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テーマ:鉄道雑談(1518)
カテゴリ:鉄道
名鉄がかつて岐阜県下に架線電圧600ボルトの線区を保有し、電車を運転していたことはよく知られているところです。岐阜市内線、揖斐線、谷汲線、美濃町線、田神線です。いずれも末端区間が先に廃止され、残った区間も2005年3月限りで全線廃止されました。 名古屋から岐阜は距離的に近いこともあって、何度も足を運びました。今日は美濃町線の話題を取り上げます。 写真は終点、美濃駅で折り返し待ちをするモ590形593号電車です。末端区間の新関~美濃間6.3キロは1999年3月限りで廃止されました。初めて訪問したときは軽いカルチャーショックを受けましたね。普通の片側1車線道路の脇、それも民家の玄関先をかすめながら走るわけですから。ある意味、揖斐・谷汲線の「骨董品電車」より強烈でした。もうすでにワンマン化されており、1時間に1本の運行でした。電車は走り出すと揺れまくった覚えがあります。 同線の岐阜側の起点は徹明町でした。といっても安全地帯もない道路にペイントを施しただけの停留所でした。末期には末端区間からコンバートされたモ590形が冷房改造されて使用されていました。徹明町発着の電車も1時間に1本程度の運転で途中の野一色、あるいは日野橋までの区間運転でしたね。 新岐阜(現・名鉄岐阜)駅には複電圧車が田神線を経由して乗り入れていました。実質上こちらがメインルートでした。写真は初期に導入された複電圧車モ600形。ワンマン改造された後に撮影したものです。両端が絞り込まれて細くなっている個性的な外観です。同線唯一の転換クロスシート車でもありました。 写真は「上芥見」(かみあくたみ)駅。道路を挟んでプラットホームと待合室が向かい合っています。これまた強烈な印象ですね。やってきた電車はモ880形。2連接車体の複電圧車です。現在は福井鉄道に移籍して走っています。「3枚折り戸」「一人ずつ区分されたプラスチック製のロングシート」や「600ボルト区間でしか効かないクーラー」などこれまた強烈な個性を放っていました。 ほかにも元札幌市電のモ870形や部分低床車モ800形など異彩を放つ車両の宝庫でした。部分低床車は豊橋鉄道と福井鉄道に引き取られましたね。 同線の廃止後は以前から並行して走っていた岐阜バスの路線で代替されています。レールの復活は模索はされていますが厳しいでしょうね。 名鉄600V線の廃線を歩く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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