銭形平次 劇場版
「銭形平次」(1967)監督 山内鉄也企画 岡田茂、松平乗道原作 野村胡堂脚本 田坂啓、山内鉄也撮影 古谷伸美術 矢田精治音楽 津島利章 主題歌:舟木一夫出演 大川橋蔵、水野久美、小池朝雄、大友柳太朗、舟木一夫 遠藤辰雄、名和宏、大辻伺郎、沢村宗之助、原健策 本編89分 総天然色 シネマスコープサイズ チャンネルNECOで放送された映画「銭形平次」を見ました。 大川橋蔵さんが岡っ引き 銭形平次を演じたテレビ時代劇が放送された(フジTV系)のは1966年5月から1988年4月までの、全888回。その劇場映画版で、1967年10月に公開された作品です。 博打で捕まって牢に入れられていた平次(大川橋蔵)を鳶職の親方 政五郎(河野秋武)と娘 お静(水野久美)が引き取りに来る。平次は岡っ引きだった父親の跡を継がず、鳶の政五郎の下で働いていた。平次に目をかけている政五郎は、ゆくゆくは娘のお静と所帯を持たせようと考えていた。 そんな政五郎が水商売ふうの女との心中死体となって発見される。心中に見せかけた他殺だと推理した平次は、与力の笹野(大友柳太朗)に嘆願して岡っ引きになり、親方を殺した犯人を捕らえる決心をする。平次に惚れていた八五郎(大辻伺郎)が押しかけ子分になり、二人は捜査を開始する。 材木問屋の上州屋(沢村宗之助)が、千里の虎と名乗る者に商売を妨害されているのを政五郎に相談し、政五郎が秘かに調べていたことが判明。 その上州屋が放火されて全焼する事件が起こり、焼け跡に平次の幼な友達 辰之助(小池朝雄)と見られる死体が見つかる。平次は辰之助から、この一件から手を引かなければ殺されるぞ、と忠告されていた。 材木が灰になった上州屋は同業の稲毛屋に泣きつき、手持ちの材木の融通を頼む。代金の三千両を払い込むため、その護送を平次と与力の笹野に依頼する。だが、その護送の途中に三千両を奪われてしまい、平次と笹野は奉行(原健策)に叱責され、三日間の猶予を与えられて、奉行所の名誉にかけても犯人を捕らえなければならなくなる。 東映の時代劇映画はこの1967年頃になると、時代劇より任侠映画のほうに移っていて一時期のような勢いがなくなるのですが、それでもやはり東映時代劇映画はいいなあ、と思わせる華やかな魅力があります。大川橋蔵さんの東映映画最後の出演作だそうです。大友柳太朗さんは出てくるだけでも場が盛り上がって、さすがの貫禄です。 平次が岡っ引きの捕り縄と十手をあずかり、銭形平次となっての初手柄を描いた、興味ある一作でした。 平次の愛妻となるお静とのなれそめ。演じるのは東宝特撮映画でおなじみの水野久美さん。さわやかなお色気があって、とても綺麗です。 主題歌を唄う舟木一夫さんが平次の危機に加勢する若侍の役で特別出演している。 映画スターたちが健在だった頃の作品であり、このような映画らしい映画を見るのは楽しいです。