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カテゴリ:続 ごめんね、にゃあ君
第27話
それから間もなく生活に大きな変化が生じることになった。引越し話が持ち上がったのだ。 にゃあ君との想い出深いこの家を後にするなんて、それまで考えたこともなかった。近くに自分で部屋を見つけ、にゃあ実ちゃんと暮らすことも考えたが、にゃあ実ちゃんがストレスを感じず跳ね回れる家なんて、そう簡単に見つかるわけがない。抵抗空しく、引越しが決まった。 13年も住み続けると、いろいろな物が増えていく。引越しを機に、減らせるものは処分しようと選別にかかる。旅好きなので、集めた資料やパンフレット、ピントのずれた風景写真は山ほどある。数日かかって何とかその山を崩し、ようやく思い出の品々を詰め始める。にゃあ君のおもちゃ、にゃあ君の写真、にゃあ君の使っていた布団、などなど。 にゃあ君の写真は意外と少ない。出会った頃の写真は撮っていない。こんなに大切な存在になるとは思いもしなかったからだ。軒下でしばらく生活し、猫ハウスを拵えてからようやく撮り始めたので、にゃあ君は既に青年に達している。昔ながらのカメラで撮ったもの、それも時折気が向いたらだったので、数も少なく、デジカメのようには自由に編集・加工できない。 にゃあ君のアルバムを開いたら、そこで作業が中断してしまった。これはあの時、こっちは・・・・と、想い出を辿り始めたらきりがない。 結局、にゃあ君関係のものは全部まとめて引っ越すことになった。 (にゃあ君もこうしてよく庭を散策していたなぁ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.02.02 16:40:21
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