんだな。横で酔っ払ってグッスリと眠るヒロトと、元、私の部屋だった客間の天井を見ながら眠ったのを覚えている。お葬式を済ませ、親戚のみんなで精進落としの食事をしている間、みんなおじいちゃんの話を口にした。おばあちゃんの元へようやく行けて、きっと今頃喜んでいるね…と。誰もおじいちゃんに他に好きな人がいた時があるなんて、知らないみたいだった。あの世でおばあちゃんに怒られてなきゃいいけど。私は、おじいちゃんは幸せだったって言ってた話だけを、みんなの前で話した。みんなしみじみと、それなら良かったね。それに、大往生だよ。と言った。あの話をおじいちゃんがしてくれたのは、私が孫の中で、一番おじいちゃんに懐いていたからなのかもしれない。それとも、最近おじいちゃんに幸せか聞いたのが、私だけだったからなのか。そのお礼かもしれない。いつまでも生きていてくれるような気がして、もうおじいちゃんに幸せかと聞いてくれる人は、誰もいなかったのかもしれない。なので、この話は、私とおじいちゃんだけの秘密。ずっと心の中にしまっておくからね。土地持ちだったおじいちゃんは、友人知人の骨肉争いを聞いていたせいなのか、知り合いの弁護士さんに遺言状を預けていたらしい。おじいちゃんはサンタクロースのように、相続税を払っても大丈夫なように、みんなにそれぞれの土地や物を、そして、私の分まで土地を遺してくれていた。私とヒロトの実家の中間地点に、ちょうど戸建てが一つ立つような。どうりでおじいちゃんがヒロトくんの実家の場所を聞いてくると思った。おかあさんが納得したように言った。いつかここで、二人で暮らして欲しいってことみたい。私がヒロトにその話をすると、二人でなんだかしみじみとしてしまった。おじいちゃんからの最期のプレゼントだね…と。故郷に私達の家ができる。おじいちゃんが帰って来て欲しいと言っている。だからスンナリ決めてしまったのだ。ヒロトが故郷に戻れることが決まった時、ここに、二人の家を建てることに。