カテゴリ:本の感想(海外の作家)
コナン・ドイル(阿部知二訳)『四人の署名』 ~創元推理文庫、1960年~ (Arthur Conan Doyle, The Sign of Four, 1890) シャーロック・ホームズシリーズの第2長編作品です。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。 ――― シャーロック・ホームズとワトスンのもとに、メアリ・モースタンという女性が訪ねてきた。10年前、インドに赴任していた彼女の父がイギリスに戻ってきたが、彼女と会う約束をしていた日に失踪してしまった。それから4年後、彼女に、何者かから、高価な真珠が届けられるようになった。そして、ホームズを訪ねた日には、その送り主から招待状が届いたというのだ。また、モースタン氏の机の中から出てきた奇妙な紙切れには、「四人の署名」が記されていた。 指定された場に赴いたホームズたちは、真珠が届けられるようになった背景、そしてメアリにはさらなる財宝を受ける権利があるという話を聞くことになる。だが、その後に訪れた場所では、財宝の場所を知っている人物が奇怪な死を遂げていた。 ――― メアリ・モースタンの周辺に起こる奇妙な状況や、「四人の署名」がその中で持つ意味といったものが、冒頭で示される大きな謎です。物語の中では殺人事件も起こりますが、その事件自体の謎解きにはあまり重きはおかれていない印象です。 ホームズとワトスンが犯人の足取りを追い、そしてさらなる攻防が繰り広げられるあたりなど、手に汗握る展開もあります。 個人的には、『緋色の研究』の謎の提示や展開の方が好みですが、本書には、ワトスンさんの恋物語の趣もあり、また違った味わいがあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.08.02 22:55:34
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