東北関東大震災における被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。地震発生直後から、世界中から心温まる激励のメッセージが沢山届き、非常に嬉しく思います。しかし、一方で被災者支援と言う言葉を掲げてお祭り騒ぎに興じる動きも一部見られ、恥ずかしく思う人達も見られます。
誰だったか忘れましたが、サッカー選手がユニホームに「共に生きよう!」とマジックで書いて写真に写っていました。また、スキマスイッチが被災者のために歌を作ってYoutubeにアップしたそうです。しかし、これらの活動は被災者不在の中で勝手に盛り上がっているように見えてなりません。そもそも被災者の多くはYoutubeにアクセスさえ出来ないでしょう。言い方は非常に悪いですが、こういう行為は偽善的で私は大嫌いです。このような被災者の助けにならないお祭り騒ぎはむしろ不謹慎で控えるべきです。被災し、家財を失い家族を失いまだ混乱の最中にいる人達が仮に「共に生きよう!」と書かれたユニホームを見て、或いは励ましの音楽を聴いたとして、どれだけ救われるのでしょうか。何も救われません。「人の気も知らないで」と逆に怒りが湧いてくることと思います。このサッカー選手やスキマスイッチのメッセージには被災者を他人事に捕らえている無責任な同情がにじみ出ています。本当に被災者のことを思うなら、被災者の痛みを幾分でも共有することです。一番やりやすいのが寄付です。お金、物資の寄付です。そして支援に向かう人達を支援するのです。寄付もコンビニで出たお釣りの1円玉、5円玉を入れるのでなく、確実に相手の役に立つ金額を入れるべきです。1円玉は1万人集めても1万円にしかなりません。しかし一人1000円出せば1万人で1000万円です。全然効果は違います。理想を言えば、社会人ならば一人1万円は出してしかるべきと思います。1万円は痛いと思うかも知れません。その痛みを引き受ける覚悟こそが真の善意と言うものです。そして、それが本当の支援です。