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Carolyn Muessig ed., Preacher, Sermon and Audience in the Middle Ages(Brill)読了。 当初の予定では、三月中に読み終わる予定だったのですが、一泊入院などもしてしまったため、のんびりしたこともあり、読了が遅れました。それでも、三日…。まあまあだと思いたいです。まだ、レジュメが100ページくらいのところまでしかいっていないので、あと約200ページ分作らなきゃ…。さらりと流すレジュメにしようかな…。 と、そんなことはどうでもよいですね。さて、本書の紹介に移ります。 本書は、論文集です。編集者のCarolyn Muessigはブリストル大学の中世神学の講師をなさっているようです。専門は、ジャック・ド・ヴィトリの説教、修道院の歴史、中世の女性の教育など。ジャック・ド・ヴィトリの説教を中心になさっている方ですから、今後、彼女の著書や論文を読むことは増えていきそうです(昨日も同じことを書いたような…)。 本書の構成は以下のようになっております(全部、試訳で紹介します) 第一部 導入 第一章 中世の説教師、説教、聴衆:導入(C. Muessig) 第二部 中世説教研究の動向 第二章 テキストから説教活動へ:出来事としての中世説教の復元(A. Thompson) 第三部 レトリックと説教活動 第三章 「説教術」と中世説教(P. Roberts) 第四章 アヴィニョン教皇庁での「教皇を前にした」Coram Papa説教活動とレトリックの共同体(B. Beattie)←下手な訳 第四部 説教活動とパフォーマンス 第五章 中世説教とそのパフォーマンス:理論と記録(B. M. Kienzle) 第五部 説教活動と芸術 第六章 金細工師としての説教師:イタリアの説教師による視覚的芸術の使用(N. B.-A. Debby) 第七章 説教活動と図像:後期中世イングランドにおける説教と壁画 第八章 後期中世イタリアの芸術における聖人説教師 第六部 説教師と聴衆 第九章 ヴェルチェリ説教11番-13番とアングロ・サクソンベネディクト改革:仕立てられた情報源と意図された聴衆(C. D. Wright)←これも変な訳 第十章 女性の助言者としての説教師(N. B.-A. Debby) 第十一章 聴衆と説教師:「諸身分への」説教と社会分類(C. Muessig) 第七部 歴史的情報源としての説教 第十二章 中世の聖人説教集の文脈(G. Ferzoco) 第十三章 中世説教活動の心的暦の再構築:方法と限界-日曜説教の分析(J. Hanska) ふ~、目次の紹介だけで長いですね。今日、第十三章を読み終えたことで、晴れて本書を読了ということになったのでした。 第一章は、本書の構成を概観。 第二章は、第二部のタイトル通り、近年の説教研究の成果。説教を研究する際に使用する史料についても言及があって有益です。 第三章、「説教術」というのは、説教の作り方(テーマの選択、レトリックについてなど)を書いた、参考書のようなものです(参考書としていうときには、「説教術書」というべきですね)。それについてです(だれてきました…)。 第四章、14世紀初頭にアヴィニョンに教皇庁ができるのですが(教皇のバビロン捕囚、教会大分裂)、その頃の教皇庁での説教活動についてです。はい、タイトルまんまですね。だれてきました…。 第五章は興味深いです。現在では、史料が限られているため、実際の中世における説教活動はどのようなものだったか、というのを復元するのは難しいことです。説教師の表情、身ぶり、聴衆の反応…。これらについて述べられます(なお、現段階で作っているレジュメはこの章の途中まで。ふぅ)。 第六章、第七章は、説教師が説教をする際に図像(芸術作品など)を使った、という話で、第八章は、図像に描かれた説教師について述べています。 第九章はすみません(唐突すぎて、?と思われる方もいると思いますが…。だれているのです)。 第十章、第十一章は、今までに日記記事でふれていると思うので省略させてください。 第十二章は、聖人伝のようなものがあるのに、どうして聖人に関する説教もいったのか、ということについて書いていました。 第十三章は、方法論的な話が面白かったです。d'Avrayの提案する方法を援用しているようですが、心的暦(Mental Calendar)とはなんたるか、がまだ理解できていないので…。 ふ~、疲れました(これ書くのに)。 ーーーーーーーーー 「中世の自殺」若干読み進めました。昨日、節の最後の二段落ほど残していたので、そこを読みました。 今日はその二段落しか読むつもりがなかったので、別の仏語論文「<民間信仰>と民俗文化」も読んだのですが、10行ほど読んでだるくなったのでやめました。この論文は、Delaruelleという方の論文集(死後に編集、出版された)に関する批評のようです。魅力的なタイトルなのですが、今日はMuessigの論文集を読み終えたことで十分満足だったので、なかなか進められませんでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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