カテゴリ:エクアドル人のおっとを持つと
夫の家族はエクアドルにいるが、ここミラノに彼の はとこ家族が住んでいる。彼らが住んでいるのは外国人が集まる、あまり治安の良くない所だが、昨日は母の日。その地域は安い国際電話屋が集まるので(家からかけるより断然安い) 彼のお母さんに電話をかけるため、はとこの顔をみるのを兼ねて夕方出かけた。
彼はときどき実家に電話をかけにいくのだがいつもはそれには同行しない。というのはすごい長電話でいつも私は終わるまで彼のそばでボーと座っているだけ。でも、今回ははとこと奥さん、3歳の娘が来たのでまあ、ひまはつぶせるか、と同行したのだが。。。結果は同じだった。狭いBOXの中でひとつの受話器を奪い合いながら彼らがおしゃべりし出した。 こんなとき、私は家族なのに孤独を感じてしまう。ひとり、インターネットコーナーのところのイスに腰をかけた。 しばらくすると黒い筋肉質の大きなお兄さんが入ってきた。私をみるなり「こんばんは。」と挨拶。「ああ、こんばんは。」と私も日本語で返す。あれ?日本語??お兄さんは自分のメールボックスを開けて また日本語で「見せたいものがあるから。」とおいで、おいでする。最近すっかりイタロ南米生活でイタリア語とスペイン語しか聞いていない私に彼の低いトーンの日本語がジーンと響く。 フラフラと導かれて行くと(2mもなかったけど)、そこにはびっしり日本人の女の子達からのメールが届いていた。「あなた、日本語が上手ね。」というとフッと笑って「そう、英語もフランス語もね。」とキザに言う。普通ならここで「こんなキザな奴、ケッ!」となってしまうのだが、私は恥ずかしながらイケメン(死語?)に超弱い。夫と歩いていてもイケメンとすれちがうと思わず「かっこいいー。」と言ってしまってポカッと殴られる。 このきりっとした顔立ちのお兄さん、かっこいいのだ。マトリックスのモーフィアスに似ているがその数倍かっこいい。そしてセクシー。無臭の男性ホルモンを放出、いやいや、放香しているがごとく私はそのモヤの結界に入ってしまった。「好きな曲を言ってよ。かけてあげるから。」「。。。うーん、じゃあシャキ-ラ?」とすっかりお兄さんのペース。おいおいお兄さん、メールチェックしにきたんじゃないの?と私の心の奥底の理性がつっこみを入れるが言葉にでない。 日本語と、イタリア語、英語での話がなめらかにはずむ。(今、考えたら一言語で充分だったと思うのだが)「ぼく、この近くのジムでキックボクシングのインストラクターをやってるんだけどよかったら、来ない?」「えー、どうしよっかなー。」と言ったところで「クキ!」と声が響いてはとこの娘が抱きついて来た。彼女は私の名前をちゃんと言えないのでこう呼ぶ。 はっと我に返った。お兄さん「。。。君の子供?」とおそるおそる聞く。 私は自分ちっとも似てない100パーセントエクアドル人の子供を抱き上げてにっこり「そう!」と言った。 あぶない、あぶない。お兄さんは慌てることなくにこやかにスマートに立ち去っていき、間一髪の差で電話を終えた夫とはとこたちが来たのでありました。何をしに来たんだ、このお兄さん? はとこの娘、あまりにものやんちゃぶりに「悪魔ちゃん」と密かに呼んで恐れをなしていたのだが、昨日はこの子に救われた。やれやれ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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