カテゴリ:本の感想(あ行の作家)
青崎有吾『水族館の殺人』 ~創元推理文庫、2013年~ 学校の部室に住み着く駄目人間・裏染天馬さんが活躍するシリーズ第2弾です。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。 ――― 学校新聞の取材のため向坂香織たち新聞部のメンバーは、地元の丸美水族館を訪れた。館長に案内されながら取材を進めている中、大人気のサメの水槽に人が落下し、サメに食べられるという事件が発生。慌ててバックヤードの水槽の上に駆けつけると、水槽に落下する前に殺されていたのは明白な状況だった。 警察が捜査を進めるも、事件のタイミングでは全員にアリバイがあった。そこで、体育館事件で活躍した裏染天馬に協力要請がなされることとなる。袴田柚乃も、裏染を動かすために、一緒に水族館を訪れる。 犯人たりえる11人のアリバイ崩しの行方と、現場に残された黄色いモップの意味とは。 ――― 前作『体育館の殺人』も面白かったですが、本作も抜群に面白かったです。 本書の面白さは飯城勇三さんの解説がとても的確に描いてくれていますが(この解説はとても良かったと思います)、なんといってもじわじわと論理で犯人の行動を再構成し、犯人を指摘する過程のスリリングさがたまりません。動機にいたるまで、綿密に張られた伏線が丁寧に回収されていきます。これは面白いです。 シリーズ続編を読むのが楽しみです。 ・あ行の作家一覧へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.12.27 22:20:28
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