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虹色のパレット

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2009.09.20
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カテゴリ:美術・音楽

ピアノ姫様や虹姫様が

素敵な夢の世界に遊んでいるとき・・・



candle
(C)kazuhime




いねむり姫さまは、夜の動物たちと

ほんのりと蛍たちにに照らされた夜の森の小道を

小屋に向かっていなさったとところまでは、

すでに話した筈だが・・・。




今宵の音楽会の様子を思い出しては、

お疲れの様子もなく、

うきうきする足取りで踊るように歩いていかれたと。


すると、闇の中で、

黒い影がうごめいているような気がされたそうな。


「こんなに遅く何かしら・・・」

近づいてみると、

みすぼらしい黒いマントに包まった老婆のようだった。

ゆっくり足を引きずるように歩いていたと。

「音楽会に来て下さったお婆さんだわ・・・。」

「お婆さん、大丈夫ですか?」

いねむり姫様は、優しく声をかけられたと。

老婆は、ちょっと振り向くそぶりをしたが、そのまま前を向いて、

「姫様、わしには構わず、お行き下され。」

とかすれた声で言って、顔を闇に向けたと。

一瞬、蛍の光にぼんやりと写し出されたその顔をご覧になって、

いねむりの夢の中で見た、恐ろしい魔法使いの顔が浮かんだだと。



それを察して、

「ああ、姫様、あれは夢ではございませなんだ。
姫様は、人の目には居眠りと見える、
現と眠りの間をさまよいながら、
常に真実を見ていたので御座います。
わしは、実は姫様が苦手で御座った。
現からは、姿を隠すことは出来ても・・・。
彼岸では、身を隠すことは出来なんだでな。

姫様が夢見た、あの恐ろしい出来事は、
現の世界にわしが引き起こした現実なのです。」

と、老婆は夜露に濡れた森のこみちに突然跪いたと。

「わしは・・・・。」

「お婆さん、ここは寒いわ、もうすぐ私の小屋です。

そこで、お話を伺いますわ。」

と、老婆の手を優しく取って、小屋に案内したそうな。

老婆は、少し震えながら、弱々しい足取りで、

黙って、姫様について行かれたと。

老婆の頬には、幾く筋もの涙が光っていたと。






つづく













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最終更新日  2009.09.22 06:17:05
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