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2016.02.11
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カテゴリ:映画(よ)

今回の一言
これは色々な意味で凄い...。

2007 ルーマニア
ドラマ

監督
クリスチャン・ムンギウ
Cast
アナマリア・マランカ
ローラ・ヴァシリウ
アレクサンドル・ポトチェアン
ヴラド・イバノフ

ストーリー
1987年、ルーマニア。
女子大生のオティリアとガブリエラ(通称ガヴィ、ガヴィツァ)は寮で2人部屋で暮らしていた。
その朝、ガヴィツァはまるで旅に出るかの様な荷造りをし、なぜかテーブルクロスを持っていこうとしていた。
オティリアはそれを不審がる事もせず、一緒にテーブルクロスを外す手伝いをした。
その後、オティリアは恋人アディに会いに出掛け、300レイを借りた。
アディは今夜の母親の誕生日パーティーにオティリアを誘うが、気乗りしないオティリアに不信感を抱く。
オティリアは逃げる様にしてその場を切り上げまた何処かへと向かった。
ホテルへと着いたオティリアだったが、予約したはずが取れておらず、仕方なく別のホテルで今夜からの予約を取った。
その後、ガヴィツァの代わりにある男性べべに会いに向かう。
べべと会ったオティリアは2人でホテルへ向かい、部屋ではガヴィツァが待っていた。
集まった3人だったが、べべは予約するホテルが約束と違う事、そしてべべに会いに来たのが本人ではない事で不信感を露わにした。
さらにべべと電話で話した時ガヴィツァは2ヶ月と言ったが、本当は4ヶ月だった事、金を3000レイしか用意しなかった事でべべは怒り始める。
何故なら彼等がやろうとしていたのは、違法行為である妊娠中絶だったからだ...。





感想
これは色々な意味で凄い作品です。
凄い作品ですが、賛否両論ありそうな、なかなかの問題作でもあるだろうと感じます。

まず映画としては、長回しと意味のない台詞が多いのが特徴ですが、これはなかなか味があって良いと思います。
特にこの一見意味のなさそうな長回しや台詞の中に、1987年という時代やこの当時の学生達が何を感じているかが込められていると感じました。
さらに一番重要なオティリアとガヴィの感じ方や感性を知る事が出来る事が良いです。

例えばべべとのシーンですが、彼女達は彼女達なりに真剣に考えたのでしょうが、いかに甘い考えをしていたかがよく分かります。
この辺は「今の若い子は~」的な事を言う立場に私もなってしまいますが。笑
べべにつっこまれればつっこまれるほど、おバカさんである事を彼女達は痛感します。
その話を聞けば聞くほど、ガヴィに呆れるオティリアも面白いです!!

さらに気に入ったのは誕生日パーティーの席ですが、出身の話から学歴の話、そこから飛んで食べ物の話、結婚出来なかった人間が聖職者になるとちょっと小馬鹿にした感じの話、そこからキリストの復活祭の話と同祭で飾るイースター・エッグの話、そして昔の人の説教話へと続く長~~~いシーンです。

この無駄だと思える長~~~いシーンに、ルーマニアの習慣や時代を存分、そしてオティリアの感じた事を楽しめるものがたっぷり詰まっています。

私がもしオティリアなら、両親の学歴や田舎出身な事、女は早めに結婚しろと暗に言われている様な気がする事、タバコを吸う事を咎められ、さらに「今時の若い子は~」的なウザい話をされる事でもうウンザリでしょうね。笑

そんな中で復活祭の話とイースター・エッグの話をされるわけですが、復活祭の詳しい事はさーっぱり分かりませんが「復活」「卵」「聖職者に逮捕される」などのキーワードがどうしても妊娠中絶と結びついてしまうんですね。
オティリアの心中はどんなものだったのか...考えるだけで頭の中がグルグルしてしまいます。

さらにその後のアディとの喧嘩シーンもかなり良かったです。
同じ女として共感ポイントばかりでした。

次に役者陣ですがアナマリア・マランカはすごく良かったです!!
元々長回しが多いく台詞は少なめな作品なので演技力を問われますが、彼女は本当に素晴らしかったです。
表情が絶妙ですし、朝と夜、つまりオープニングとラストでの違いが凄いです。
長すぎる1日だったというのが、よ~く伝わります。

しかしダメポイントもあります。
まず手ブレが酷い。
次に夜のシーンが暗すぎです。
この辺は1987年独裁政権下という街並みのリアルさの追求である可能性も否定できませんが、学のない私にはさーっぱりなので、単純に観にくかったです。

次にガヴィツァのおバカさ加減。
この辺は妊娠中の若者の切羽詰まった感を言われるとぐうの音も出ないので全否定は出来ませんが、オフィリアのかっこよさ、いさぎよさ、男勝りはガヴィツァのせいとも言えます。
彼女がもう少ししっかりしてくれてたなら、オフィリアの長い1日はもっと平和に過ごせただろうと思うとやるせない気持ちにどうしてもなってしまうんですよね。
オフィリアはたった1日で大人への階段を(適切な表現とは言えませんが、言葉が見つからないので)20段くらい登ってしまったかも?!笑

いずれにせよ、男性監督がよくここまで作り上げたと称賛の拍手を送るべきだと思います。

女性は、特に中絶した事のある女性は、非常に胸に響くものがあるだろうと感じます。
若さゆえの過ちの代償にはあまりにも大きなものだと感じました。
堕胎後の赤ちゃんがモロに映像に出るのですが、ここも賛否両論ありそうですが、良い事だと思います。
個人的には何不自由なく幸せに暮らせないのなら産まない方が良いと考えていますが、中絶イコール宿った命を殺す事だと認識するのに良いシーンだと思います。
私の世代は中絶が多かったですから何かを感じる人も多いでしょう。
複雑なのは、近年は中絶せずにできちゃった婚が多く、でも結局虐待やら育児放棄で幼児を殺してしまう事が多いので、まぁ結局、結末は同じなわけですが、そーゆー世代にも同じ事を感じてもらえるかはわからないのですけど。

女性なら楽しめると言うと語弊がありますが、観て損はない作品です。
でも本当は男性にこそ観ていただきたい作品でもあります。
男性が軽い気持ちでやっている事の代償の大きさを感じてもらいたいです。
20代前後の若者にも観てもらいたいし、大人が観ても色々と感じる事ができます。
ちょーオススメです!!

my評価9点(10点満点中)





概要
1987年、ルーマニアはチャウシェスク独裁政権下にあり、この政権時代は1965年~1989年まで続いた。
チャウシェスクは共産主義者であり、大統領着任と同時に「ルーマニア労働党」を「ルーマニア共産党」に戻し、「ルーマニア人民共和国」から「ルーマニア社会主義共和国」へ変更。
そして「ルーマニア共産党」一党独裁の社会主義国へと変えたのである。
また第二次世界大戦後、ルーマニア王国はソビエト連邦に占領されて解体、君主制度を廃止し寡頭共和制によるルーマニア人民共和国を成立させたが、それはソビエト連邦の強い影響下に置かれた。
民衆からすると君主制度が廃止されても一党独裁の政権であった為、喜ぶべき事ではなかったようである。
そんな中チャウシェスクは1960年代からソビエト連邦を敵対視した発言を繰り返しており、大統領に就任すると距離を取り始めた。
そんな外交策からアメリカや西側諸国からアプローチを受け、フランス、イギリス、日本などと国交を繰り返したが「共産主義として改革を成功させた」事をアピールしていた。
また北朝鮮を訪れた際には政治体制に感銘を受け、就任してからは模倣するかの様に政治政策を行った。
さらに1966年には人口増加の目的として堕胎と離婚を法律で禁止した。
この為、違法中絶を行い、障害を負った女性や死亡した女性も少なくなかった。
数年後には人口は増加に転じたものの育児放棄によって孤児院に引き取られる子供も増加。
孤児院の子供達は満足に食事を取れず、病気がちになり死んでしまう事もあったが、死んでしまうと職員の給料が減らされてしまう為、病気治療の名目で大人の血液を輸血するという強引な手法が横行。
これによりエイズにかかる子供達が激増。
この時代の子供達は「チャウシェスクの堕とし子」と呼ばれ、ストリートチルドレン化するほどに増えてしまい、後々まで続くルーマニアの深刻な社会問題となってしまった。


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Last updated  2016.02.11 13:43:45
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Re:4ヶ月、3週と2日〜自由気ままに映画日記(02/11)   ツルノカミ さん
こんばんは。
随分と高い点数がつきましたね。同じく人工妊娠中絶を扱った「ヴェラ・ドレイク」もそうですが、それほど昔の話でもないのに、如何に女性が虐げられていたか、実感できますね。 (2016.02.12 23:00:08)

Re[1]:4ヶ月、3週と2日〜自由気ままに映画日記(02/11)   和希ちゃん8383 さん
ツルノカミさん
コメントありがとうございます。
はい、とても面白い作品でした!
誕生日パーティーのシーンもとても面白かったですし、その後の2人の喧嘩なども若いカップルらしいやり取りでリアリティがあってよかったです。
長すぎる1日という感覚がとても良く伝わりました。
オティリアに自分を重ね合わせて、アディにも全てを語りきれない大きなものを背負ったという感覚、喪失感とも焦燥感とも違う何とも表し難い気持ちになりました。
ラストシーン、言葉が少ない事も良かったです。
あれだけて全てを表現出来ていたと思い、映画としても良かったと思います。 (2016.02.13 11:00:22)

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