夜が待ち遠しい

2022/08/20(土)08:30

自宅ではお手軽ディナーでも大満足 その164

家呑み(538)

日本では米はもっぱら主食となります。米農家の人たちや米屋なんかは米を炊いただけのごはんを口にして旨いとか語ったりしますが、それって本当なのかしら。でも近頃はコロナで試食ってのが自粛されているようですが、物産展とかアンテナショップなんかで地方のブランド米などを試食させる場合、本当にただ炊いただけのごはんを用意していたりするからきっとかなり本気でそう考えているらしいのです。確かにもし人が飢餓状態にあるのであれば炊いただけのごはんに旨いと感じることも可能と思いますが、幸福にも飢餓とは無縁の生活を送るぼくにはほのかに甘味だったり苦味だったりが感じられるだけのそんなに味などないごはんそのものだけで旨いという感想を漏らすだけのナイーブさなどないのです。もとよりごはんに限らずうどんだってそばだってそれ単体ではとても旨いとは思えないはずです。時折、高邁な態度の客あしらいで苛立たせることもある蕎麦職人には、一口目にはそばつゆや塩すら付けずに食べることを求める者もあるけれど、店先にはっきりとその旨を告げることもなくいざ食べようとしたときになってそんなことを言われたりしたら客としては一言モノ申したくもなるのです。主食になるような食材っていうのは基本的にはそれそのものだけで食べるようにはなっていないんじゃないか。おかずや汁物を添えたり、それ自体に味付けすることが大前提なんじゃないだろうか。最低、塩だけでいいんですよね、いわゆる塩むすびなんて確かに美味しいもの。でも頑固に白飯に拘る人っていますね。そういう人は日の丸弁当ですら嫌うのかしら。とにかく、日本における米の利用法って白飯が基本にあるとしても炊き込みご飯だったり、丼だったり、雑炊だったりとにかかく主食扱いなんですね。それって何かもったいない。諸外国では米も他の野菜などと同様に食材の一つとして多様な料理の一食材として活用されています。そんな米を食材の一つとする料理を色々集めてみました。  パレスチナなどで食べられたりするムジャッダラは、ああこれはいかにも主食寄りだから今回の趣旨とは違っていますが、なかなかのせる機会がなかったので参考までに。 【材料】 米 400ml/レンズ豆(煮る) 200ml/塩・胡椒・クミンシード・カルダモン・クローブ・青唐辛子・ギー 適宜/固形ブイヨン 1個/フライドオニオン 200ml/パセリ 適宜 【作り方】 1. 米(1割多めの水)、レンズ豆、塩、胡椒、クミン、カルダモン、クローブ、青唐辛子、ギー、、固形ブイヨンを加えて炊く。 2. 皿に盛り、フライドオニオン、パセリをふる。  中東料理のレシピを眺めていると炭水化物や豆、芋などを同時に使用する料理が多くて愉快ですね。でも日本人がこんなのばっか食べてたら成人病に一直線ですね。日本人は基本的にごはんはごはん、そばはそばっていう風に単独で調理することが多そうです。よく大阪人がお好み焼きでごはんを食べると笑われているけれど、ラーメンと炒飯、そばとかつ丼などのセットでいくらだって炭水化物を重ねて摂取する場合があるのにね。豊橋のカレーうどんは一皿ならぬ一丼でうどんとごはんを盛り付けているけれど、とろろで仕切っているから単に同じ器上の別メニュー扱いとみていいんじゃないでしょうか。このムジャッダラは日本でいうところの豆ごはんだからちっとも驚くにはあたりませんが、手間いらずのたまに食べたくなる味です。  イタリアに限らず米とか麦っていうのは、豆などと近い用いられ方をしているんじゃないかな。現地でどう呼ばれているか知りませんが、ライスサラダは各地で作られているようです。別にそれは米に限ったものではなくてブルグルだったり、大麦、そばの実などとっかえは自在に可能な扱いのようです。 【材料】 トマト 2個/きゅうり(皮を剥く/1cm角) 1個/ピーマン(1cm角) 1個/セロリ(薄切り) 1本/オリーブ(2等分) 12個/パセリ 大さじ2/ツナ缶 1缶/塩 小さじ1/2/胡椒 適宜/レモン汁 大さじ2/オリーブ油 大さじ3/米(炊く) 360g 1. ボウルに全ての材料を入れて混ぜる。  基本的になるべくレシピに忠実に作りたいところですが、ツナの代わりにアンチョビ、米は玄米で作りました。まあ急遽思い付いて作ったから仕方ないかな。ってかそれでも十分美味しい。穀物をサラダに使うのはまだまだ日本人の感覚にはなじまないのかなあ。不思議な位に味に膨らみがでるのでもっと取り入れていきたいです。全体量を増やしたら満足感もあるし、ダイエットにも良さそうです。  イタリアに限らず中東など多くの地域で野菜の詰め物の具材として米が用いられているようです。この詰め物に関しては粘りのある米が穀物では一番適しているようです。トマトのリピエノはイタリア版の詰め物料理です。 【材料】 トマト(中身をくり抜く/中身はブレンダーで撹拌) 4個/玉ねぎ 1/2個/米 80g/パルミジャーノ 40g/バジル 5枚/オリーブ油・塩・胡椒 適宜 【作り方】 1. フライパンにオリーブ油を熱して玉ねぎを炒める。米、胡椒を加える。トマト中身、塩を加える。パルミジャーノ、バジルを加えて塩で調味する。 2. トマトの表面と内側にオリーブ油を塗って1.を詰める。トマトの蓋にもオリーブ油を塗ってオリーブ油を敷いた耐熱皿に並べてオーブンで180℃30分焼く。 https://bacchetteepomodoro.com/ja/  上記サイトを参考にしました。こんなにシンプルな食材だけなのになんて美味しいのだろう。不思議と冬場の野菜よりもこのトマトやナス、ピーマン、ズッキーニなどの夏野菜に米は相性がいいような気がします。  イタリア料理で色んな食材を重ねて焼く料理のことをティエッラと呼ぶようです。だから食材次第で無数のヴァリエーションが作れるらしい。今回は比較的よく見るアサリとずっと高値を維持していたイカが安く手に入ったので併せてみることにしました。 【材料】 アサリ(むき身) 100g/イカ 1杯/米 80g/水 100ml/じゃがいも(薄切り) 220g/玉ねぎ(薄切り) 80g/トマト水煮 1/2缶/にんにく 1片/イタリアンパセリ 適宜/べコリーノ 30g/白ワイン 大さじ3/塩・胡椒 適宜/オリーブ油 大さじ2/パン粉 適宜 【作り方】 1. 鍋にオリーブ油(大さじ1)を熱して玉ねぎ、にんにく、パセリ、じゃがいも、白ワインを敷いて塩、胡椒する。トマト(半量)、アサリをのせて米(半量)を散らす。イカをのせて米(半量)、にんにく、パセリ、玉ねぎ、トマト(半量)、じゃがいも、チーズをのせてパセリをふる。水、オリーブ油をかける。弱火で10分煮る。火を止めて10分間蒸らす。中火で3分焼く。  ああ、これは美味しいなあ。魚介など食材の旨味をじゃがいもと米が存分に吸い込んでいるからここでは真のご馳走はじゃがいもごはんということになるのかもしれません。米を使った料理は、ワインと凄いよく合うようです。面倒に見えて実はとても簡単な料理なので、今後も食材を変えて楽しみたいと思っています。

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