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Mr. Cats' Gardenのブログ あるいはニャンスケの生活と意見

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2022.05.29
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2022/5/15    眞理の勇氣-戸坂潤と唯物論研究会、秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場 第127回公演    紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA、作:古川健、演出:鵜山仁、   
戸坂潤:清原達之、戸坂イク:中山万紀、戸坂久仁子:佐藤尚子、光成秀子:永田江里、    岡邦雄:島本真治、岡美津:福原美佳、桝本セツ:傍島ひとみ、三枝博音:大木章、長谷川如是閑・刈田新七:葛西和雄、石原辰郎:矢野貴大、船山信:奥原義之、宮地八峰:中谷源、黒川布由子:藤代梓、石川湧:秋谷翔音、本間唯一:塚原正一、富沢光男:船津基、吉田信敏:高山康宏、福山貴一:岡山豊明     

 

図1 眞理の勇氣 チラシ、場内配布資料、半券のコピーから作成したイメージ 

 この芝居のチケット発売は2022年3月24日、そのチラシが配布され上演が固まったのはそれより大部前、つまりロシアのウクライナ侵攻が始まる2月24日より前だった筈である。ロシアのウクライナ侵攻は、100年近く前に、大政翼賛専制軍事国家で憲兵と町内会を通じた草の根密告体制が完備されていた大日本帝国の大陸侵攻から真珠湾へ向かっていった状況と、政治体制的にも状況的にもソックリである。然るに、この芝居は、その100年近く前、厳密には西暦1932年から、本格的な発禁措置が始まった1937年12月、そして戦後へと言う流れを、見事に集約して解説してくれているのである。そして、数量的客観的事実に注目し、論理的に思考する純粋な研究者・学者である戸坂潤を煽動者のように扱い、論理的な思考過程を、自ら翻意して否定するように強制するという、当時の官憲のやり方が見事に描かれているのである。学術への露骨な干渉。官憲が学術的な議論に割って入って、結果を全く別な形に書き換えさせる。天皇中心の政治体制が全てであり、それをアジアの同胞に広めていく(つまり、この美名の基での侵攻)。天皇に直結する日本本土生まれの人間が優等国民であり、他の出身者はそれに従属するものとなる。そんな民族差別思想をも根幹に置き、それに異議を挟む可能性のある言動は全て赤と決めつけ、禁止する。この芝居は、そのプロセスの丁寧な説明である。 
 この真面目なテーマの舞台を、満席の観衆が、正にくいる様に集中している。 言論弾圧とは如何なるものであったのか、その現実を観衆は如実に実感したと思われる。主役以外の主要キャストのなかで、言い違えや台詞の言い直しが散見したのは一寸興を削がれる感が無いでも無かったが、何せ長台詞の連続である。大変な芝居である。演者に好感を持たないわけには行かない。
 
 我ニャンスケ輩、宿主の係累では無いかと感じている、宿主の実家らしきところに胸像になって鎮座している、1937年11月29に胃潰瘍で他界したある教育者のことにも思いを馳せざるを得ず、あまりにも身近で、一寸己を詰まらせ気を張らざるを得なかった観劇なのであった。あの胸像の謹厳で暖かさも感じさせる初老の紳士、自らの教育信念と軍靴との狭間で、胃潰瘍が否応なく酷くなり、現役のままの死を迎えざるを得なかったのか?
 ニャンスケはまた思惟する。日本の思想は、当然のことながら海外からの多量な思想を取り込んで展開してきている。介在しているのは翻訳である。勿論、専門的に思索し論を張る人々の多くは様々な原語で思索できる。しかし、日本語しかわからない多くの国内各界のリーダー達に考えを伝えるには、日本語に翻訳して説明せねばならない。
 唯物論って英語で何という?ドイツ語では?Materialism、Materialismusである。唯という漢字を付してしまったため、Materialismの本来のニュアンスが翻訳されず、偏った狭隘な方向にニュアンスが変調されてしまったのでは無いか。思想弾圧は、暗闇で飛んできた新聞紙をお化けと錯覚し、刀を振り回して塀の向こうの無辜の人々を殺傷してしまったような、あるいは9.11の後、フセイン政権を核武装しているという全くの誤解から攻撃して多数の人々を殺してしまった共和党政権を思わすような、そんなことが唯物論を目の敵にしていた、また現在も目の敵にしているかも知れない、一部日本の「識者」にも言えるかも知れない。。。。ニャンスケの思惟は限りなくーーーーー切りが無いのでここまで。


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最終更新日  2022.05.29 03:40:46
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