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カテゴリ:ライヴ/コンサート
ジム・ジャームッシュの『ナイト・オン・ザ・プラネット』、
ニューヨークのエピソードで、 アフリカン・アメリカンの「ヨーヨー」が、 東ドイツからやってきたタクシー運転手の名前を尋ねる。 ファースト・ネームは「Helmut/ヘルムート」。 それを聞いてヨーヨーは笑いだす。 ヘルメット? そんな名前があるのか? 以後、ヨーヨーはヘルメット、ヘルメットと呼びつづける。 まったくどうでもいいことだが、 ヘルムート・ラッヘンマンという作曲家を想いだすと、 どうしてもこの「ヘルメット」が同時に浮かんできて、 ちょっと笑ってしまう。 不謹慎かもしれない。 でもまあ、連想というのはそういうものだ。 今年の東京オペラシティ、「コンポージアム2009 ヘルムート・ラッヘンマンを迎えて」。 室内楽の日は用事があって行けなかった。 オーケストラの日は、「協奏二題」。 曲目と演奏家は以下のとおり。 《アカント ~ オーケストラを伴う独奏クラリネットのための音楽》(1975/76) 《ハルモニカ ~ 独奏テューバを伴う大オーケストラのための音楽》(1981/83) 飯森範親(指揮) 岡静代(クラリネット)、橋本晋哉(テューバ) 東京交響楽団 はじめに作曲家自身による、実際にオケでの演奏をまじえながらの、レクチャーがある。 それから演奏。 少し前、集中してラッヘンマン作品を聴きなおしたりしていたのだが、 ライヴで聴くと、その音の出所や方向に視覚も沿って動いたりするので、 おもしろさは倍増する。 視覚とあわさって聴覚もより研ぎすまされる。 オーケストラは細分化され、部分的に変則的な配置で、 スピーカーからでてくる音もある。 モーツァルトのクラリネット協奏曲を、 ラッヘンマンは唯一の、こうした作品として捉えているとのことで、 この曲がスピーカーからひびいてもくる。 25分強とそれなりに長い -----これはモーツァルトの協奏曲と重ねるための長さ、だろうか?-----が、 飽きることはない。 特殊奏法オンパレードなので、演奏家のしぐさにも目がいく。 マウスピースをとって、ぽんぽんと楽器を叩くクラリネット奏者 -----ソリストのみならず、オケの右後方に3人座っている-----の姿など、 笑ってしまう。 「ぽん」と単独ならいいが、リズムになっているところなど、 どうしても……まさか作曲者は意図していないだろうけれど、 全然「現代音楽」に触れたことのないひとは、やはり奇妙に見えるのではないだろうか。 岡静代は小柄と言えると思うが、ほんとに真剣に、 このほとんど特殊奏法だらけの作品に、 クラリネットとバス・クラリネット、二本で取り組む。 思いのほか聴衆は多い。 拍手も大きい。 ラッヘンマンの作品は嫌いではないし刺激もあるが、 自分自身の生と交差するかというと、あまりそういうことはないだろうな。 テューバとオケの作品も気にはなったが、翌日に差し支えると困るので、 申し訳ないながら、1曲のみにて退散。 今日の収穫、 じつは、オペラシティの地下にできたスーパーマーケット「成城石井」であった。 いつのまにか地下鉄につづくあたりにできていて、 いそいそとはいりこむ(スーパーには弱いのだ)。 そして、ドレッシングと和三盆のお菓子を買う。 ほんとうはもっと欲しいものもあったけれど、 腰を悪化させないためにこの程度で我慢。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年05月29日 10時29分53秒
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