【数学】「関数」とは、「函数」”function” ⇒ 「工場」"factory" ⁉
温故知新ラーニングです。今回は、数学でたびたび登場する「函数」についての話です。「えっ⁉ 『函数』って、間違ってんじゃん! 温故知新の人、漢字打ち間違えてる!」と思いませんでしたか?中学・高校の教科書・参考書では1次関数、2次関数、指数・対数関数、三角関数、等、「関数」が頻繁に登場しますね実は、それ程遠くない昔、日本の教科書では「函数」と表記されていました。元々は、中国から来たものです。私の中学・高校時代には、今の中高生の教科書と同じく、とっくに「関数」になっていました「函数」から「関数」に変更されたのは、中学校で1958年、高等学校で1960年です。2019年の今日、ご年齢が70台後半以上の方は、学校時代、『函数』として触れていたはずです。ところで、「関数」って何でしょう?⇒なかなか一言で簡潔に説明するのは難しいです。「xとyの関係式」と答える中高生も多そうです。「関数」は関係式と同じ意味ではありません!「関数」について私が思い出した授業があります。私が学校時代に直接受けた授業ではなく、32年間に渡ったTVドラマ『3年B組 金八先生』です。武田鉄矢さんが主演、「坂本金八先生」です。私も『3年B組 金八先生』をよく視ていました。数学を苦手とする生徒のために、金八先生(国語の先生)が、数学の乾先生に代わり、実験授業で「関数」を教えるという話がありました。この時、金八先生が教えるためのツールとして使ったのが、『ブラックボックス』です。「函数」の原点に帰ったとてもわかり易い説明だという印象をもちました。今も中国では、「函数」(hánshù)が使われています。英語で「関数」は、"function" です。「働き」「機能」という意味です。中国では、"function" を音訳をして「函数」(hánshù)としたと言われています。発音が似ているだけでなく、ブラックボックス(函)の意味も兼ね備えているのです。中国語の命名は、すばらしいと感心していますなぜ、日本では「函数」から「関数」へ変更されたのか?⇒「函数」の「函」が当用漢字(現在の常用漢字)に 無かったため、「関」に改められました。 函館、投函など、よく使われるのですが…数学的なイメージ理解のためには、私は「函数」の方がベターだと考えます。日本での「函数」から「関数」への改名は残念ですブラックボックスの"Box"の意味も兼ね備えた用語を失ってしまったのです。その名前の変更があったことが一因かもしれませんが、昨今、教科書における関数にブラックボックス(函・箱)の概念が失われてきていると感じています。そこで、温故知新ラーニングでは、「関数」について、中国語「函数」、英語"function(働き、機能)"の意味を補足したいと思います。数学的には、函数(関数)において、「ブラックボックス(Black Box)とは、 箱(箱)に入ってくる物に対して、 一定の処理を施して外に出す装置」とイメージしてください!注)「でたらめ」、「気まぐれ」の処理をすることではありません。 「ブラックボックス」を「不思議な箱」とすると誤解が生じ得ます。 常に、その関数がもつ一定の処理を実行するのです。すなわち、 y= f(x) とは、 出力値= 一定の処理(入力値)という意味です。一定の処理とは、 入力された値に対して、 一定の処理(2倍する、5を足す、2乗する等)を 施し、値を出力する等です。一定の処理を施した後の値がf(x)です。まず、"function"の"f"を取ってf(x)、さらに複数の関数を同時に扱う場合、g(x), h(x),…と表記するのが一般的です。温故知新ラーニングでは、イメージし易くするため、工場"factory”と考えることをオススメします!偶然にも"function"と同じく"f"で始まる語です 製品= 一定の加工処理(原材料)「 入ってきた原材料に対して、 ある一定の加工処理を施し、 製品を生み出す工場」というイメージです。いくつか「函数」の具体例を挙げてみます。y= f(x) の表記だけでは無味乾燥でイメージしにくいので、具体例を添えます。例1 時給1000円のアルバイトをx時間する。 稼ぐ金額f(x)円を求める関数を考えましょう!⇒ 入力:x時間働く 出力:f(x)円稼ぐで表されます。 x時間働いてf(x)円稼ぐ f(0) = 0 f(1) = 1000 f(2) = 2000 f(3) = 3000 : f(100) = 100000例2 ボールをx秒間、自由落下させる。 注)ただし、空気抵抗を無視するものとする x秒後、初めの位置から落下する距離f(x)メートルを 求める関数を考えましょう! ⇒ 入力:x秒間自由落下させる 出力:距離f(x)メートル落下するで表されます。 x秒間でf(x)メートル自由落下する f(0) = 0 f(1) = 4.9 f(2) = 19.6 f(3) = 44.1 :このように、入力した値xに対して一定の処理を施して、yを出力するシステムが「函数」です。1次関数のグラフの概形:直線2次関数のグラフの概形:曲線(放物線)のように、グラフの概形を覚えておくことは重要です。でも、関数のグラフの概形は、直線とか曲線がありきで考えるのは、あまり良くないです。入力値xの値を変えながら、繰り返し同じ処理をして出力値f(x) を求める一定の処理を無限に繰り返し、座標平面上に点を無数に打っていった結果、点が繋がって直線や曲線に見えるということです。例1と例2の式は異なりますが、どちらもxの値を1つ決めて入力すれば、 yの値がただ1つ決まります。このように、yの値がただ1つ決まるのが関数です。最後に、xとyの関係式について、考えてみましょう!正解は以下の通り(1) ○(2) ×(3) ○「意味わかんないし…」という声も聞こえてきそうです(笑)ポイントは、xの値を1つ決めた時、yの値がただ1つ決まるかどうかです。グラフを描いて、イメージしてみましょう。(2)はxとyの関係式であり、2次曲線ではあります。でも、「yはxの関数である」とは言えません!なぜなら、1つのxの値に対して、複数のyの値が求まるからです。今回のブログをお読みいただいた方が、「函数」に帰って、違った視点を得られたら幸いです。そして、私も若輩ですが、次の世代の方にも「函数」、ブラックボックスを風化させないで欲しいと願っています。何かご質問等ございましたら、 コメント、またはお問い合わせフォームでお願いします!※フォームから送信して、直接に連絡とることができます! ご質問のみの場合、ハンドルネームも可。 勉強、苦手! やり方わからない!という方、大歓迎~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~◎家庭教師に関するお問い合わせ!遠隔型! 家庭教師『温故知新』(個人契約)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー