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2016.09.21
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横溝正史『聖女の首(横溝正史探偵小説コレクション3)』
~出版芸術社、2004年~


「横溝正史探偵小説コレクション」第3弾です。本書には、金田一耕助シリーズの原型となる作品が数作収録されていて興味深いです。
 本書の収録作品は次のとおりです。

―――
「金襴護符」
「海の一族」
「ナミ子さん一家」
「剣の系図」
「竹槍」
「聖女の首」
「車井戸は何故軋る」
「悪霊」
「人面瘡」
「肖像画」
「黄金の花びら」
―――

 最初の5編は戦時中の時局的な作品。特に面白かったのは「ナミ子さん一家」です。軽快な口調の主人公が、家族の行動で気をやむのですが、はたしてその行動の意味とは…という作品です。

 「聖女の首」は、「七つの仮面」(横溝正史『七つの仮面』所収)の原型。もちろん、原型自体も面白いのですが、「七つの仮面」は原型にはない多くのトリックを追加して、さらに物語を充実させていることが分かります。

 「車井戸は何故軋る」は、「車井戸はなぜ軋る」(横溝正史『本陣殺人事件』所収)の原型。これは何度読んでも面白いです。どろどろした家族や村人たちとの関係、義眼の男…。後に金田一シリーズに改変されていますが、原型と物語の筋はほとんど変わっていないはずです。ある意味では金田一さんが登場しない分、原型の方が味わい深いかもしれません。

 「悪霊」は、「首」(横溝正史『首』所収)の原型、「人面瘡」は後に同題で金田一シリーズとなります(横溝正史『人面瘡』所収)。

 「肖像画」は、「ペルシャ猫を抱く女」(横溝正史『ペルシャ猫を抱く女』所収)と改変され、さらに後に金田一シリーズの「支那扇の女」(横溝正史『支那扇の女』所収)となる作品です。

 最後に収録されている「黄金の花びら」はジュヴナイル作品です。

 金田一シリーズの原型にいろいろふれられるのが嬉しい作品集です。





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Last updated  2016.09.21 22:38:49
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