相変らず空はどんよりとした雲に覆われ、灰色の海にはうねりも入っている。昨日のムーチング釣から作戦を変え、今日の朝一はトローリングでキングを定数取る事を目的とする。
ケーシーのGPSには×印が一杯付いているが、これが今シーズンのキングのヒットポイントとなっている。そのど真ん中に船を進め、早速トローリングを開始する。
今日の一番も達ちゃんだが、開始10分でアッサリ少し小さめのキングを上げる。これは調子が良いぞと我輩に直ぐ順番が廻って来た。 何せ昨日はキングサーモンゼロなので気合が入る。
もう何年も来ているので、ダウンリガーも竿のセットもケーシーに任せず、全部自分達で行う。ダウンリガーで100フィートに落とす途中、竿の糸が出て行かない。
「何だ?」と思う暇なく、凄い勢いで糸が出て行く。ダウンリガーで蛸ベイトを落とす途中で食ってきたんだね、こいつは。
昨日のリリースサイズとは桁違いの引きで、どんどん糸を引き出され、バッキングが無くなるかと心配した途端、今度は船に向かって突進してきた。
キングらしいファイトだが、こちらもそれは十分承知しているので高速巻き上げで対応する。船縁でのファイトもそれほど時間を掛けず、上がったキングは30ポンド丁度。我輩自身過去2番目の大きさだが昨日の38ポンドを見ているので何となく小さく感じてしまう。

(30ポンドキング、自己2番目の記録魚)
マア、贅沢は言わずシトカの海に感謝しましょう。開始30分弱で2匹のキングが上がり、この調子と皆力が入る。その後40分ほどで順調に20~25ポンドのキングが2匹上がり、全員が型を見たところで早々とハリバットに場所を移動する。

(この後4匹目のキングが上がる。上は30,26,14ポンド・・・)
どこに行くかとケーシーと相談すると、絶対昨日のポイントが良いと言う。昨日は時間が無くてハリバットが集まり出した頃帰港したんだから、今日は朝から良いと思うと言われる。
ケーシーの状況判断を尊重し、真っ直ぐに昨日の場所に向う。GPSで昨日の場所にピンポイントでアンカリングし、竿を下ろす事10分で30インチのハリバットが上がる。
我輩も直ぐにどうクラスを上げ、皆であっと言う間に4匹が上がる。問題はサイズでまだ小振りばかりなのだが、これは何時もの事で最初は小型から食ってくる事が多い。
リングコッド、イエローアイも連続して上がるが、リングコッドが8月16日以前はリリース対象なので、美味そうなのに泣く泣くリリース。

(125センチのリングコッド、アイナメのお化けだ・・・)
その後暫く沈黙していたが、右舷ミヨシに掛けてあった我輩の竿が一気に絞り込まれる。60ポンドを超えるとハリバットは底でかなり糸を引き出す。
100ポンド以上になると暫く糸が出て行く一方で、糸が巻けるようになるまで5分くらい掛かる。残念ながら今回のはそこまで強くない。
ケーシーが大きいかと聞いて来たので、60~80ポンドと答えながら巻き上げる。途中3度ほど糸を引き出され、水面の光が見えた途端、これも15メートルほど一気に潜るが用意が出来ているので慌てない。
上がってきたハリバットにギャフを2本打ち、頭を棍棒で叩いて気絶させてから船に上げるが、それでも尻尾は力強く舟板を叩く。
予想通り55インチ、82.1ポンドのマアマアサイズだった。

(中型クラスのオヒョウだが、持ち上げるのは一苦労)
今回のチームにはこの会のハリバット記録保持者、達ちゃんが入っているが、彼のが75インチ224.3ポンドと重さはこの魚の3倍もある。
我輩の一昨年の記録魚も70インチ179.4ポンドとやはり重さは2倍も有るので、如何にアラスカに大物がいるかが良く解る。

(これが去年の自己記録魚だが、今年のとは雲泥の差だね・・・)
この後、50ポンドクラスを3匹揃え、今日はシルバー以外がフルマークとなり、チョット早めに帰港した。

(並べるとこんな感じかな)
もしかするとキングとハリバットのデイトップが取れるかと期待したが、他のチームにキングは33ポンド、ハリバットは92.2ポンドが上がっていて、取らぬ狸の皮算用となってしまった。
明日は残されたリミットまでのキング2匹、ハリバット8匹でしかも少なくとも114.8ポンド以上を一匹、シルバーを出来るだけ獲って悔いの無いビッグフィッシングトリップにしたいな・・・