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テーマ:デリシャスなおすすめ!(830)
カテゴリ:南部・南房総地域
去年の夏ごろからマークしていた店なのだが。タイミングが合わず、これまで延びのびになっていた。
フレンチかイタリアンを思わせるオシャレな外観は、このロケーションの中でもかなり人目をひく。通りすがりの観光客をつかむのにも、じゅうぶんな威光を発していた。 店内のほうも、なかなか興味深い造りになっていた。ことにパーテーションの使いかたがちょっと変わっている。半身を石貼り仕立てにした白基調の仕切り壁は、近在の稜線を模すように小さく波打っている。これを見て、ガウディのグエル公園(バルセロナ)の一画を連想するのは少し大げさすぎるか。 大きな額縁状に切り取られた窓からは、のんびりあくびでもしていそうなこのあたりの里山の全景を眺めおろすことができる。食事をしに来たことを、うっかり忘れそうになるくらい。あきらかに空気感がちがう。 基本の「吟せいろそば」を、コースにて注文した。前菜orスープ、蕎麦、甘み、飲物とついてくる。 肝心の蕎麦は二八で、極細一歩手前の細打ち。ひきぐるみ少々といった感じで、わりと白い印象。それを淡麗中辛のつけ汁で静々といただく。 この小コースで供される品すべてに共通していえることだが。しごく淡白で上品な仕様。「濃厚」「べったり」「くっきり」という表現から、最も遠い地平にたたずんでいる。 もう少しその言葉が使えるような味覚のほうが自分的には好みだが。それは個別の趣向によるものなので。あえて注文はつけない。 どの器も、優美かつおしゃれ系でまとめられている。給仕スタイルはほぼ仏料理のイメージ。スタッフは女性ばかりなので、自然、雰囲気がまろやかに落ち着いている。うるおいを感じる。従来の蕎麦屋のイメージからは(いい意味で)完全に逸脱していた。 麺類のコース、麺類を(締めの)中心の据えての宴席をいつも夢に見ている自分には、ここは地上に降りた極上のワンダーランドにほかならない。 非日常のゆったりした時空間で、蕎麦のコースをいただく。もしかするとそれは、簡単に手に入れられそうで、けっこう手に入れにくい代物なのかも知れない。ありがたいお店が登場してくれたものだと思う。 (2階の窓からのながめ) 「前菜」 (鴨スモーク、スモークサーモン、帆立、生ハムパインという4点盛り+レタス。蕎麦屋の余技だと思っているとえらい目にあう。イタ飯屋で出てきても不思議ではない。遜色がない。粒ペッパーが上質で辛みは控えめ。菜物のほうには、自家製だというザクロのドレッシングがかかっている。微細で繊細なソースで、素材の持ち味をきちんと活かしていた。淡麗) 「せいろ」 (メインの蕎麦。温もりと冷せいろの2種から選ぶことができる。醤油の濃さが伸しているわけではない。だしが強力に押してくるわけではない。近頃のものにしては珍しく自己主張してこないつけ汁) 「デザート」 (柚子のシャーベット。蕎麦の実と小豆をトッピングしている。甘み控え目。蕎麦屋のスイーツレベルを大きく超越していた) 店 名:石臼挽き・あら挽き蕎麦「凛」(りん) 住 所:勝浦市杉戸1459-1 アクセス:国道297号沿い P(約12台) 電話番号:0470-77-1898 営業時間:11:30-14:30/17:00-21:00/(平日) 11:30-21:00/(土日) 定 休:月曜日(祝の場合翌日が休) 客 席:テーブル2卓/カウンター8席/半個室3部屋/ 利用種別:個人向き/家族向き/グループ向き/観光客向き/ 料金支払:あと払い/カード不可/ メニュー:【蕎麦】()内はコース仕立て料金 みぞれたっぷり粗挽きそば1200(1500)/ 鹿児島産黒豚の冷やしおろしそば1500(1800)/ あら挽き吟せいろ1000(1300)/ 鴨つみれとうじ鍋仕立てそば1600(1800)/ お子様そば1000/ 【コース】(要予約) ちょこっとセレブコース2800/マダムコース3500/ 【おつまみ】 熱々そばがき800/水鴨のロース煮1700/ 本日のおまかせおつまみ1500/ 【デザート】 シフォンケーキのバニラアイス添え600/柚子シャーベット350/ バニラアイス350/ 【飲物】 スーパードライ700/日本酒700/腰古井1300/シードル700/ ざくろジュ-ス500/ゆずジュース500/コーヒー300/紅茶300/ コーラ350/オレンジ350/ 評 価:☆☆☆☆☆ (味4/量3.5/サービス4/雰囲気4.5/CP4/駐車場3) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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