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テーマ:おすすめ映画(4026)
カテゴリ:おすすめ映画
私の好きな監督として名を上げているキューブリックの映画の感想を書いていないということでこの映画を紹介したいと思います。というか本当は私の初キューブリック映画でもありあまりにも衝撃的だった鬼教官の罵声にこちらの映画をアップしようとしていたのですが先にやられてしまった上に中身も酷似しているため同じくらい衝撃を受けたこちらの映画を急遽アップいたします。
時計じかけのオレンジはいきなり驚かされました。私が小4くらいでしょうか?いきなりレイプシーンから始まるこの映画。その後は爽快な暴力シーン。暴走する車。そして婆のレオタード^^;初めて大笑いした映画でもあり、そしてその後自分の行為に怖くなった映画でもありました。だって暴力見て笑ってるんだもん。あまりにも爽快で気持ちが良くて。 アレックスが強制されている時にながされている映画で、オヤジがやたら殴られまくっているシーンに大笑い。その後レイプシーンで目を覆い、その後の戦争の爆撃後の子供が手をつないだまま灰になっているシーンに恐怖と、それなのにあまりにも美しすぎるシーンに感動。映像センス良すぎ! 学校を休みがちなアレックスを訪問してきた先生の振る舞い!映画の中では善人として扱われているアレックスの両親の滑稽さ!収監されたアレックスに色目を使うオヤジたち!全裸の女の子を前に吐き気を催すアレックス!強制されたアレックスをみて復讐に喜ぶ昔のメンバーのイカれっぷリ!冒頭に襲われた小説家が強制されたアレックスに復讐する時のあの顔と仕種!入院先の看護婦がするアレックスへの質問とそのアレックスの答え!そしてこの映画のためにアレンジされたベートーベンの第9。半ばネタバレで申し訳ないほどすばらしいシーンでいっぱいです! この映画は楽しい?エピソードもいっぱいなのですが、実はこの映画の女の子を選ぶにあたり、キューブリックとマルコムマクダウェル(主役のアレックス)の二人で 裸の女性の胸のアップの写真をたくさん並べてどの女の子にするか盛り上がっていたそうです^^;かなりの数の写真から好み(多分)の子を半日近くかけて選んだまではいいのですが、本当に胸のアップなので、どの子の胸なのかわからないため結局再選考をする羽目になったとか。冒頭の小説家を襲うシーンで歌う”雨に唄えば”はキューブリックのすばらしい選曲センスによるものではなく、ただマルコムがこの曲しか歌えなかったために”雨に唄えばになったという事です。だけどこの曲ってすごいセンス。この曲じゃなかったらこの映画の評価は間違いなく変わっていたはずです。 この映画に出てくる色々な言葉はすべてロシア語を基にしているとの噂です。それにこの映画のサントラを手がけた方は性転換手術をする前はウォルターカルロスでしたが、今はウェンディカルロスになっています。当時では新鮮だったと思われるシンセ?の音も楽しんでください。性転換手術をしたのはちょうどこの映画の仕事をしている時だったと記憶しています。ですのでサントラでは”ウェンディ”とクレジットされているはずです。ジャケットはアレックスではなくベートーベンが例のミルクを持っているあの絵です。(アレックスはナイフですが。)でも今はどうなのかな? CAINさんはこの映画の小説読んだことあるのかな?まだだったらぜひ読んでください!そして感想をアップしてください!これは小説が元だということを情報として載せておきます。私はいつか読もうとしてとっていたのですが無くしてしまいました。TT)作家はアンソニーバージェスという名前だったと記憶しています。参考までに。 最後に。北野監督はキューブリックを(スパルタカスと2001年宇宙の旅を見較べて)「同じ監督が撮ったとは思えない。間違いなく天才だろう。でも好きじゃない。」と言っていました。それは自分を見ているようで見透かされているような錯覚があるのではないかと私自身勝手に解釈しています。この二人が訴えているのは人間の本質。これに尽きます。いつまで経っても古臭くならないのは当たり前です。人間の持つ普遍のテーマですから。優れた作家、芸術家は自分をさらけ出して受け入れられているのです。この二人の大きな違いは、キューブリックは人間の本質を突き詰めて、北野は本来の自分をさらけ出すところから人間の本質を描いているように感じられます。その両方を持っているのが、というかバランス感覚が優れているのがジャンコクトーかな?彼の描く作品は本当に彼そのもの。それに、必ず一歩引いた目線で人々を分析し、それを作品に反映させている感じです。エディットピアフの死を知ってそのショックで死んでしまうなんてあまりにも繊細でピュア。私にはファンタジーにすぎませんが現実なのです。この映画も一種のファンタジーですがリアルでもあります。そして北野が描いてきた映画もそう(私にはソナチネもファンタジーに感じられます。)。ファンタジーって創造、想像ですよね。今の映画って創造だけで想像できないので面白くないんです。それかその逆。バランスが悪いとか(つくり過ぎ)。だから私のサイトには最近の映画は載ってないんですけどね。 キューブリックの映画をアップする勇気がなかったのでしばらく触れませんでしたが、いかがでしたでしょうか?あまりにもためすぎたので無駄に長い文章になってしまいましたことをお詫びすると共に気持ちよかったので近いうちにまたアップします。その際はよろしくお願いします。 DVD時計じかけのオレンジ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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