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カテゴリ:アメリカの文化・慣習
今月、結婚記念日を控えているのだが、実は夫に言われるまで気づかなかった私、、、。
私も夫も、『商業めいてしまった習慣に従わなくてもいい。』などと何処かの頑固親父のような事を言っては、他の行事と共に特に祝う訳でもなく、ただ自然に一緒に過ごすだけという、至ってシンプルな過ごし方をしてきた。 そのお陰で結婚記念日(銅婚式)が近づいている事などすっかり忘れてしまっていたのだ。(夫は覚えていたので、それは言い訳にはならないか、、、;) そんな私を横目に夫は、『こういう事は普通女が覚えているんじゃないのか、、、、?(^^;)』と半ば呆れ顔で言っていたのだが、こうして「結婚記念日」という言葉が二人の間で出た事もあり、また、再度1ヶ月余りの出張に出る彼の為にも、今年の記念日は特別に祝おうと密かに計画しているところだ。 ~アメリカの結婚記念日~ 結婚記念日を祝った事もない私がアメリカの結婚記念日について説明するのも恐縮なのだが、毎年の結婚記念日に対して名称がついているので、「伝統的」、「近代的」に分けて書き連ねていきたい。 <伝統的> 1年目(紙婚式)・・・Paper(紙) 2年目(綿婚式)・・・Cotton(綿) 3年目(革婚式)・・・Leather(革) 4年目(花婚式)・・・Flower(花) 5年目(木婚式)・・・Wood(木) 6年目(鉄婚式)・・・Iron(鉄)*Candy(チョコレートやキャラメル、飴を含めたキャンデー類)とも言われているが、日本で糖婚式とも言われているのはここからきているようだ。 7年目(銅婚式)・・・Copper(銅) 8年目(青銅婚式)・・・Bronze(青銅)または Pottery(陶器) 9年目(陶磁婚式)・・・Pottery(陶器)、Willow(柳) 10年目(錫婚式)・・・Tin(錫)、Aluminum(アルミニウム) 11年目(鋼鉄婚式)・・・Steel(鋼鉄) 12年目(絹婚式)・・・Silk(絹)*Linen(リネン)が共に名を連ねる場合がある。 13年目(レース婚式)・・・Lace(レース) 14年目(象牙婚式)・・・Ivory(象牙) 15年目(水晶婚式)・・・Crystal(クリスタル) 16年目~19年目・・・無し 20年目(磁器婚式)・・・China(磁器) 21年目~24年目・・・無し 25年目(銀婚式)・・・Silver(銀) 26年目~29年目・・・無し 30年目(真珠婚式)・・・Pearl(真珠) 31年目~34年目・・・無し 35年目(珊瑚婚式)・・・Coral(珊瑚)*Jade(翡翠(ひすい))も名を連ねる事がある。 36年目~39年目・・・無し 40年目(ルビー婚式)・・・Ruby(ルビー) 41年目~44年目・・・無し 45年目(サファイア婚式)・・・Sapphire(サファイア) 46年目~49年目・・・無し 50年目(金婚式)・・・Gold(金) 55年目(エメラルド婚式)・・・Emerald(エメラルド) 60年目(ダイヤモンド婚式)・・・Diamond(ダイヤモンド) 65年目~70年目・・・無し 75年目(ダイヤモンド婚式)・・・Diamond(ダイヤモンド)、Gold(金) 80年目~100年目・・・無し <近代> 1年目(紙婚式)・・・Clock(時計)/ Gold jewelry(金のアクセサリー) 2年目(綿婚式)・・・China(磁器)/ Garnet(ガーネット) 3年目(革婚式)・・・Crystal(クリスタル)/ Pearl(真珠)*一般的にはCrystalだが、Glass(ガラ ス)の名が挙がっている場合もある。 4年目(花婚式)・・・Linen(麻)またはSilk(絹)、Appliances(電化製品)/ Blue topaz(ブルー・トパーズ) *Linen(麻)またはSilk(絹)は伝統的とされている場合もある。 5年目(木婚式)・・・Silverware(銀食器)/ Sapphire(サファイア) 6年目(鉄婚式)・・・Wood objects(木製品)/ Amethyst(アメジスト) 7年目(銅婚式)・・・Wool(ウール)、Desk set(机上文房具一式)/ Onyx(オニキス) *Wool(ウール)は伝統的とされている場合もある。 8年目(青銅婚式)・・・Linen(麻)または Lace(レース)/ Tourmaline(トルマリン) 9年目(陶磁婚式)・・・Leather(革)/ Lapis lazuli(ラピスラズリ) 10年目(錫婚式)・・・Diamond(ダイヤモンド)/ Diamond(ダイヤモンド) 11年目(鋼鉄婚式)・・・Fashion jewelry(ファッションジュエリー)/ Turquoise(ターコイズ) 12年目(絹婚式)・・・Pearls(真珠)/ Jade(翡翠)*Linen(リネン)やColored gems(有色の宝石)が挙げられている場合もある。 13年目(レース婚式)・・・Textiles(繊維製品)または Fur(毛皮)/ Citrine(黄水晶) 14年目(象牙婚式)・・・Gold jewelry(金のアクセサリー)/ Opal(オパール) 15年目(水晶婚式)・・・Watches(腕時計)/ Ruby(ルビー)*ガラスが一緒に挙げられている場合もある。 16年目・・・Silver hollowware(銀製の深みのある容器、例えば、 トレイ、ボウル、 ピッチャー、ティーポットなど)/ Peridot(ペリドット:かんらん石) 17年目・・・Furniture(家具)/ Watch(腕時計) 18年目・・・Porcelain(磁器)/ Cat's-Eye Chrysoberyl(キャッツアイクリソベリル:猫目石とも呼ばれる、シャトヤンシーを呈する宝石) 19年目・・・Bronze(青銅) / Aquamarine(アクアマリン) 20年目(磁器婚式)・・・Platinum(プラチナ)/ Emerald(エメラルド) 21年目・・・Brass(真鋳)、Nickel(ニッケル)/ Iolite(アイオライト) 22年目・・・Copper(銅)/ Spinel(尖晶石) 23年目・・・Silver plate(銀食器)/ Imperial topaz(インペリアルトパーズ) 24年目・・・Musical instruments(楽器)/ Tanzanite(タンザナイト) 25年目(銀婚式)・・・Silver(銀)/ Sterling silver(純銀) 26年目・・・Original picture(原画) 27年目・・・Sculptures(彫刻品) 28年目・・・Orchids(蘭) 29年目・・・New furniture(新しい家具) 30年目(真珠婚式)・・・Diamond(ダイヤモンド) 31年目・・・Time Pieces(時計) 32年目・・・Conveyances(乗り物=車など) 33年目・・・Amethyst(アメジスト) 34年目・・・Opal(オパール) 35年目(珊瑚婚式)・・・Jade(翡翠(ひすい)) 36年目・・・Bone china(骨灰磁器) 37年目・・・Alabaster(アラバスター/雪花石膏) 38年目・・・Beryl(緑柱石)、Tourmaline(トルマリン) 39年目・・・Lace(レース) 40年目(ルビー婚式)・・・Ruby(ルビー)、Garnet(ガーネット) 41年目・・・Land(土地) 42年目・・・Improved real estate(不動産) 43年目・・・Travel(旅行) 44年目・・・Groceries(食料雑貨類) 45年目(サファイア婚式)・・・Sapphire(サファイア) 46年目・・・Original poetry tribute(創作詩) 47年目・・・Books(本) 48年目・・・Optical goods(望遠鏡、顕微鏡などの光学製品) 49年目・・・Luxury of any kind(高級品、または豪華な物事) 50年目(金婚式)・・・Gold(金) 55年目(エメラルド婚式)・・・Emerald(エメラルド)/ Alexandrite(アレキサンドライト)*Turquoise (ターコイズ)が共に名を連ねている事もある。 60年目(ダイヤモンド婚式)・・・Diamond(ダイヤモンド)*Gold(金)が共に名を連ねている事もある。 65年目・・・Blue spinel(ブルースピネル) 70年目・・・Sapphire(サファイヤ) 75年目(ダイヤモンド婚式)・・・Diamond(ダイヤモンド)、Diamond-like stones(ダイヤモンドを模倣した宝石)、Gold(金) 80年目・・・Diamond(ダイヤモンド)、Pearl(真珠) 85年目・・・Diamond(ダイヤモンド)、 Sapphire(サファイヤ) 90年目・・・Diamond(ダイヤモンド)、Emerald(エメラルド) 95年目・・・Diamond(ダイヤモンド)、 Ruby(ルビー) 100年目・・・10-carat Diamond(10カラットダイヤモンド) 結婚記念日に贈り物をするという習慣は中世時代からあったとされているが、ギフトアイディアのリストを初めて本に掲載したのはEmily Post(エミリー・ポスト)だったそうである。 1922年に初版を出した時には、1年目、5年目、10年目、15年目、20年目、25年目、50年目だけだったそうだが、1957年の増刷版では、1年目から15年目までの毎年の分、そして、15年目以降は5年毎といった具合にさらに増えていたのだとか、、、。 その間にも、他の著者らによる新たなギフトアイディアリストが発表されたり、時代に沿ったギフト内容に変更されたりしつつ、上記のような「名称リスト」が出来たようである。 ちなみに、名称にちなんだ物を男性(夫)から女性(妻)へ贈るのが一般的とされているが、今日においては、名称にこだわらず、より自由に贈り物を選ぶ傾向にあるのだそうだ。 とは言え、名称をお祝いのテーマにするなど(例えば、6年目の記念日なら、Wood objects(木製品)をディナーやパーティーに利用するなど、、、。)、違う形で結婚記念日の名称を重んじる人も居るという。 一方、宝石リスト(上記リスト中では、スラッシュ(/)の後に書かれている)の方は、1937年にAmerican National Retail Jeweler Association(米国全国宝石小売業協会)によって発表されたリストが基になっているが、宝石リスト内容も次第に充実していったのだそうだ。 ~結婚記念日の祝い方~ 祝い方に特にルールはなく、やはり夫婦で夫婦なりに決めた祝い方が一番だと思うが、私の友人・知人の話を基に色々な祝い方を幾つか挙げてみたいと思う。 ・二人きりでレストランで食事を楽しんだり、プレゼント交換を楽しむ。 ・毎年記念日を迎える毎に、家に必要な物を買い増す。 ・家族、友人・知人などを招待して、盛大にホームパーティを催す。(新婚でこれを実行する人は少なく、アメリカでも銀婚式、金婚式が盛大に祝われる事が多いようだ。) ・休暇をとって小旅行に出掛ける。 ・結婚の誓いを新たにする。(renew vows (リニュー ヴァウズ)といい、アメリカでは一般的である。結婚した時と同様に教会で行い、さらに披露宴を開く場合もあれば、家や会場などに牧師を呼んで行い、小さなパーティーを開く場合もあり、規模は異なる。ちなみに私の知人夫婦は、『何度結婚式を挙げてもいい』と思っている程で、10年毎に結婚の誓いを新たにする予定だ。) その他にももう一つ興味深いと思ったのは、ウェディングケーキ(但し、一番上の段のみ)を冷凍庫に保存して、1年目の結婚記念日(つまり1年後)に夫婦で食べるというアメリカの習慣である。 私としては、味の落ち加減や1年も経過したケーキの状態を気にしてしまうのだが、アメリカには「保存しておいたケーキを1年目の結婚記念日に夫婦で食べると、幸せな結婚生活を送る事が出来る」といういわれがあるのだそうだ。 (近年は、丸いケーキが段になったスタイルではなく、四角いケーキを選んだりとウェディングケーキも多様化してきているので、この習慣が現在も一般的なのかは定かではないが、、、。) こうしてみると、実に色々な祝い方があるが、皆さんはどのように結婚記念日を祝いますか? 参考資料: *Chicago public library ~Wedding anniversaries~ http://www.chipublib.org/008subject/005genref/giswedding.html *Wedding anniversary celebrations almost as old as weddings http://pressroom.hallmark.com/wedding_anniversary_release.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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