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お山の陰からこんちくわ ~マダムhi-cの米子日記

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September 29, 2010
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みなさん、こんにちは。米子より、久方ぶりのhi-c.comです。
最近はすっかりツイッターに移行してしまい、
とんとご無沙汰してしまいました。みなさんお元気ですか?

さて、本日は「日中問題のとばっちり」について。

今朝のニュースによると、わが母校である神戸中華同文学校の窓ガラスが何者かによって割られているのが見つかった。
恐らくは(というか確実に)、この度の日中関係の悪化を受けた、明らかなとばっちりである。
つい先日は無意味な爆破予告を受け、授業は午前中で終了。
現在でも、児童生徒の集団登下校が続いている。

私の実家は、神戸の中でも超ど級ディープチャイナと呼ばれる地域にあり、
そこから15分ほどの道のりを、徒歩で通学する姪や甥が気にかかる。
もともとこの地で生まれ、ずっとこの地で育ち、
庭のように遊び、目をつぶっても歩ける道なのに、
日々の暮らしとは無関係なところで起きた「ある出来事」と、
テレビで見るだけの、やたらと自信満々で声の大きい「異国のおじさんとおばさん」の言うことに対する、
のっぺらぼうみたいでモゴモゴしゃべる「こっちのおじさん」たちによる「まずい対応」のせいで、
当たり前の日常が脅かされるなんて、まったくどうかしている。

今もテレビの「ミヤネ屋」では、冒頭から煽動するような鬼気迫ったナレーションで、中国問題をフォーカスしているし、ネットに至っては、言わずもがなの荒れ放題である。

05年の靖国問題の時にせよ、08年の北京五輪のときにせよ、こうした日中の問題が起こるたびに思うのが、日本の報道の根底に流れる悪意である。
05年は私がちょうど上海にいた頃で、日本で報道を見ていた家族や友人は、「中国では大変なことになっているが、大丈夫か??」ととても心配してくれたが、
上海の街はとても静かで、特別何か怖い目にあったとか、嫌な思いをしたことはなかった。
逆に、中国では、報道の偏狭さに寒気がした覚えもある。
しかし、どっちにしても、中国で激しく抗議行動をしているのは一部のキチガイじみたナショナリストだけだし、
中国人が思っているほど、日本人は性格悪くないし、バカじゃない。
一般市民はまるで遠い異国で起きた出来事のように思っているのが常だと思う。

なのに、現実には、日本では連日連夜、過剰な中国報道が続いている。
そして、こんな馬鹿げた報道に煽動され、子供たちの大切な学び舎の、大切な窓ガラスを割るなんて、悪意が過ぎるのではなかろうか。

1959年、決して裕福とは言えなかった当時の華僑たちの、
「有銭出銭、有力出力(金が有れば出します。力があれば貸します)」
精神の結晶として落成した現在の校舎。
1949年生まれの私の母は、今でも祖母が祖父の稼ぎのほぼ全額を寄付し、
自分はお年玉を全部寄付したことを恨みなのか誇りなのかわからない調子で語るくらい、華僑にとっては思い入れの深い校舎である。

この校舎、卒業生が言うのも何だけど、本当に美しく良い気に満ちた学び舎なのだ。(実際、美術の時間では、よく南側から校舎の写生をして、それの切り絵などが課題として出された)

南北のなだらかな坂道のてっぺん付近に、東向きの正門。
そこをくぐり、玄関ホールを抜けると、南西に面して大きく開けたグラウンド。
グラウンドを取り囲むように、東には中学校舎、北には小学校舎。
校舎にはグラウンドに面して回廊が設けられ、
菱形の石が美しく模様を描くその廊下は、
いつでもひんやりと冷たくて気持ち良かった。
日の出から日の入りまで、教室にはいつでもやわらかな陽射しが注ぎ、
南西の角(裏鬼門)には、校旗を掲揚するポールと五輪塔が子供たちを見守るように鎮座していた。

私はこの学び舎で9年間を過ごした。
春は桜、夏は朝顔、秋の銀杏に、冬の落ち葉の野焼きの香り。
春夏秋冬それぞれの表情がある中で、一番好きだった、秋の夕方。
けだるい感じの放課後、部活の声が響く中、
傾きを増した西日が、中学校舎とグラウンドの間にある小さな森の銀杏を照らして、本当にキラキラと黄金色に輝くあの瞬間。
樹の香り、かけ声の響き、砂埃の感触。。。
卒業して20年経った今でも、鮮明に蘇る。
廊下から眺めた、憧れの先輩の野球姿。
教室で交わした、好きな子との会話。
そんな一つひとつの思い出に彩られた、大切な校舎なのだ。

そんな中華同文学校に通うほとんどの子供たちは、
日本で生まれ育った華僑の子弟である。
中国人としての誇りは胸の奥底に灯火程度に小さくしまって、
ひっそりと、とにかく迷惑をかけないようにと、
教えられて育った子供たちである。
そして、その学び舎の備品の一つ一つは、
在校生の保護者や卒業生が経営する企業や中華料理店などから寄せられる
なけなしの寄付でまかなっているのだ。
公立の学校のように、窓ガラスが割れました、
それでは予算で張り替えましょうっていうような、簡単な話じゃない。
使えるお金は全部、一人ひとりの署名付きのお金なのだ。

割られた窓ガラスはそうしてできている。
なので、どうか理不尽に傷つけないでください。









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Last updated  September 29, 2010 11:04:58 PM
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