|
カテゴリ:ラグビー
【早く立たなくていい、ということはない】
これが、スーパー14の新ルール解釈に対する僕の結論です。 タックラーのボールへの働きかけが制限?された今シーズンのスーパー14。タックルとジャッカルが一つの動作だった昨シーズンに比べ、マイボールを確保しやすくなりました。どのチームも(特にハンター役を務めるフランカーは)対応に追われています。試行錯誤の状態といったところでしょうか。 タックラーのボールへの働きかけは難しくなりましたが、タックルの後、寝ていていいことはありません。ファイトする、ポストプレーヤーとして次のプレーに参加する! 意識の高い選手は、既に新しい仕事を探しているようです。例えばハイランダーズのアダム・トムソン。彼は196センチもある巨体をタックルの後すぐに持ち上げ、抵抗を試みています。その結果、相手チームは余分にプレーヤーを使うわけで、当然、外の人数の確保は難しくなる。特に彼の起き上がりが上手いなあと思うのは、お尻から1モーションで立ってしまうところです。 ラグビーは人数のカウントがものをいうゲーム。ブレイクダウン周辺の「アライブ」が大外の出来高を左右する重要なファクターであると改めて感じさせられます。 【好ゲームを演出した、「判断の長さ」】 さて、今週は早くも第5節ですが、今のところのベストゲームは「ワラタスーブルズ」でしょう!王者ブルズ相手にワラタスがガンガン仕掛ける。最終的にはブルズが底力を見せましたが、緊張感のある好ゲームでした! すごいなあ~と思うのが、両チームとも、ボールキャリアがプレーの最後まで選択肢を持っていることです。どの段階でボールをつなぐ(ポップパス)ことを諦めているのか、の判断が非常に長く、ラックは「最終手段」という位置付けなのです。 この、長く判断することが、「判断の正確性」を圧倒的に高めています。日本人選手では吉田明さん(元神戸製鋼、現京産大)を思い出します。ボールを持った瞬間に判断、抜きにいって判断、当たって判断、レッグドライブして判断、寝ながら判断、ダウンボールする瞬間判断・・・ 公式戦で明さんをサポートしていて、当然ラックにするだろうと思い、スイープに入ったところポップパスが飛んできて、胸に当たってノックオンしたことを覚えています。僕の判断が短く、正確性に欠けていたために、取ればトライのチャンスを逸したことを今でも覚えています。「ここまで粘れるんか!」と。 話が逸れました。ワラタスーブルズは各選手が前進しながら「長い選択肢」を確保していたことが引き締まった大人のゲームを演出したのではないでしょうか。 【勝敗を分けた「有効性」】 では、勝敗を分けたのは何か。 「一時攻撃の有効性」かなと思います。 誰を巻き込むのか、どこで切るのか、どこにプラットフォームを作るのか。この辺りの理解力が違っていたことが一つ、そして、用意されたアタックの「有効性」の高さで勝負がありました。 スクラムから一発でトライしたアタックでも、センターが開いてできた小さなスペースにウィングが顔出しをしている。例えばこれが、大きくセンターが開いてしまえば外のディフェンダーに詰められてしまいます。大きなフィールド上で小さな2対1を創造した、インテリジェンスのあるプレーに感じました。ブルズのスタッフはすごいですね。 今のところ、前年王者のブルズが頭一つ出ている印象です。これを追うのはどのチームになるでしょう?バック3に驚異的なアタック力を持つチーフスが続き、クルセイダーズ、ワラタスが追う展開でしょうか・・・予想難しいな~!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 10, 2010 09:03:29 AM
[ラグビー] カテゴリの最新記事
|
|