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カテゴリ:外来診療一般
角膜に潰瘍が出来てしまいなかなか治らない患者様がいらっしゃいました。
目の状態は上の写真の様な状況で、見ただけで大きな潰瘍(写真で緑色に染まっている部分)があるのが分かりますね。
これは「周辺部角膜潰瘍」という病気で、自分で自分の目を攻撃してしまっている状態です。ステロイドの目薬を使えばすぐに治ることが多く、私達眼科専門医にとっては一般的にはそれほど難しい病気ではありません。
ところが、この患者様、とにかく全然良くならないのです。目薬を変えてみたり色々と作戦を練るのですが、全然潰瘍が小さくならず改善しません。
「潰瘍部に凶悪なばい菌が住み着いていてそれで治らないのかな? それとも自分の見立てと違う何か違う病気なのかな? これは困ったな。」私も段々と焦りの色が強くなっていきます。
そんなある日、患者様を診察していると、かなり強く目を閉じる癖があることに気付きました。「もしや?」と思って患者様に自分で目薬を点してもらうと、
点眼した瞬間に目を強く閉じてしまっており、実際には目薬が全く目に入っていませんでした。
つまり、この患者様はちゃんと目薬を点せていなかったせいで、それで全く治らなかったのです。
そこで、この日からは奥様に代わりに目薬を点してもらうようにしたところ、
潰瘍はほんの数日で見る見る良くなりました。
大変勉強になる、そして印象に残る出来事でしたね。
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最終更新日
2017.02.14 11:58:18
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