焼き物紀行6 ギャラリー有田でコーヒーを
柿右衛門に迎えに来てくれたタクシーの運転手さん、先ほど柿右衛門に来た時の運転手さんだった。有田駅前に並んでいる3台でフル回転しているのかも。ギャラリーで私はブレンドコーヒーを、夫はケーキと紅茶を注文した。「どうぞ、お好きなカップを選んでください」部屋の周り四方全面にカップが並べられている。まるでコーヒーカップの壁であった。皆どれにしようか手に取って戻したり、眺めたり、すごく迷っている。夫は「お任せ」「え?お任せ?選べと言っているのに?」私も席を立たずにクラシカルなものをと、「鍋島でお願いします」2,000個の中から鍋島なぞ探し出すのはごめんだ。もちろん柿右衛門は絶対ないだろうなと踏んだ。ぐうたら老年夫婦なのである。ウェイターさん、自分の後ろを探すが直ぐ諦めて、コーヒーを淹れていた女性に尋ねていた。「鍋島ってどれですか?」さすがに女性は知っていて、直ぐ自分の後ろの棚から取りだして手渡した。先ずこのカップでお水がやって来た。夫のケーキもやって来た。このお皿最近デパートでも良く見るちょっとかっこいいお皿。翌日行った大川内山(鍋島焼きの里)で焼いていた。来た来た、私の手書き鍋島焼きコーヒーカップ。大川内山の畑萬陶苑窯の薔薇である。どんなに安く見積もっても7,000円は下らない。コーヒーを飲んで、そろそろ暗くなるね。本数の少ない松浦鉄道、これを逃すと後が遠い。カフェの階段を降りる。下のエリアに、ショップが有った。「あ、この龍や虎や鶏がユーモラスに描いてあるのドイツのルートのお土産にセバスチャンに持って行ってもらおう。くださいな。時間が無いので包装は良いです」お皿5枚、また買っちゃった。もう歯止めがきかない。「電車行っちゃうよ。急いで」夫が呼ぶ。タクシーには乗車拒否されるほど近い駅まで走るウサギ夫婦であった。急いで伊万里までの切符を買ってJR改札を入る。松浦鉄道のホームまで渡階段を登っていると夫が急に立ち止った。「ねえ、なんか身軽過ぎない?」??? !5回前の焼き物紀行2を見てくださいな。