手作りのオカリナ
オカリナは、土をこねて焼いてできている楽器。宗次郎が自分で焼いたオカリナを吹いているのは有名だけれど、ちまたでも「オカリナ作り」経験者は結構いる。私はオカリナを習い始めて9年くらいだけれど、「え?作ったことないの?」と驚かれることもあるくらい、それはポピュラーなことのようだった。だから1度は作ってみたかった。そんな夢が叶い、先日「オカリナ作り」を初体験できた。あくまで体験に過ぎず、企画してくださっている方々におんぶにだっこでそれは申し訳ないほどなのだけれど、作業の工程と、いかに音を出すってことが大変かを理解するには充分すぎるものであった。型にはめて穴をあけてととのえる…という言葉で表現すればたったそれだけのことなのだけれど、命である「歌口」部分が悲しくなるほどむずかしくて大変だった。粘土のときに、すでに音が出ていなければだめなのだそうで、何度も試し吹きするのだけれど、何の音も出ない…教わりながら微妙に調整して、また吹いて、また調整して…まわりの人たちがとっくに出来上がり、余った粘土でおもちゃみたいなオカリナを作ったり、はし置きを作ったりしているというのに、まだ出ない…「もう、私のはだめなんじゃないか…?」といよいよ涙目になり始めた頃、ようやく音が出た! その瞬間のうれしさったら!最近自分のことでこんなにうれしかったことがあったろうか…?と思うほどうれしかった。うれしくてうれしくて、まだやわらかいままのオカリナでおそるおそる吹いた「アメージンググレース」…思ったよりちゃんとメロディーになっていて、すっかり舞い上がってしまった。ほっとして気がつくと、口の中がじゃりじゃりになっていた…。作業のおしまいに名前を彫って、あとはおまかせ。次回は、焼きあがっているものの調音と色付けをする。でも、焼く時に割れてしまうものもあるとのことで、どきどき…。私のオカリナが、どうかあの1曲の演奏で終わってしまいませんように…!画像は、貴重ないただきもののオカリナ。さかさにするとかわいい顔にみえるので、私のプロフィールにちょっと拝借。荻窪にあるフォーク酒場落陽で行われているギター教室の先生、春木屋さんからいただいた。Junと彫ってあり、昔知り合いの方が作ってくれたのだそう。形も指使いも、普通のオカリナと違うので、まだ勉強中。いつか落陽で、Debbyともどもデビューできたらいいなと思っている。