第19話
にゃあ実ちゃんは“お手”をする。正確には“お手”を所望する。
にゃあ君は握手をしたので、にゃあ実ちゃんもできるだろうと試しに握手を始めたら、これが気に入って、自分から「お手、お手!」と、手を出してくる。
2時間も続けてパソコンに向かっていると、にゃあ実ちゃんは机に上がってパソコンの脇にどっかと腰を下ろす。
「ちょっとやり過ぎよ」
と警告を発してくれるのだ。私の健康まで気を遣ってくれる優しいところがある。忙しくてやめられないでいると、左手を持ち上げ、幽霊手をしておいでおいでの仕草をする。
「はいはい、わかりました。“お手”ですね~」
と、こちらが“お手”をさせられる。“お手”は1度に3、4回繰り返される。それ以上はやらない。それが遊んでの合図らしい。ちょうど目や肩が疲れてきているので、いいタイミングだ。休憩がてらにゃあ実ちゃんと5分も遊ぶと、にゃあ実ちゃんは満足して昼寝を始める。
しかし、“お手”をしただけで休憩せずにパソコンを続けていると、にゃあ実ちゃんは私の手をかじろうとする。仕方がない、忙しくてもにゃあ実ちゃんに嫌われたくないので、ちょっとだけ遊ぶことにしている。
引っ掻く~
と見せかけて
実は「お手!」
ついでにペロペロ♪