061175 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

Mr. Cats' Gardenのブログ あるいはニャンスケの生活と意見

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

Cats' Garden

Cats' Garden

カレンダー

バックナンバー

カテゴリ

日記/記事の投稿

コメント新着

コメントに書き込みはありません。

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2022.06.20
XML
2022/6/12 下谷万年町物語    新宿粱山泊第72回公演 新宿花園神社境内特設紫テント
作:唐十郎、演出:金守珍、
白井:金守珍・大鶴義丹、お市:六平直政、キティ瓢田:蜂谷眞未、文ちゃん(少年):中嶋海央、文ちゃん(大人)広島光、    お春:宮原奨伍、洋一(青年):二條正士、お市をやっている役者:藤田佳昭、軽喜座の座長(お春をやっている役者):松田洋治、    軽喜座の役者寿というオカマ:宮澤寿、総監をやっている役者:佐藤正行、    お市の部下1(蘭子):キンタカオ、お市の部下2(関子):松嶋健太、    軽喜座の役者:紅日毬子・清水美帆子・本間美彩・河西茉祐・星野李奈、しめ縄の少年:田中周平、人形のお時・ヤクザ・航ちゃんというオカマ・警官:柴野航輝、人形のお時・ヤクザ・熊木というオカマ・警官:熊木理太、耳無しお蜜・ヤクザ・穂高というオカマ:佐々木穂高、耳無しお蜜・ヤクザ・知史というオカマ:長山知史、鼻欠けお七・ヤクザ・廉ちゃんというオカマ・警官:田中廉、鼻欠けお七・ヤクザ・秀ちゃんというオカマ・警官:北野秀気、
図1 下谷万年町物語 チラシ・DM・半券から作成

 最近、登場する俳優茶や凡その筋、見所などに多少の予備知見をもって観劇に臨むことが続いていたが、この日は久しぶりにチラシに書かれていた賑やかなタイトルを遠目に見ただけでの観劇 今日は今回公演の初日ということも後で知った。日没後の午後7時が開演時刻。金守珍が劇団販売中のTシャツ姿で前説を始める。3年ぶりに大鶴義丹がテントに登場、3幕目初めにからは30年ぶりに六平直政がテントに帰ってくる。そのときは特に大量に水が飛ぶかも知れないので、桟敷前二列の方は長手のビニルシートをい。ざという時はみんなで半被りして特に膝前の荷物を守って下さい。

 舞台に照明が当たり始めると、破れ障子や襖など昭和の風情の舞台背景の前でオカマ達の談義が賑々しく展開し始める。時は昭和23年11月23日、後で、お話は昭和50年代半ばを現時点として、そこからの回想シーンであることが判るのだが、下谷万年町(上野と浅草の間の、下町色町界隈)の戦後風情がヴィヴィッドに再現されている(これが昭和風景と判る人が段々減ってくるんじゃ無かろうか)。 そして次第に戦前一世風靡していた、今(昭和23年)はポンチュウ(ヒロポン中毒、当時の典型的薬物)から抜ける努力中でもある下町ストリップ嬢の再帰の物語に筋が見えてくる。

 群衆シーンと色彩感覚が蜷川演出を彷彿させ、登場人物が多数で、筋よりイメージだ。さすがに宿主も相方も、後でパンフを買おう、と囁き合う。 最近床に座る生活から遠かった宿主は、久しぶりの体育座りに足腰がついて行けない様子で、途中から何度も姿勢をごそごそと変える工夫を続け始めている。 
3幕目、客席中央の花道から登場の厚塗りオカマ六平直政は、それほど水は飛ばなかったが、流石というか圧巻。

 街路の横には必ずため池どぶ川どぶ水路があった昭和の下町、そこでのヤサグレ色町は、考えて見れば男も女もオカマも皆太ももが剥き出しだったりチラチラしたりが日常だった、若い母親達は皆赤児に母乳を咥えさせながら縁台に座っていたりあやし歩きしたり、果てまた市電に乗ったりチョット買い物に出たり。そんな、今から見れば目茶苦茶オープンな下町の群衆が、テントの舞台に賑々しく展開し、最後はお決まりで、舞台後方が神社境内に向かって開かれ、舞台は街に一体化していく。下谷万年町は唐十郎が生まれ育った街。街への愛惜が構成の隅々まで滲んでいく。
 
 初演は唐十郎と蜷川の演出で、西武(現パルコ)劇場。金守珍や六平直政は、李麗仙の運転手をやっていたという。後から買ったパンフに六平の手記にそんな話が出ていた。 
  
 とても重要かも知れない定めをニャンスケはフト感じた。自ら作り出した人は、それを状況により改変していく力を持つ。だが、出来上がったものを学んだ人たちは、それを変えることが怖い。横浜国大唐ゼミから生まれた劇団唐ゼミは、唐直系として改変していく力を持った。 蜷川実花や大鶴義丹も持っている。 だが、直系的一体感的な創作感性の受容・方法論の本質継承が出来ないと、受け継いだものを頑なに守ることしか出来なくなる。 


【中古】舞台パンフレットレット シアターコクーン リニューアル・オープン公演 「下谷万年町物語」演出 蜷川幸雄 出演 宮沢りえ、藤原竜也、西島隆弘​​
【中古】 舞台パンフレットレット シアターコクーン リニューアル・オープン公演 「下谷万年町物語」演出 蜷川幸雄 出演 宮沢りえ、藤原竜也、西島隆弘​​
『中古』下谷万年町物語​​
『中古』下谷万年町物語 (中公文庫 A 162)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022.06.20 10:54:23
コメント(0) | コメントを書く
[舞台・音楽・芸能パーフォマンス等々論] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.