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2013.03.11
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カテゴリ:外来診療一般

 さて、必死の思いで発売に漕ぎ着けたムコスタ点眼液ですが、実際に出来上がってきた製品は成分が安定しにくいために一回毎の使いきりタイプのみで、液は濃く白濁し点眼すると強い苦味を感じる、という典型的な、

 

 

 

 

 

 

「良薬口に苦し」のややハードボイルドな使いにくい目薬

 

 

 

 

 

 

でした。

 

 

 

 

R0090020.JPG

 

 

 

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 また、ドライアイの患者様には高齢者の方が多いのですが、この1回1回使いきりのユニットドーズの目薬は、「開封が難しい」、「小さいので点しにくい」などの大きな欠点がありました。

 

 

 

 

 

 

 また、目薬が白色の濁り液なので、点眼した後にしばらく目がかすんで見えにくくなる、点した後に強い苦味が来る、というのも大きな欠点でした。

 

 

 

 

 

 

 このような弱点から、発売後のムコスタ点眼液は臨床の現場では「かなり処方しにくい」、「処方した後に患者様からのクレームが出やすい」、気難しい薬となってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 製造販売元の大塚製薬では発売前のマーケティング調査で、「使いきりタイプで濁り液なので、それにより普通のフルボトルタイプの無色の点眼液だった場合に較べて売上が1割程度減る。」というデータが出ていたということなのですが、私は初めてムコ点の見本を見た瞬間に「これは実力の3分の1売れればいいところだろうな。」と直感したくらいだったので、やはり発売前のマーケティングに甘さがあったのは事実ではないか?と個人的には考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてこの厳しい状況に輪をかけたのが、ライバルの参天製薬のジクアス点眼液の「トータルでの圧倒的な完成度の高さ」でした。

 

 

 

 

 

 

 参天製薬は「クスリの成分を溶かして目薬に仕立て上げる能力」では世界一と言われており、またその眼科薬メーカーとしての長い歴史から、「使いやすくて点しやすい」目薬を作ることに長けています。

 

 

 

 

 

 

 具体的には参天製薬の目薬というのは、

 

 

 

R0074883.JPG

 

 

 

 瓶の真ん中にくぼみ(ディンプル)があって、高齢者等指の力が弱い方でも楽に確実に点眼しやすい工夫がされています。

 

 

 

 

 

 

 また目薬に含まれる防腐剤というのは、角膜(黒目)や目の周りの皮膚の荒れを引き起こすことがあるのですが、参天製薬はこの防腐剤に関する 特許 をたくさん持っており、他社よりも目に優しくて安全な目薬を作ることが出来ます。

 

 

 

 

 

 

 つまりジクアスは「点眼薬としての総合力が抜群」で、しかも販売でも既に圧倒的に先行していたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 発売が遅れ、しかも製品としての総合的な洗練度もガクッと落ちるムコスタ点眼液、その戦いに数多くの苦難が待ち受けていることは初めから明らかだった、残酷な言い方をすれば「最初から勝負は見えていた」ともいえるんですね。(続く)

 






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最終更新日  2013.03.11 13:49:25



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