神経の再生と脳の可塑性
サンバイオによるスタンフォードの臨床研究プロトコールを見つけたわけではありませんので、推測なんですが、、、、たぶん一番心配されたのは、神経再生時に正しい方向ではなく、間違って配線が繋がり、移植前よりもかえって悪くなるということだと思います「重大な副作用はなかった」これはとても重要だと思います。実際にはたくさんの配線のうち、相当数は間違って繋がっているはずですが神経はどれが正しいか再生時に判断するの能力はないので、脳そのものの可塑性で適応できたんだろうと思います。例えばマヒの時には、指の曲げる筋肉を伸ばす筋肉につなぎ直す手術をすると、脳は自動的に判断して、ちゃんと指を伸ばすことができます。そうはいっても、脳の可塑性にも限界はあるでしょう、それに足の場合には手のように、脳が自動的に判断してくれることは、なかなか難しいのです(半世紀以上前から知られていること)。これは手足の機能を専門にする整形外科でも知っているのはごく一部ですので、たぶん脳外科の先生はご存知ないのではないかと、、、そうなると「脳の可塑性」は移植する容積が大きすぎれば、限界を超えるでしょうし、マヒの改善を狙った部位が下肢であれば、なかなかうまくいかないでしょう。それに加えて「年齢」の要因が絡みます。高齢になるほど「脳の可塑性」は失われます。ということで、移植細胞が生存し、可塑性が対応しうるまでの容積に加えて、評価を上肢に絞るとか、対象年齢を絞るとかすれば、良いのではないかと思うんです。それに評価法もかなりアバウトのようですが、これも本来はOT,PTに依頼しておけば、はるかに詳細な評価が可能であったろうと思います。最初の18例がうまくいったということですから、分析項目に油断があったのかもしれません、、、ーーーーーーーー資金の0.5%以下とはいえ、先日株主になったので、利益相反関係ではありますがそれよりは「幹細胞+遺伝子」の研究者かつ臨床医としての感想でした、、、