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鉄橋の下で、
ぎんぎんの陽射しから、 涼しげをもらいつつ、 目の前の環状道路は、 ザアザア、車群が通り過ぎ、 本を読んでいたら、雑音が消え、 ガコンガコンと、頭上を列車が通り過ぎ、 見あげると、鉄輪のスカートの中は、 内臓でしたみたいな、 ひわいさも、ちょっとあり、 耳に静寂が、戻りつつ、 「ぽてっ」と音がして、 アゲハ蝶が、落ちていた。 ガキの時分は、追い回したが、 季節と関係づけて、意識などしないので、 やつが、今、目の前で死んでいるのが、 季節的に、正しいことなのか、わからない。 ギラギラと、シトシトが、交互にくる、 しかも、もうすぐ、夏、という、 今の時分には、遅れた出現じゃないのか、 と、感じるが、風に吹かれて、 黄色が、ひらひらし、納涼感が、高まるので、 まぁいいやと、活字に、目を戻しても、 海草のように、ゆらゆら、しつづけられると、 昆虫のくせに、死んだフリしてるような、 コシャクな、憤りが、湧きあがり、 近くで、確かめるが、 紙くずみたく、死んでいて、 暑さで、死んだのか、 列車で、死んだのか、 死因は、もちろん、知らないが、 きれいに、死んでいたので、安心した。 ただ、蝶の死亡で、「ぽてっ」と音を聞いたのは、 初めてだったので、得した気分になった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 18, 2005 04:06:03 PM
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