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2014年04月16日
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カテゴリ:日常
親の臨終の場に呼ばれ、人よりも大声で泣く人はきまって、それまで仕事に忙しく、一年に何度かしか帰郷せず、晩年の親とはゆっくり話もしなかった子どもたちだ。--------中原清一郎『カノン』(河出書房新社)

海馬を移植することで他人になり、生き延びることができるようになる近未来。この列島で二例目の手術がおこなわれようとしているところから作品は始まる。
手術がおこなわれるためには多くのチェックがあり、そのための委員会も設けられている。そうしたこともこの作品の問題系のひとつだが、中心となるのはその一対の人物たちとその周囲ということになる。男性と女性、58歳と30代、つれあいとの、子どもとのつながり、そして友だち。
男性は膵臓がん。女性はといえば、だんだんと記憶がなくなってゆく、いまでいう若年性アルツハイマー(ここではジンガメル症候群という名称が与えられている)である。その母親はこんなふうに言う------「ペンティメントっていう言葉があるんです。主人が死んで、わたし、趣味で油絵を始めたでしょ。そこで覚えた言葉なの。昔の画家って、材料があまりなかったから、下絵に重ね塗りをして、別の絵を描くことが多かった。でも、うんと長い時間が経つと、上絵が透明になって、下絵が表れてくる。それをペンティメントって呼ぶそうなの。あの子も、そのペンティメントになるのよね。」
考えようによっては、ある種のSFとか、「いれかわり」の物語は書かれてきた。だが、ここではより現実的に、そしてより「人間的」(という語がいいかどうかはわからないが)に描かれてゆく。
生について、身体について、が記されるが、また「心」についても対話があったりする--------「心って、渚みたいなものではないでしょうか。」
すでに単行本となっているが、積み上げていた雑誌掲載で読んだから、もしかするとすこし変更が加えられているのかもしれないけれど、この58歳の男性が子どもだった時期の台所の描写は、いささか過去「すぎる」ようにもおもえる。近未来のGPSなどの描写はさもありなんと違和感はないのだが。
タイトルは、女性の名からとられている。
音楽用語としてのカノンともつながっているとみていいだろう。時間的なずれ、そして、おなじテーマがそれぞれの声部で、という意味で。
『北帰行』から37年、外岡秀俊が中原清一郎名で発表した長篇小説。外岡秀俊、そう、朝日新聞の記者としてさかんに書いていた人物である。





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Last updated  2014年04月16日 21時59分12秒
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