遠足は ここで行き詰まる

次なる目的地がみつからない

かなり近くまで来ていることは確かなのだが

新しい建物に視界を邪魔されすぎて

スーパーの陳列棚の谷間にいる子どものように

自分たちが 今 どこにいるのかわからずにウロウロしていた

と…

物言わぬオジサンに無言のまま話しかけられた

物言わぬオジサンは自分の持っていた地図を差し出す

物言わぬオジサンの目的地は どうやら我々と同じらしい

物言わぬオジサンに向かって お相手は 「 わたしたちもそこへ 」 と言った

物言わぬオジサンにそれが通じたかどうかはわからないけれど

物言わぬオジサンは笑顔でその場所に留まり 我々は再び歩き出した



なんとか目的地に辿り着き

その場所を堪能する

ひょんなことから己が無知であることを知る

アンパンマンと絵本しか知らなかったけれど

わたしは違うあなたの方に興味を覚えました

あなたの別の顔を もう少し知りたくなりました

などと思っていると

お相手のお腹が ぐぅ～と鳴った

お腹空いてるよねぇ と笑っていたら

そのうちにわたしのお腹も ぐぅ～と鳴った

ここを出たら すぐにお昼ごはん 食べようね



ところで 物言わぬオジサンは 果たして無事辿り着けたのだろうか