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ロード・ムーヴィーを、
テーマにして、見ている今日このごろ。 ロードに出るには、ロードに出ざるをえない、 心理的背景と、葛藤と、目的が、必要なことを 痛感させられる作品でした。 始まりは、テキサス。 荒野だ。 喋らない主人公。 4年間の放浪。 砂埃にまみれたスーツと、赤い野球帽。 倒れても、それでも、目指す、彼方の地平線。 アメリカは、でかい。 鄙びた風景も、巨大な空が、どこまでも続き、 「西部」なダンディズムを感じさせます。 結局、弟に、発見後、護送され、 シスコは、ハリウッドの高台の家に住む 未だ幼き息子と再会するのですが、 この物語は、元妻と、息子を引き合わせるために、 さらなる探索を要求します。 ヴィム・ヴェンダースは、 「日常」のいい加減な「間」から、滑り落ちる 「物語性」に対して、意欲的な監督のようです。 印象に残ったのは、自らの家族に対する 「幸福な日々」の8ミリ映写に関しての、 主人公の息子のスタンス。 過ぎ去りし、「フィクションだ」というのです。 このときの「現実」、 しかし、崩れ去った「現実」を前にして、 たとえ、「現実」を切り取っていても、 壊れた「現実」に関しての「神話=フィクション」として、 機能し始めている、というのです。 このあと、主人公は、息子と、元妻に対しての、 つぎはぎだらけの「関係回復」という旅に出て、 「パリ・テキサス」にまつわる「ココロの根」に対しての、 ハードで、タフだけど、派手じゃない 心理的な「避けて通れない戦い」へと向かっていきます。 ヴィム・ヴェンダース独自の、日常的で、どっか、暇だけど、 奇妙に日常から、滑り落ちた「空気感」によって、 何かがクセになりそうな映像群でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 1, 2005 02:11:33 AM
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