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カテゴリ:命のつぶやき
つい先週はオニオンの前に住んでいた地区でのソワレで、久しぶりにゆっくり散歩してみてノスタルジーに浸ってしまいました。 あのころ、本当に落ち着いて近所の公園を散歩したことなど一度もありませんでした。朝から夕方まで毎日が慌しく過ごしたのでした。息子が一番育つ時だったからかもしれません。雪の日、それでも暗くなった公園で何度も何度も橇で遊ぶのをつき合わされ凍えるように震えていた働く母親でした。その公園はほんの目の前で1ヘクタールほど起伏に含んだ領地になっています。大きな木がそれはそれはゆったりと立っていて、池には水鳥もいます。遊園地みたいにちょっとアレンジされている個所もあり、素敵なところなのです。家と学校と仕事の繰り返し、途中でスーパーへ行くくらいでした。 先週少しだけ早く着いたので、天気も最高だったのでそういうチャンスが与えられたのですが、自分はなんと素晴らしいところに住んでいたのかと。。感慨深く涙まで出てきました。 そして、昨日はそれこそオニオンのベルギーでの最初の頃に過ごした地区での散歩でした。リーヴとのアポまで余裕があったのでちょっと散歩してみたわけです。こちらは中心地にいくらか近いのでトラムやバスが前を通り、その度に食器が振動で鳴っていました。小さいアパートでしたが、息子が生まれて新しい生活が始まったところです。何の贅沢も無い生活でした。それでもありあわせのこじんまりとしたものでした。託児所に通うためにあちこちを散歩しています。オランダ語が習いたくて語学クラスに通い、子供を預けてその足で行くのですが、病気にだけはならないように、伝染病なんかにかからないように、母親オニオンはとても気が張っていました。託児所で預かってくれないとクラスへ連れて行くわけにいかないからです。最後まで試験の日まで緊張していました。水疱瘡にかかったとしたても、託児所がだめなら負ぶってでもクラスへ行く気持ちでした。そのおかげか、息子は一度も病気にはかかっていません。 託児所、後幼稚園の近くに鶏肉屋さんがあって、殆どそこで鶏肉、ひき肉を買っていました。イタリア人なので、ラザーニャやピザもおいしく何度も通ったものです。息子にいつも暖かいもてなしをしてくれていました。昨日ふと前を通ってみたのですが、まだあるではありませんか。。看板も昔と一緒、そのまま、まるでタイムスリップしたみたい。。おばさんも中で接客している雰囲気そのままです。オニオンはそのまま通過しかけたのですが、せっかくだしと思い客が出るのを待って入りました。彼女はオニオンのこと覚えていました。それから10分ほどでしょうか、おしゃべりして去りました。 もちろんお互いいろんなことがあったでしょう。10ほどでは全部語りつくせませんが、それでもしゃべり続けました。ちょうど閉店時間だったので安心して別れましたが。。 年月って何なのでしょう。。自分はいつも同じ自分です。物的な変化はありますが、年を経て再会した人たちは同じように変化しながら生きています。生きることを心から望んでいる人たちが、辛苦や快楽とともに毎日を確かめながら、謙虚に生きているのです。これ以上の喜びは他にあるでしょうか。。毎日をただ生きることです。
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