カテゴリ:本の感想(ま行の作家)
麻耶雄嵩『あぶない叔父さん』
麻耶雄嵩さんによる、ノンシリーズの(連作)短編集です。6編の物語が収録されています。 舞台は、一年中霧が深い霧ヶ町。高校生の斯峨優斗さんが語り手で、その叔父さんが真相を明らかにする役回りを担います。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。
――― 「失くした御守」優斗が恋人の真紀とのおそろいの御守をなくしてしまった頃、町では、有名な女性が教師と二人で死亡するという事件が起こる。最初は心中と思われたが、殺人の可能性も高まっていく。問題は、現場付近は雪で覆われており、犯人の足跡が遺されていないことだった。 「転校生と放火魔」小学生の頃に付き合っていて転校していた明美が、ふたたび町に戻ってきて、同じクラスになる。その頃、町では放火事件が相次いでいた。
―――
語り手の優斗さん、実家がスナックで情報通の陽介さん、ドラマ大好きの真紀さん、そして優斗さんの元カノ明美さんの4人が主要メンバーで、事件の謎について語り合います。各事件の謎解きもそうですが、優斗さんが何を決断していくのか、ということも物語のもう一つの軸になります。 それにしても、多くを書きにくい作品です。ミステリはいろいろ読んできているつもりですが、とにかくこの趣向は斬新でした。
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Last updated
2019.06.19 22:46:29
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