テーマ:野球のトリビア(237)
カテゴリ:混合
あれは中学生くらいの頃だったか。
実の父親から、こんな告白をされたことがある。 「オマエの名前な、本当は違うはずだったのよ」 じゃあ、何だというのだ。 いきなり、不思議なことを言うヤツだ。 それにしても、なぜ得意気か? そして、彼は書き出した。 自らの息子に付けるはずだった名前を。 白地のチラシにボールペンが走る。 ……日和? うわ~、縁側が似合いそう。 一体、どういうセンスをしているのか。 随分とキャラ違反な名前を考えたものだ。 ということで、今回は命名に因んだ逸話から。 不惑の豪腕“ロケット”ロジャー・クレメンスは、 元ソフトボール選手の夫人との間に4男をもうけているが、 その全員に奪三振を表す「K」の頭文字を与えた。 うむ、オシャレである。 しかし、一方で――。 “Rソックスの魂”ノマー・ガルシアパーラの名前は、 父・ラモンのスペルをひっくり返しただけだという。 R・A・M・O・N……、本当だ。 これは単に考えるのが面倒だったのか。 それとも「父と正反対の生き方をして欲しい」という、 隠れたメッセージが秘められていたのか。 親のマイ・ブームが反映されるパターンもある。 NBAで“ジョーダンの後継者”と呼ばれている、 コービー・ブライアントなどは、その典型といえよう。 K・O・B・E……、神戸である。 但し、街ではなく、神戸牛の方だが。 牛って。 元読売のビル・ガリクソンもやらかしてくれた。 彼は息子に、無二の親友――桑田真澄の名前を 授けている。 クワタ・ガリクソン。 ……ちょっと待て。おかしくないか? こ、このセンスはまさか!? クワタ・ガリクソン。 2回も書いちゃったよ(三村風)。 どう考えても「マスミ」と名付けるべきだろうが。 あ、侮れないヤツ。 地球上には、弟に名付けられたという変わり種もいる。 リカルド・イゼクソン・ドス・サントス・レイチ。 ACミランの輝ける新星、カカである。 ブラジル人は面倒くさがりが多いらしく、 よく名前を短縮したがる。中には、ジーコなどのように 本名とは関係のない呼び名を付けられることもしばしば。 真偽のほどは定かではないが、彼の場合、 弟が「リカルド」と発音できなかったため、 「カカ」ということになったらしい。 それにしても、なぜ「カカ」なのか。 きっと、あまり他意はないのだろうが、 イタリアではこれが大きな意味を持つことになるのだ。 カッカ=う○こ。 要するに、則巻アラレちゃんが、 よく「つんつくつん」しているアレである。 換言すれば、ベンキマンの頭上に乗っているアレだ。 そして、ソフトンの頭そのものになっている、 アレのことである。 ※ 全て集英社『週刊少年ジャンプ』より。 「Dr.スランプ」「キン肉マン」「ボボボーボボーボボ」 子供はうん○にとても食いつきが良い。 近い将来、カカはきっと改名するに違いない。 そうそう、名前を変えるといえば、こんな選手もいる。 エリベルト・ダ・コンセイカオ・シルヴィオ。 1979年1月21日生まれ。 キエーボ自慢の快足WGだった彼は、 周囲の評価が高まるにつれ、ある不安に駆られていた。 いわゆる、偽造書類。 実はこの男、他人に成りすましていたのである。 そして、それを後悔していたエリベルトは、 ある日、自ら記者会見を開いたのだった。 「実は僕……、エリベルトって人じゃありません。 そして、1979年生まれでもありません」 ここまで語り出して、偽エリベルトは涙を流した。 本名、ルチアーノ・シクエイラ・デ・オリヴェイラ。 誕生日も、1975年12月3日生まれらしい。 彼はプロフィール詐称をしたことで、 日々、胃痛に悩まされていたという。 「怖かったんです。バレたらどうしようと思って。 だから、バレる前に白状しようと……」 オマエはIZAMかぁ~! ※ 人気(?)バンド「SHAZNA」のヴォーカル。 風水的に運勢が良いからと、1976年生まれと 言い張っていた。ハート型の涙を流すタレントと 一瞬だけ夫婦生活を送っていた過去を持つ。 ルチアーノは現在、インテルに所属している。 他人に成りすましたという点では、 元東京オリオンズのアルト・ロペスも一緒だ。 1968年、東京はハワイでキャンプを張っていた。 その初日、濃人渉監督は選手全員を集めて、 ある外国人選手の入団が決定したことを報告した。 その助っ人はロペスという名前で、 右投右打のメジャーリーガーとの話だった。 さて、事件は彼らがキャンプに合流した日に起こった。 なんと、ロペスと名乗る外国人が、 サウスポー用のグラブを使っているではないか。 聞いていた話と違う。何の冗談だ? 「ワタシ、左利きね。何か文句あるですか」 どうして片言か。 しかも、ちょっと逆ギレ気味? どうやら、フロントが獲得したかったのは、 ヘクター・ロペスという選手だったらしい。 それが何の手違いか、アルト・ロペスが来てしまったわけだ。 つまり、この左利きロペスは、まんまと知らんぷりを 決めこんで、契約書にサインしたというわけだ。 誰か、気付けよ……。 因みにこの男、日本で6年間プレーし、 打率.290、本塁打116本とそこそこの成績を残している。 名前にまつわるエトセトラ、第3弾はいつか必ず。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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