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カテゴリ:ライヴ/コンサート
ピアノのうえにはディジタルの目覚まし時計がおいてある。
会場は満員。 知人の顔もすくなからず。 アブドゥーラ・イブラヒム/ダラー・ブランドのソロ・コンサート。 19時から2-3分遅れてステージに立ったピアニストは楽譜を抱えている。 おろした譜面台にそれをのせ、おもむろに弾きはじめ、 20:25くらいまで、弾きつづける。 左手のオスティナートのうえにのるゆたかなメロディ。 おだやかなひびき。 はやいパッセージで音がにごることもあるが、それもまた、 土煙のような陰影を音楽に加える。 20時をすこし過ぎたころ、すこし色合いが変わり、 両の手によるトレモロがしばらくつづく。 静かに演奏をやめ、立ち上がり、手をあわせ、 客席にむかって、からだの位置を変える。 ふと、もうすこし演奏しよう、といった風情で弾きはじめる。 おなじような、うた、がつづいてゆく。 ただメドレーになっているのではなく、 即興ではあるけれど、メロディが回帰したりするのである。 演奏は20:59にとまり、ピアニストは立ち上がる。 一度だけ、バックステージからすこしでてくるが、 時計を指差して、もう終わりだよ、とでもいうような仕草をする。 この豊かさ、満足感は何だろう。 2010年9月29日(水)、サントリーホール ブルーローズ・ルーム お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年09月30日 09時47分42秒
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