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カテゴリ:釣り日誌
ほとんど忘れかけてしまうのは嫌なので、日記でまとめたいと思う。皮肉屋の私の文章は悪趣味な冗談に満ち満ちているので、この日記を読める人は菩薩のように広い心を持っているに違いないと確信する。
YouTubeプレイリスト↓ https://www.youtube.com/playlist?list=PLDS0qOOrEmBIQqAGxZwfbxhBGHG2rdyaU 2022年6月30日から7月18日にかけて釣りを目的に北海道へツーリングに出かけました。知床、猿払、礼文、天塩、南富良野、士幌でオショロコマ、ヤマメ、アメマス、イトウ、ブラウントラウト、エゾメバル、ソイ、カレイなんかを釣ったりした全18日間の記録。 序盤から中盤、だんだんと体力が削れ、バイクのキーが折れ、砂利道で盛大に転け(未だに痛い)、ロッドも折れ、思ったより釣りができない日々に、焦燥感が募り落胆に陥りながら、終盤にやっと釣りができて嬉しい、そんな北海道ツーリング。 日付順に動画を示して、写真を交えながらちょっとした解説というか紹介というか感想を記しておきたい。 6月30日~7月3日 6月30日。大洗フェリーのサンフラワー富良野に乗船。到着は翌13:30に苫小牧だ。 特にやることもなく、飯を食い、ビールを飲み、風呂に入り、楽天koboで事前にダウンロードしておいた『不滅のあなたへ』と『創世のタイガ』を読んだりして過ごした。 7月1日。北海道到着。帯広を目指す。 日勝峠を越えて進む。とくに何もなく帯広に到着。飯を食いに街に出る。 名物らしい豚丼を食べる。豚ヒレ(?)に鰻のタレかけたような、味は普通。いわゆるファミレスだったからだろうか。もっと美味しいところがあるのかもしれない。 帯広では、小屋みたいな居酒屋が密集しているところがあって、一杯ひっかけてホテルに帰ろうと思ったけど、それほど魅力を感じるメニューではなかった、というか入りたいなと思ったところは満席で、面倒になってコンビニに寄って戻ることにした。 7月2日。知床は羅臼に向かう。このころからksrのスピードメーターがイカれ始める。 とりあえず、ずんずん進むと何やら見覚えのある道に出る。2018年に初めて北海道ツーリングに出かけたときに通った道だ。あのときは、全日程のほとんどが曇りか雨で、北海道には憎しみを込めて中指を立てていたが、今回は打って変わって快晴で笑顔のダブルピースの双岳台だ。阿寒のアイヌコタンにも寄り道して小さい木彫りのフクロウのストラップを買う。 知床に到着。展望台に行き、キャンプ場へ。夕方の海でエゾメバル通称ガヤに遊んでもらう。ホムセンで薪、コンビニで食糧を買ってキャンプ場に戻る。さて着いたと荷物を下ろす前に、バイクの前輪をロックしようとしてシリンダーにキーを挿しっぱなしにし、そういえばメーターの調子が悪かったなと、メーターケーブルをいじっていたら、荷物の重さでハンドルが左にガタンと切れる。一瞬、脳みそに電気が走ったように思考が固まった。何が起こったのか飲み込むまで、ほんの数秒。飲み込んでからやっちまったと絶望したときの時間は永遠を感じてしまう。 シリンダー内で折れた鍵の先が詰まっている状態。だけど、まだ走れないわけじゃない。ハンドルロックとエンジンオンオフのシリンダーは別だ。予備の鍵はいつもタンクバックに入れてある。折れた鍵先は大きな街に行ったときに鍵屋さんかバイク屋で取ってもらおう。そうだ、まだ焦る必要はない……あれ? 予備の鍵を忘れている。 結局、任意保険についているレッカーを手配してもらうことに。この旅のために7月から新規で入ったのだけど、たった二日目にして、ある意味で保険料の元はとれたことになる。 7月3日~7月4日 7月3日。レッカーとタクシーを手配し、中標津に向かう。 鍵屋さんで鍵先を抜いてもらってさらに新しい鍵を作ってもらう。 タクシーと鍵の作成で、大人のお店で遊べるくらいのお金を失う。当初、保険屋からタクシー代も鍵の作成も保険から支払う的なことを聞いていたが、そんなことはなかった。でも1日でまた走れるようになって嬉しい。 7月4日。オショロコマを釣りに行く。いっぱい釣れる。 キャンプ場の横の川ではオショロコマしか釣れないので、移動。 ヤマメの釣れる川を見つける。 さて、この川でヤマメとオショロコマと遊んでもらっていると、突然の大物が飛び出してくる。どうやら、サクラマスのようだ。少し考えれば分かることなのだが、放流もしていない川でヤマメがたくさん釣れるということは、つまりサクラマスが俎上している川だということだ。サクラマスは釣ること自体が禁止されているので、とっとと引き返す。 夕方から海へ。ガヤとカレイを釣る。ソイもいるのだろうけど、昼には出てきてくれないようだ。 ふと雷鳴が聞こえ、知床連山の向こうから黒い雲が迫ってくる。ピカリと稲妻が瞬いて、風も強くなる。急いで帰るも、途中で雨に打たれ、羅臼の町のコンビニに避難。雨雲レーダーと空を睨めっこして1時間。雨脚が弱くなってきたので、キャンプ場に戻る。 魚を焼いて食べる。 美味いが、どうも喉を通らない。お腹は空いているのにどうしたことか。翌日、残していた魚を食べてみると、死ぬほど塩辛い。どうやら疲れで味覚が逝っていたようだ。 7月5日~7月6日 7月5日。舎利のとあるキャンプ場に向かう。 知床峠を越えて、目的地はすぐそこだけど、寄り道をする。天に続く道はガスっていて、全然見えなかった。サクラの滝は、サクラマスが跳ねまくってとても良かった。 さて、前日からすでに疲れが溜まっていることを自覚していたので、屋根のあるところに泊まりたいと、とあるキャンプ場の移動テントなるものを予約する。 行ってみると、綺麗なキャンプ場で小屋もテントも可愛らしくて素敵なところ。いいじゃん、とか思いながら休息をとることにする。 ところが、このキャンプ場。いわゆる元沈没宿というやつで、なんか奇妙な連中が屯する場所だったのだ。クリオネ……ふむ、なんか聞いたことある気がする、と脳みそを探ってみると、2018年の北海道ツーリングのさいに「どんなことがあっても泊まりたくない」とか言っていた記憶が思い出される。 気づいたころにはもう遅い。ここで泊まるしかない。こっちは死ぬほど疲れているのに“フレンドリー”を押し付けてくるバカと、なんか夜には皆んなでご飯を食べられるらしく、つまり宴会になり、耳栓を突き抜けてくる騒ぎ声に早く眠りたいのに寝られず、そして足元を這いずる大量の蟻に不快感だけが募る。 というよりも、もっと事前に調べておいて、そこで泊まるにしても、ちょっと離れた静かなところとか、そもそも行かないとか、色々と手段はあったのだろう。そういう意味では危機察知能力の低い私の判断が誤りだったのだ。 翌朝、なんかヤベェ奴がいたので、揶揄ってやろうとしたけど、話の通じない感(宇宙人と話しているような)が尋常じゃないので、怖くなってとっとと退散する。 7月6日。猿払を目指す。 ほんとうに何もない北海道を肌で感じながら進む。いやまぁ、寄ればあるけど。というわけでサロマ湖付近を走行中、展望台なる看板を見つけ行ってみることにする。これがこの旅最大の過ちだった。 よくある田舎道然とした道を気分良く走っていると、途中からダートに変わる。しかも砂利だ。減速も間に合わず突っ込み、スピードを落とそうとするも轍に前輪が取られ、ぶっ倒れる。 バイク自体は、前カゴが地面にめり込んですぐに止まったけど、その分、慣性の法則で投げ出される身体。3~4メートルほど地面を滑走することになる。 ロッドを積んでいる側に倒したくないと右に転けたのだが、それがまずかったのか受身を取るさいに、先に右肘を地面につき、次いで右の肩と背中を打って、そのまま滑り散らす。 肘からかなり出血しているらしく、その辺りから生温かい感触がする。アドレナリンが出てるので、痛みはさほど感じない。とりあえずバイクを起こし、破損箇所を見る。前カゴはひん曲がり、後部の荷台についけているアタッチメントはボルトが破損している。が、車体は走れないというダメージはなし。展望台から降りてきたオバチャンズに心配されながら、とりあえず、荷台のアタッチメントをなんとか直して、その上に前カゴを積み、舗装路まで戻る。とにかくコンビニかホームセンター、ドラッグストアに行くことにする。 途中から、だんだん痛みが出てくる。朝に筋肉痛が酷くて鎮痛剤のロキソニンを飲んでいたけど、突き刺さるような痛みはどうやっても隠せない。 コンビニを見つける。すぐ隣にドラッグストアもある。 店員の親切なオバチャンにダンボールを貰って、前カゴを発送。すぐにドラッグストアに行き、バンドエイドのパワーパッドの1番デカいやつを買う。とにかく右肘をなんとかしなければならない。ミレーのジャケットとユニクロの長袖に大穴を空けて肉をエグっている。なんというかクレーターかな、とか思いながらパワーパッドを貼るけど、一枚じゃ足りず、二枚つかう。それでも出血が止まらず、しばらくすると右肘付近に生温かい感触が広がって、固まらない血がパワーパッドから溢れてくるのを感じる。 ロキソニンは血の凝固を阻害するから、薬の効果が切れれば大丈夫だろうとは思うけど、猿払に向かうのは断念して、浜頓別のクッチャロ湖のキャンプ場に泊まることにする。最悪、病院で止血してもらうことも考えていた。 クッチャロ湖畔キャンプ場は以前にも泊まったことがある。夕日が湖に沈む景色が観れる綺麗なところだ。ライダーが群れている入り口付近を避けて、奥でテントを張った。すぐに炊事場の綺麗な水で、傷を洗い流し、パワーパッドを張り替える。 犬を連れた老夫婦が、心配してくれたけど、おじいちゃんの方は「このイス座ってもいい?」系の人でちょっとイラっとする。まぁ、田舎住みだと現物を見れないので、こういう機会に少し試させて欲しいという気持ちは分からんでもないが、こちとら疲れているし身体中痛いから、そんなテメーの都合を押しつけてくるなよ、と心の中で思っていたけど、もしかしたら態度にも出てたのかしれない。悪りぃなジジイ。 すぐに寝て、翌朝、犬に挨拶して出発する。 7月7日~7月9日 7月7日。猿払へ向かう。 冷静になってみれば、浜頓別から目と鼻の先なので、そのまま猿払に行っても良かったのかしれない、と思えるのは右肘の出血がようやく落ち着いてきたからだ。 途中、猿払川の河口で釣りをしてみる。ウグイしか釣れない。そもそも水温が20度以上ある(正確な水温は忘れた)のでイトウがいるとしたら海の方か、もっと上流のほうかしれない。 猿払の道の駅に隣接しているキャンプ場でテントを張る。 なんかこの日は、道の駅のお風呂がやってなくて、まぁ怪我のこともあるし入る気にもならないけど、流石に成人男性が二日風呂に入らないのは異臭騒ぎになるのでボディペーパーでとくに股間を入念に拭いておく。 猿払はホタテが有名らしく、地元はホタテで潤っており、漁師ホタテ御殿を建てられるほど稼いでいるようだ。 というわけでもないけど、ホタテ丼をいただく。ホタテに限らずだけど、同じものをこれでもかってくらい突っ込んだ料理って正直途中から飽きるよね。美味しいのはもう分かりましたすみません、という気持ちになる。でも、本当に美味かった。ずるずるした粘膜ぽいのにコリコリの貝ひもと何かプチプチした海藻が入った味噌汁がとくに良かった。 7月8日。イトウ釣りチャレンジ。 イトウは色々回ってみたけど、手ごたえらしい手応えを得られずに終了した。湿地でよく至近距離にシカと遭遇する。「アニキここじゃ釣れませんぜ」と会うたび毎回言われている気分になる。最後の最後で、もう一回河口に行ったけど、そのとき発見した看板に7月からイトウ釣りの自粛をお願いする旨が書いてあった。まぁ愛護団体か協会かしらないけど、自粛なので従わなければならないというわけではないが、釣れる気配もないので午後にはキャンプ場に帰ることにする。 やることもないので、色々観光する。 最北端へ。お腹も空いてたので海鮮丼を食べる。 ウニとイクラとカニの三色丼。こういうのでいいんだよ、こういうので。味のレパートリーって大事。ただまぁ観光地価格なのか、というか北海道って美味しいけど、価格と行く手間とか考えると、そんなに北海道だからって感じはしないのでは、と一瞬考えそうになったけど、それは無粋だ。 行ったことのなかった白い道に行く。 白い道も綺麗だけど、どちらかというとこの辺りの景色自体がすごく綺麗だ。大きくゆったりした緑の丘と空の青さが素晴らしい。 そんでもって、早めにキャンプ場に戻る。 この辺りは湿地もあって、ウェーダーが泥んこになるくらいのところを歩いたので、汗をかきまくっていて、さすがにこの日は風呂に入ることにする。何故か入浴前に所在地を書かされ、番頭(?)から「東京……」と怪訝な顔をされたけど、そういえばこのころ妙にコロナの感染者が増えていて、「すぐに人が多くなる時間なるので」と早く上がるように言われても仕方ないといえば仕方ないのかな。といっても私は暑がりなので、風呂はすぐに出るのだが。 風呂から出てビールを飲みながら、海岸から吹く風で顔の火照りを冷やしていると、一台のカブがやってきた。どうやら、ここでキャンプするらしい。私の場所から一本歩道を隔てたところに、テントが5張ほど密集していたので、その人だろうと思った。だけど、風呂に入る前に大型バイク4台できていたジジイに「クマ出ますか?」「食べられるときは若い君のところに行くよね」「こんなところにイトウなんかいるはずないじゃないか」などと非常に不愉快な挨拶をされたのを思い出して、ちょっと待てよ、大型バイクと50ccのカブが一緒にツーリングなんてするのか? と疑問に思っていたら、案の定カブの人とは他人のようだった。カブの人は何が起こったのか分からないというように立ち尽くしてから「何なんだよこれは!」と怒鳴り出した。たしかに、言い分はごもっともで、テントを張れる芝生のスペースにはまだまだ余裕があるのだけど、あえて他人のしかも1メートルもない間隔で隣に設営する理由も意味も不明だからだ。「なんで俺が引っ越さなくちゃならないんだよ!」とキレ散らかしながら、テントを移動させるカブの人をニヨニヨと眺めているとジジイたちが帰ってきて、不思議そうに「あの人機嫌が悪いんだね」なんて話しているのをみて、本気で爆笑しそうになった。きっとジジイは自分たちに負い目があることなんて微塵も感じないのだろう。何も感じないのだから話しても意思疎通は不可能で、むろんジジイにはジジイなりの「良かれと思って」があるのだろうけど、その良かれはあなた達の周りにしか通じないし、それをこちらにまで膨張させてくるものだから少しでも関わりを持つと厄介なことになる。実際問題、現実社会でいうところの世代間の断絶的なものは、こういう小さな小さな亀裂の積み重ねで起こるのだろうな、なんて考えながらやけに美味いビールを飲んだ。 7月9日。稚内のフェリーで礼文島に向かう。 稚内でパワーパッドを買い込みフェリー乗り場へ。 フェリーでは特にやることもないので、たまに景色を眺める。 礼文島に上陸しとりあえず最北限へ。未だに最北端と最北限の意味がよく分からないけど、バイク乗りなら“最”とつく場所には行かなければならない。 うん。綺麗だね。 で、キャンプ場に向かう。礼文番屋というところで、谷みたいな窪地にテントスペースがあり、しかもテントデッキがあってすごく良いところ。 利尻富士も見える。丁度、虹も出ていてよかった。 さて、テントを立てようとするもワンポールテントはテントデッキで設営不可らしく、キャンプ場の奥の鬱蒼としたところで立てることになる。近くに小川が流れているらしく、何故だか大量のハエに悩まされる。バイク置き場近くから魚の腐った臭いもしたので、たぶんどこかで沸いているのだろう。 もはや、そういうことに対する不快感も感じないくらいの体力と精神なので、そこで一人ジンギスカンを焼いて食べる。 7月10日 7月10日。渓流釣りに出かける。夜は漁港でロックフィッシュを狙う。 正直、あまり思い出したくない。何故かというと、本当に本気で楽しみにしていた礼文島の渓流釣りが強制終了されたからだ。まだ、礼文島だけならいいが、この後の日程にも響いてくることになる事件が起きた。 そう、ロッドが折れたのだ。 礼文島の渓流を思い出すとその瞬間がチラついてイラつくので、その折れたロッドのことを書こうと思う。 メジャークラフトといえば、元ダイコーの社員が興した会社というのは有名な話。カリスマスティックも未だに実家にあるし、メジャクラのロッドは中学高校とお金がないときにかなりお世話になった。 使用していたのは、ファインテールFTX-50/565L。北海道に行く間際、持って行くロッドを悩みに悩み、とくに手持ちのマルチピースは長さ的に微妙なものが多く。4フィート台と5フィート台くらいのロッドがどうしても、要るような気がして、しかし、これ以上ロッドは持っていけない、どうしよう! ということで、急遽購入したものだ。 ロッドは、微妙に張りもあって、しかも一本継ぎ足すだけで5から5.6に長さが可変する、非常に素晴らしいロッドだと思っていた。それは誤りだったのかしれない。 私が良いと思う張りというのは、ブランクスの粘りの中から生まれる張りだ。たとえビヨンビヨンの柔らかいロッドだとしても、ティップを5センチ上下するだけでもミノーの操作感が手元に伝われば良いわけで、決して単純に硬いだけの張りを意味しない。 ファインテールは良いロッドなのかもしれない。動画にはある理由でしていないが、50センチほどの魚をかけてランディングまでしている。正直、小さいながらも奥多摩一年分くらいの魚をかけた。なので、ロッドに異常がないこともクレーム修理に出す前から十分に分かっている。 問題の原因はなにか、むろん私のミスであることは大前提になるのだが、それでも何か別の言葉を加えられるものがあるとしたら、ロッドそのものの限界がかなり低いと言わざるを得ない。私が張りだと誤解していたものの正体は硬さだったのだ。 マルチピースロッドは継ぎ目が多いから、2ピースや1ピースに比べると綺麗に曲がらないというのは分かる。 けどファインテールは正直、2ピースの設計思想のままマルチピースに分割したような気がするくらいの硬さだ。長さが可変するのだって、ガイドの大きさとか位置調整も変わってくるのが当然のことなんじゃないのか。硬いだけでロッドに張りを出しているもんだから、ちょっと鋭角にルアーを引くと、限界とも思えないベントであっさり折れる。 なんだか考えれば考えるほどダメだ。ダメダメだ。ダメなところばかり探そうとしている。 んー……やっぱり、メジャクラは許せん。 キャンプ場に戻り、悲しみのあまりヤケになりクソ高いウニを食べに行く。 まだまだお昼前だったので、とくに待つこともなく丼は出てきた。前日にお昼を食べようと同じところにいったら、待ち時間が結構あったので、それなりにお客が多いだろうなと思ったけど、そうでもなかった。フェリーの時間とかと関係あるんだろうか。ここのウニが一番美味かった。美味すぎて3口目で、もういいや、となるくらいだ。 帰りに漁港があるので行ってみる。昼間の海を覗くと何やら泳いでいる。ルアーを追っかけてくるそいつはアメマス。海で泳いでいるアメマスを初めて見るので、面白いなぁ、釣ってみたいなぁ、と思っていたらファインテールのことが脳裏をよぎり、ムカついてキャンプ場に帰りふて寝する。 夕方に目が覚めて、夜の漁港に行ってみる。 大っきいソイが釣れてくれたので大満足。 ゾディアス持ってきてよかったー、と思わせてくれた。 7月11日~7月13日前半 7月11日。礼文島脱出。幌延のバンガローへ。 フェリーを待っていると、隣にいたおじさんが「ああぁ」と声を上げたので「どうしました?」とたずねると「あれ」と指差す方向で、バイクが転けていた。 なんか人だかりができているけど、ほとんどの人がどうすればいいのか分かんない様子だったので、仕方なくバイクの引き起こしを手伝う。 足首を打ったようなのでスプレータイプのサロンパスをすすめる。それでも足を引きずっているので見ていられなくなり、フェリーの乗船場所までレブル乗りの紳士とバイクを押していく。無事に乗船して、それから、降りる際に何かお礼のようなことを言われたけど、フェリーのエンジンが煩く、聞き取れない。 「安全に運転してください」 そう言ったけど、たぶん聞き取れなかったのか、彼はキョトンとしていた。で、バイクの下船時。 私の前で見事に転ける。 駆け寄る船員。颯爽と下船するレブルの紳士。どうすることもできない私。 「ま、人いるし大丈夫だろ」 船員の誘導に従って下船する。 そして動画に続く。 サロベツ原野とか何とか風力発電所なんかに行ったりしたり、天塩川で釣りしてみたりしたけど、あんまりこの辺りの思い出はない。 7月12日。旭川へ向かう。 もはやどうしようもなく疲れていて、暖かい布団で眠りたかった。ので旭川でホテルを予約した。 何となく見つけた北海道命名の地とかいう謎スポットをいじり倒し、何もない北海道をひたすら走って、旭川に。チェックインまで時間があるので旭山動物園に行ってみる。 すっごいでっかい肉球。 動物を色んな角度から見れて楽しい。 山の上にある売店は見晴らしがよく、そこでカレーを食べる。遠くの雲がなんか怪しいので、急いでバイクに戻る。 何故、旭川くんだりに来たのかというと、最大の目的がロッドを買うということだからだ。おそらくこの街を逃したら、もう南富良野では買えない。 急いで数件回り、トラウティンマーキスエキストリームを買う。良いロッドに出会えた。お金はもう予備資金も底をつきはじめる。 ホテルに行き部屋で荷物の整理をしていると夕立が降る。雷と激しい雨はすぐに収まり、全くの用無し不用品のゴミになったファインテールをコンビニから東京の部屋に送りつけて、その日は就寝する。 7月13日。南富良野はかなやま湖に向かう。 途中、富良野のお花畑へ。 ラベンダーの香りに精神が浄化される。 ラベンダーアイスクリームを食べて、ラベンダーオイルが入ったアルコールスプレーを全身に散布して、北海道で生じた全ての不快感と憎しみと苦悩にサラバ。 かなやま湖畔キャンプ場に向かう。 7月13日後半 キャンプ場の受付のご老人と話していたら、釣りはあのポイントが良いよねなんて教えてくれた。自分が予想してたポイントと被っていたので、行ってみる。 その前に買い物。今晩の食糧を買う。なんと南富良野にはモンベルがあるので、そこでジャケットの補修シールと南富良野限定のtシャツを買う。 それから空知川が流入しているら辺から様子を見ながら釣れそうなポイントを見て回る。けども、やっぱりご老人の言うところが一番良さそうだ。 動画で見える対岸は思ったより浅かったので、ここで釣る。水深とか地形を考えるとトラウトの回遊ポイントに間違いなさそうだ。 風と戦い、オーバースペック気味の重いスプーンをぶん投げ続けていると、ひったくるようなバイト。 着底するかしないかのタイミングだろうけど、ぶっちゃ風が強すぎてよくわからない。 上がってきたのは50upのアメマス。ちゃんと測ってないけど概算で53センチなので、50upといっていいと思う。 レイクトラウトってやつを生まれて初めてやってみたけど、チョロいね。というか、北海道がチョロいんじゃないかと思い始める。いや、北海道の自然は雄大だと言っておこう。 ちょくちょくと移動しながら粘っていると、イトウらしき魚がかかる。無念のフックアウト。だけど、この場所にはいることが分かって俄然燃える。 7月14日前半 7月14日。午前は空知川の支流で釣る。 ラフティングのお店がチラホラ見えて、ボートを運搬しているトラックも通っていたので、さっさと釣りをする。 霧雨が降っていてイワナというかアメマスというか雨鱒が釣れてくれやすい天気だ。デジタル水温計が壊れてしまって、水温は不明。 ちなみにデジタル水温計はマグネットキーパーの磁力でバグったらしく電池を抜いて再度起動させると直りました。 とにかく渓流だ。はじめ上流に登ろうとしたけど、水量があって怖いし、陸伝いに移動できる感じでもなかったので下りながら釣ることに。どうせ誰も来ないから、渓流ルールとか別に構うものか。 というわけで、初っ端にイワナをヒットさせた辺りから下る。ちょくちょく確認しながら、そんなに粘らずに移動していると、蛇行しつつ落差もあるような複雑な流を見つける。少し流れのゆるくなるところにルアーを落して、流れにぶつかるかぶつからないかのところでヒット。網に入り切らず焦りながらランディング。 47センチ。良いアメマスだ。同じところですぐに35センチを超えるアメマスも飛び出してくる。 その後、空知川の合流点から別の支流に入ったところで、びっくりするほどデカい魚を一瞬ノせるもフックアウト。 北海道チョロいというよりも、もはや凄すぎて呆然とする。 7月14日後半 午後になる前にお腹も空いたので、道の駅のレストランへ。ついでにモンベルで青いスマホケースをポイントで買う。 レストランで何を食べたのか覚えてないけど、たぶんハンバーグ定食だったと思うが、そんなことよりかなり高齢のジジイが気を失って倒れたらしく、店員がちょっと慌てていた。時間が経っても構わん、と食券を買って水を飲みながら待つ。待ってるとジジイの意識も回復したようで、病院に運ばれていった。へぇ良かったねと、たぶんハンバーグを食べながら、「まぁ老人が旅先で死ぬってのは、これから特に珍しくもなくなるんだろうなぁ」なんて考えていた。そういえば我が曽祖母も温泉に入っているときに逝ったらしいが、こういう時ってお店の人にすごい迷惑かかるんだろうなぁ、とかぼんやり思っていた。できるだけ人に迷惑をかけない死に方をしたいものだが、長生きし過ぎるとそれさえも叶えられないというのは、哀しいのか何なのか。それはそれとしてジジイ死なずに済んでよかったね。 それから今晩の夕食を買ってから、昨日イトウ(?)をバラしたポイントに再エントリー。 爆風の向かい風にルアーを投げ倒しているとヒット。 これが……イトウ。 猿払、天塩とチャレンジしても釣れなかった。あの、イトウ。ちょっと興奮し過ぎて、若干、涙も出そうになった。でもよく見ると、相当のマヌケ顔だなお前。 その後、意味不明なほどの重いアタリに一瞬でラインブレイクする。今度からMかMHクラスのライトショアロッドを持ってこようと思った。今度がいつになるか知らないけど。 それから、キャンプ場に戻ると、中学生が体験キャンプか何かをしているらしく、私のテントを押しやるように大量のテントが立てられていた。カブの人のように「何なんだこれは!」と叫びたくなったが、じっと堪え、とりあえず受付のおじさんに事情を聞きに行く。 「夕方くらいには帰るんじゃない?」 と言われて、そっかぁなら移動しなくてもいっかと思ったけど、全然そんなことはなかった。 ダンボールでピザを焼いたり、一人一人今日の思い出を発表したりしていて微笑ましいが、普通にうるさくて、まぁ正直ウザいなぁと思ったので、キャンプ場に昨日かたまに出没するキツネを見つけて「キツネ!」と奇声を上げながら追いかける基地の外の人を演じてみるけど、とくに効果はなく、まぁいいか、と酒を飲みながら耐える。 翌朝、使ってなかったゴミ袋にウンコされていたので、キツネって賢いなぁ、と思う。 なんか「へへっ、どうですかい、オイラの悪戯は? 楽しんでもらえやしたかい?」とか言ってそう。 7月15日 7月15日。空知川の支流と本流を釣る。 朝5時にゴソゴソ活動を始める私。隣のモンベルテントで目覚める中学生が恨めしそうに私を見るが、それがどうかしたのかね。 空知川本流を覗くと人だらけで、やる気がせず、仕方なく昨日デカい魚をバラした支流へ。バイクで上流に向かう。マップ上で良さげな蛇行を見つけていたので、その辺りからエントリー。早々に結構デカいサイズをかけるもフックアウト。スミスのバーブレストレブルフックを使ったけど速攻で曲がる。デカいイワナにこのフックは使えないようだ。少し上流へ登ってみることに。デカいと思える魚には出会えなかった。 次に、昨日最初に入った支流の上流へ。途中、大量のゲージに沢山の犬が飼われているところがあって、そいつらがワンワン吠えるものだからすごくビビる。上流の方まで行ってみるけど、うーん、といった感じなのでランディングの出発地点らしきところまで戻る。 何故か、イトウが釣れる。 いるとは思ってたけど、当然のように釣れる。昨日出てきたバカでかい魚ももしかしたらイトウだったのかもしれない。 空知川本流で、ニジマスいないかなと探るも、ウグイとアメマスしか釣れない。 休憩に道の駅に行く。大きな水槽にいるイトウの間抜け顔を見ながらピンナップのガチャガチャを回す。とある事情でアメマスとイトウのものを手にれる。そのとき、道の駅のお姉さんに「今日、この魚釣ったんですよ」と話すと、「イトウ美味しくないですよ」と言われる。 なにを言ってるのか一瞬分からなくなったけども「いえ、自分はほとんどリリースしてます。保護されてるイトウは必ず逃すつもりです。というか美味しくないって 食べたことあるんですか?」 お姉さんは少し困った顔をして「昔はここの道の駅でイトウのおにぎり売ってたんですよ。聞いた話ではおいしくばないって言ってました。ずいぶん昔の話ですけど」と。 へぇイトウって美味しくないのかぁ。マヌケ顔で美味しくないって、お前の良いところデカくなるところぐらいじゃないか。 それからもう一つの支流に入る。めちゃくちゃ浅い田舎の小川みたいなところだが、15センチ程度のアメマスがめちゃくちゃいた。 途中、倒れた木が目線の高さに川にかかっていて、そこを若いキツネが渡っている光景を見る。濃い緑の背景に、木漏れ日の橋を黄色いキツネが渡ると、光が当たったところの毛先が黄金に輝き、ちょっとドキッとするくらい美しかった。あ、今の撮れたかな? とgoproを確認すると、タイムラプス撮影になっていた。がっかり。 キャンプ場に戻ってビールを飲んで寝る。 7月16~7月18日 7月16日。上士幌に向かう。 今日と明日は雨の予報。道中、バイクの調子が悪くなる。最初、キャブを疑ったけど、次第に最高速の伸びが悪くなってくるので、おそらくプラグだろうなと思う。 雨なのでプラグ交換作業もできずに走り続ける。 空港キャンプ場に到着。雨の中テントを立てる。 それから士幌川へ。 ニジマスとブラウンを釣りに行く。 なんかここの魚は体高が良くてめちゃくちゃ引く。 水深は深いところでも膝上くらいで、ほとんどが岸際の草や木なんかに隠れている。 先行者も結構いて、先に入っているかいないかで、かなり魚の反応が変わってくるような状態。 でも、先行者が狙わなかったであろう小場所を攻めると出てきてくれたりするので、これはこれで面白い。 夕方まで楽しんでキャンプ場に戻る。ぐちょぐちょに濡れたまま就寝。 7月17日。かなやま湖に戻る。 がっつり雨なので釣りもせず、買い込んだ酒を飲んで、バンガローで寝る。 7月18日。苫小牧へ。東京に帰る。 この日は快晴。濡れたテントなんかを乾かしてから出発する。苫小牧に近づいたところで、あまりにもフェリー出航まで時間が余ることに気がつき、バイクを洗車したりする。それでも余るので、市場に行ってみる。 ホッキが有名だけど、この日はなかったらしい。 北海道に来て、たぶん普通に別に普通だと思う飯だった。 何もすることがないのでフェリー乗り場に。 何もすることないのでタバコをふかしふかし、手続きの時間まで本当に暇な時間を過ごした。 で、乗船。あとはお馴染みの、飯、酒、風呂で東京に着いたとさ。おしまい。 北海道持っていったタックル一覧を書き出してみる。 ●タックル一覧【楽天市場】 ○ベイトタックル ・ロッド:シマノ 20 ゾディアス 1610M2 【 https://a.r10.to/h6HPdI 】 ・リール:シマノ 07 スコーピンMg 【リンクなし】 ・ライン:クレハ フロロマイスター 320m 10lb 【 https://a.r10.to/hawIFP 】 ○スピニングタックル(ロング) ・ロッド:アブガルシア ホーネットスティンガー プラス HSPS-832ML-LD MGS 【 リンクなし 】 ・リール:シマノ 17 コンプレックスCi4+ C2500 F4 HG 【 リンクなし 】 ・ライン:よつあみ Xブレイド オードラゴン X4 アプローチイノベーション 0.6号 【 https://a.r10.to/hMtBBU 】 ○スピニングタックル(トラウト) ・ロッド①:メジャークラフト ファインテール FTX-50/565L 【 https://a.r10.to/hNGinp 】 ・ロッド②アブガルシア トラウティンマーキス エクストリーム TMES-544L 【リンクなし】 ・リール:シマノ 21 アルテグラ C2000 【 https://a.r10.to/hMAJXk 】 ・ライン:ラパラ ラピノヴァX マルチゲーム ライムグリーン 0.4号 【 https://a.r10.to/hNWOMC 】 ○主な使用ルアー ・①:バークレイ ガルプ!ソルトウォーター パルスワーム 3.2インチ モエビ 【 https://a.r10.to/hMFGTB 】 ・②:エコギア バグアンツ 2インチ 北陸クリアホロ 【 https://a.r10.to/hUQJeb 】 ・③:スミス D-コンタクト 各色 【 https://a.r10.to/hwA0nP 】 ・④:スミス AR-S トラウトモデル 3.5g 【 https://a.r10.to/h6PXz7 】 ・⑤:スミス バック&フォース リッパ 13g ヤマメ 【 https://a.r10.to/h6zRJd 】 ゾディアスとホーネットのタックルは少し使いづらかった。 本当はヤマガブランクスのアーリーモバイルを持っていくつもりだったけど、出発前までに手に入れられなかった。今手元に84MLがあるけど、これ一本でゾディアスとホーネットでやりたかった、海でのロックフィッシュ、湖でのトラウトなんかは全てやれるだろう。 そんでトラウトロッドもトラウティンマーキスエクストリームで十分だ。4フィート台のロッドもあれば、小場所でも使えて便利だけど、ぶっちゃけ北海道はそんな源流域なんかに行かなくても満足できるくらい釣れるのはわかった。むしろ6フィートくらいのロッドが欲しいところ。この長さなら、バスロッドを持って行くのが何でも使えて丁度良いかもしれない。 というわけで、次行く機会があるかはわからないけど、次行くとしたら、ロッド3本持っていくとして 8フィート以上のMクラス(ロックフィッシュ、レイクトラウト用) 6フィートくらいのMLクラス(川幅のある中流域、エゾメバルなんかで遊ぶ用) 5フィート前半のLクラス(渓流用) この三つになると思う。これにそれぞれ合うリールとライン構成がベストかもしれない。 あとルアーは、ぶっちゃけ釣ること自体はそんなに難しくないから、いつも普通に使って釣っているものを持って行って間違いないと思う。 さて、一気に書き上げたので、多分誤字脱字や記憶違いも後々出てくるだろうから、もし今後加筆修正して、文章ががらっと変わってしまっても私は何も責任を取るつもりが無いのは、ここまでの文章があくまでもフィクションを交えているからだということだけ明記しておいて、この記事を終わりたい。 原付道中北海道釣行記 完 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.10.04 23:04:51
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