テーマ:野球のトリビア(237)
カテゴリ:野球
石原が條辺から逆転サヨナラ2ランを放った瞬間、
冷めた目で画面を見つめる自分がいた。 この一発は、生まれるべくして生まれた。 そんな確信めいた予感が、あったのかもしれない。 この回の先頭、新井の打席。ここで條辺は、 カウントを稼ぐためにスライダーを投げている。 しかし、ボールはインコースへ抜けていくばかり。 あれを見て「今日はスライダーを投げさせるべきではない」と、 阿部はそう感じるべきだった。にもかかわらず、 石原に対しても、また初球からスライダー……。 甘く入ったところをガツン。ゲームオーバー。 それにしても、試合時間5時間強。なんと不健全な。 このグダグダ感、まさに読売らしさを象徴している気がする。 これでは、ファンが離れていくのも当たり前だ。 先日、日テレが打ち立てた5.2%という視聴率が、 全てを物語っている。つまるところ、 今の読売戦は商品としての価値が皆無なのである。 お客さんは、野球に何を求めているのか。 ……まァ、いろいろあるだろう。 チームの勝敗だったり、白熱した試合展開だったり、 プロならではのスーパープレーだったり、 選手個人の活躍だったり、地域性だったり……。 今、読売には何があるだろうか? まず、チームの勝敗。言うまでもない。 現在5位で、しかも最下位とはたったの2ゲーム差だ。 負けは負けでも、惜敗ならばまだ救いがあるのだが、 ここ数試合は惨敗だらけである。したがって、 白熱した試合展開というのもない。 次に、プロならではのスーパープレー。 読売が秀でていることといえば、本塁打くらいのものだ。 上原の制球力や仁志の守備位置、工藤の投球術など、 他にも見るべきものがないわけではないが、 どうしても、それ以外の大味なイメージが先行してしまう。 そして、選手個人の活躍。これもない。 基本的に、主力の殆どは他球団から搾取してきた 人材である。生え抜きにしても、結局は不健全ドラフトで 獲得してきた逆指名選手ばかり。 使いどころよりも話題性。だからこそ、 チームの戦力バランスに歪みが生じてしまう。 その愚かな補強方針は、球界全体のバランスをも おかしくさせてしまっている。 この球団には、どうもヴィジョンというのが見えて来ない。 いや、ストーリーが見出せないと書いた方が適切か。 かつての読売、……少なくとも我々の世代が ガキだった頃というのは、原がいて50番トリオがいて、 彼らの成長が楽しみの1つだった。 いわば「オラが球団」で育ったスター選手。 最近では、松井が当てはまるだろうか。 器の大きさは感じさせられたものの、 やはり高卒ということでヘナチョコだった新人時代。 そこから、球界を代表する4番へと花開いていく過程を ファンは感情移入しながら見てきたはずだ。 ストーリーとは、まさにそういうこと。 思えば、長嶋さんはそれを煽るのが絶妙に巧かった。 しかし、読売は彼を最後にその系譜を 途切れさせてしまっている。そういう意味で、 由伸という素材は、非常にもったいなかったと思う。 スターが集まり過ぎるからこその没個性。 読売は、そこら辺のデメリットについて 真剣に悩んでみるべきだ。 最後に、地域性。全国区のブランド名はあっても、 地域との繋がりはあまり感じられない。 今後、他球団が今の流れを推し進めていくなら、 ファンを横取りされる可能性が最も高いのは、 間違いなく読売のような気がする。 こうして冷静に分析してみると、読売にはファンが魅力を 感じるような要素が何一つとしてない。 かつて、このチームは“球界の盟主”であり、 “必要悪”であった。しかし、昨年の球界再編騒動を受け、 世間はその構図をもはや望まなくなっている。 それなのに、どうしてナベツネが復帰してしまうのか。 空気が読めないのも、ここまで来ると罪である。 粛清人事、プレーオフ導入、分離ドラフト……。 そんなことでファンは帰って来ない。 もっと断固たる覚悟、方針転換を見せてこそ、 事態は変わるのではないか。 今、必要なのはその場凌ぎではなく、長期的な目。 球界全体のためにも、読売にはそこのところを よく考えてもらいたい。 ……最後になったが、JPナイスピッチング! これで、あっさりと借金完済。 因みに、8月の時点で勝率5割に到達したのは、 2001年以来4年ぶりのことらしい。 大久保が被弾したのは余計だったが、 それでも今日のセーブでトップの小林雅まであと1。 昨日は平野も超絶ファインプレーを見せてくれたし、 とりあえずは良しとしておこう。 さァ、今日の相手は松坂だ。 Please crick here !! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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