カテゴリ:アート&ブックス
漫画家の赤塚不二夫さんが亡くなったというニュースを昨夜テレビで知った。72歳。6年前、脳内出血で倒れた後、ずっと入院生活だったという。
![]() 赤塚さんは言わずと知れた、天才ギャグ漫画家。「おそ松くん」「天才バカボン」「ひみつのアッコちゃん」「もーれつア太郎」など、数々の素晴らしい作品を生みだした(写真左=愛猫「菊千代」とたわむれる赤塚不二夫さん=1981年頃。 ( C )朝日新聞社 ) 小学校の低学年だった頃、将来の夢は漫画家になることだった。それも、「手塚治虫か赤塚不二夫みたいな漫画家に近づくこと」だった。 ちょうどその頃、大阪・なんばの高島屋で、赤塚さんのサイン会が開かれた。「おそ松くん」を週刊誌で連載し始めた頃で、まさに人気が急上昇していた時期だった。 ![]() 僕は朝早く、開店から並んだ。学校を休んだ記憶はないので、たぶん日曜だったのだろう。サインを貰うために、当時としては高価な500円ハンカチを買わされ、そのハンカチにサインをもらった。 僕は赤塚さんへのプレゼントを大事そうに抱えていた。陶器製の高さ15cmくらいのペン立て。選んだ理由は今では忘れてしまったけれど、「インディアンの酋長(顔)」をモチーフにしたペン立てだった。 サインの順番が回ってきた際、「これ、プレゼントです」と手渡した。赤塚さんは「僕にくれるの? いいの? ほんとに有難う!」と言って喜んで、握手してくれた(写真右=「天才バカボンのキャラクターたち。( C )フジオ・プロ ) 僕は嬉しくて、感激してもう何も返す言葉が浮かばなかった。サイン入りのハンカチを握りしめ、小躍りして家まで帰った。「ハンカチ」は今も大事に持ち続けている。僕の宝物であり、あの遠い日の…思い出。 漫画家にはなれなかったが、その後も赤塚さんの漫画は欠かさず読み続けた。それほど好きだった、赤塚さんが亡くなった。今はもう悲しくて、悲しくて…、言葉が出ない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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