「福智山」に登る(下)
ぐるりと一周360度・・・雲一つ無い晴天の山頂から眺める大展望は実に素晴らしかった。特に冒頭画像のように南方に広がる山並みは、かつて登拝したことのある思い出深い山々を視認でき感無量であった。以下、冒頭画像に映る山並みの向かって左側から、過去に登った目星の山々と当時の関連記事を掲載しておこう。まず上の画像は、当山山頂から東南方位にある「由布岳(標高 1,583m /右側)」と「鶴見岳(標高 1,375m/左側)」を中心に拡大したものである。この両山は「山口と九州を貫く南北軸」の軸線沿いに存在し、山口県の瀬戸内沿岸部からも展望できることから当日記では何度も取り上げており、目星の山々のなかでも「由布岳」はとりわけ印象深い山である。☆関連記事・・・「由布岳」登山の回想次に上の画像は、冒頭画像に映る山並みの中央部を拡大したもので、「犬ヶ岳(標高 1,131m)」は連峰中央のピークである。この山については、たまたま午前中に近辺を通りがかったことが契機となり、まさしく想定外の登山となったわけだが、かなり厳しい条件を乗り越えて登拝できたことは、当時の私にとって大きな自信になったことを憶えている。☆関連記事・・・「犬ヶ岳」に登る☆関連記事・・・豊前国 修験道の中心(上)☆関連記事・・・豊前国 修験道の中心(下)そして上の画像は、冒頭画像に映る山並みの右側を拡大したもので、中央部の”双耳峰”に見える山が「英彦山」だ。ちなみに英彦山は三つの山頂を持ち、画像に映る二峰の左側が「北岳(標高 1,192m)」で右側が「中岳(標高 1,190m)」、そしてこの画像では「中岳」に重なって見えないが、そのすぐ背後に英彦山最高峰の「南岳(標高 1,199m)」が存在している。☆関連記事・・・秋の周遊・写真集…「英彦山」その他にも九州本島の最高峰「久住山」、遠賀川源流の「馬見山」、太宰府の「宝満山」などを視認することができ、これまで登ってきた目星の山々を俯瞰する機会を得て、まさに有り難き一時であった。さらに上の画像は、当山山頂から北方方面を撮影したもので、山並みの中央部にあって白い電波塔が林立する山が、南北に連なる”福地山系”の最北端となる「皿倉山(標高 622m )」である。興味深いのは、その「皿倉山」のすぐ上方の海域(響灘)に浮かぶ「蓋井島(ふたおいじま)」(下関市)が、まるで重なるかのように見えるところだ。晴天に恵まれた福智山の山頂において、じっくりと贅沢な時空を堪能し存分に英気を養った後、名残惜しくも下山の途に就いた。そこで上の画像は、帰り際の8合目から山頂方面を、登り来る半月と共に撮影したものである。それにしても今回の福智山登山は、自身の体力の限界を如実に感じつつも、その臨界点を越えていく礎にも成り得る有意義な機会であった。