校庭の桜が満開のうららかな春の日に
まりちゃんの始業式がありました。
とてもお勉強好きなお手伝いを良くするまりちゃんは
学級委員に選ばれました。
最初の頃は回りにはいつもいっぱい人がいたのですが・・・
最近誰も寄り付かなくなったのです。
少し淋しくなったまりちゃんです。
気持ちが晴れないままに 早くに学校から帰ってきました。
始業式が始まってまもないので
学校は午前中で終わりです。
それでも～～
大好きなおじいちゃんが働いている石切り場にお弁当を持っていきます。
道路から下にある石切り場に向かって石の階段を降ります。
「じいちゃ～～んお弁当持ってきたよ」
コツコツ カツカツ 小気味良い音が途絶えません。
「じいちゃん！！」
「あ！！まりちゃね！いつもお弁当ありがとうね」
きちんと１２時のサイレン
ウーーウーーって鳴ってから手を休めます。
なんだか～～今の嫌な気持ちを話したいな～～と思いながら
マリちゃんは言葉を飲みました。
ちょっと暗い表情に気付いたおじいちゃんが
「まりちゃん。学校でなんかあったとね？」
ハッとしたまりちゃんは意識して明るく
「ううん～～なんもなかよ！」
おじいちゃんはいつもおいしそうにお弁当を平らげます。
見ていて気持ち良いくらい・・・・
おじいちゃんのお弁当を食べる休憩時間が
まりちゃんは大好きです。
なんも言わないけれど・・・
いつでもニコニコ優しいるおじいちゃんだから・・・
そしてお昼休みが終わるころ又
ウーーウーーと、サイレンが鳴ります。
おじいちゃんは、たった１人なのにちっともサボらずにきちんとコツコツするのです。
まりちゃんはとっても感心するのです。
だって
学校の同級生はお掃除やら・・先生が見ていないところではサボる人も居るからです。
それなのに～～
毎日毎日
同じ時間に仕事を始め～～
同じ時間に休憩をとり～～同じ時間に終わりにするのです。
そう～～今日も
最近のまりちゃんは
掃除やら宿題の事でクラスのみんなに
「皆きちんと決められ事は最後までしなくちゃいけないよ！！」
って注意しています。
注意注意の毎日のようになっていました。
それが～～皆が遠ざかった原因だったのかもしれません。
ちょっと学級委員だから・・・先生の代弁者を気取っていたのです。
お昼過ぎからおじいちゃんが作っている
おじぞうさんの顔はどこまでも優しくて～～
コツコツ カツカツのリズムも心地よく
おじいちゃんのお顔も優しくて～～
ハッと気付くものがまりちゃんのこころに湧き上がりました。
「おじいちゃん！！マリちゃん・・・宿題があるから帰るね～～」
帰り道はスキップしながら～～
机に引き出しから おじいちゃんにもらった「夢のたまご」出して
もらった時の感激をかみしめました。
なんだか今日１日で随分と成長したまりちゃんでした。
コツコツ カツカツ コツコツ
おじいちゃんのリズムが聞こえてきました。
２００７年４月１２日 記
