9月に読んだ本 15冊
今まで、今月に何冊読んだかなんて、振り返って考えたこともなかった。いつもちぎっては投げ、みたいな感じで乱読してました。私って、一ヶ月に何冊くらいの本を読んでるのかしら・・・数えてみたら、いやー我ながらびっくり。こんなに読んでたのねー!「第一阿房列車」「第二阿房列車」「第三阿房列車」内田百けん 目的もなく、どこにも行かず、ひたすら列車に乗るだけの、おかしな紀行日記。 あちこちに明治の頑固おやじ風の、そこはかとないユーモアが漂ってます。 あははと笑うほどではないけど、お腹の中のごく一部でくすりと笑えるようなユーモア。 きっと、これをユーモアと感じられる人は、 あと二,三十年のあいだに死に絶えちゃうだろうなあ。「流転の海」「地の星」「血脈の火」宮本輝 ここにも登場させてます。 学もない教養もない、だけど人情だけは厚く、人としてまっすぐに生きる熊伍。 彼の立身出世の一代記かと思って読み始めたら、違いました。 50歳にして生まれた病弱な息子と、名は体をあらわす熊伍との、父子の血脈の物語でした。 熊伍さん、すっごくステキです。 宮本輝さんは、神経質そうな顔の人だと思っていたけど、 ほんとは豪快な部分も持っている人かも・・・「私と小鳥と鈴と」金子みすず「ぼんくら」宮部みゆき「なぜ日本人は成熟できないのか」曽野綾子・クライン孝子「風の歌を聴け」「羊をめぐる冒険」「ダンスダンスダンス」村上春樹 ノーベル賞の候補にも挙がってるそうです。期待できそう。「冬子の兵法、愛子の忍法」上坂冬子・佐藤愛子「永遠の出口」森絵都 若い人にすごく人気のある作家だそうです。 児童文学の作家だけど、この本だけが大人向けだとか。 読ませる文章で、特に12歳の春休みの小さな冒険とか、高校生の擬似恋愛の結末とか、 とても生き生きと描かれています。私も、何十年も昔のことを思い出してしまいました。 が、全体に印象が弱い感じ。 タイトルも、伝わってくるものがないような気がします。「異国の客」池澤夏樹 外国に住んでいると、日本にいるより日本をよく考える。 ことばが不得手だと、よけいに内なるものに考えが及ぶようになる。 池澤さんも私と同じなんだ・・・程度の差はものすごいけどね。 ただ、驚いたのはこの本では、池澤さんはフランス語ができないって書いているんです。 (2004年の時点で)でも、彼が「星の王子さま」を翻訳したのは2005年。 つまり、1年間でフランス語をマスターして翻訳までしちゃったってこと? 才能ある人は何でもできるんだなあ。。。「ぼっぼっ僕らはエジプト探検隊」吉村作治 テレビでおなじみ、ピラミッド発掘の吉村先生の、若かりし日のエジプト滞在記。 なんだけど、あまりおもしろくなくて、途中でほりだしてしまいました。 エジプトでの日常生活なんて、とてもおもしろそうだと思うんだけど、 書き方が冗漫でとりとめがないのよ。 小学生の作文が朝起きるところから始まる、ちょっとそんな感じがしました。 題材は最高におもしろいはずなのに、もったいないなあ。以上、しめて15冊と半分でした。再読のものは斜めに読み散らかしましたから、それで早かったんだな。