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カテゴリ:生命科学
さて先週半ばからはウェット実験室もかなり立ち上がり,発注していた実験用消耗品や試薬なども続々ととどきはじめた.助教のT先生と技術員のIさんが尽力して,セットアップしてくれて,先週よりコンピーテント細胞などを作り始めたようだ. そして,先々週に注文をかけたひょっとしたら細胞周期や有糸分裂を阻害するかもしれないペプチドが,カスタム合成を依頼したところから今週の半ばにあいついで4本届くのだ.ただしこの4本で計20万円近く使ってしまった.今年度,予算はこのままではショートすると言うのに. さてさて. そのペプチドを使って実験するのは横浜のA君である.今日から神戸駅近くのビジネスホテルに連泊して,タンパクやペプチドを精製して,最終日には阪大タンパク研までNMRを測定しに行くのである.手元にNMRマシンがあれば,確かにもっと効率はよいかもしれない.だが,実際にNMRをきちんとオペレートできて,パルスなどのパラメータからトラブルシューティングまでこなせるのは,うちのラボではまだ多分Piyotaだけで,測定だけならばT先生と大学院生NIさん,YK君に辛うじて任せられるのではないか,といった状況であるのだ.現時点ではマシンがあっても,もてあましてしまうだろう.人材を育てるか,優秀なポスドクをリクルートする予算を確保するか,ということになる. それから考えると,蛋白研のI先生,Y先生らの大学院生には人材は豊富である.さすが蛋白研. さて,ペプチド,ビアコアチップ,旅費などすべて含めるとA君の研究には今年一年で100万円ちかく投資することになりそうである.それに答えるだけの「よいデータ」が果たしてでるであろうか?A君の責任は重大である.まあ,教員の都合でこういう重大な責任を負わされる大学院生もかわいそうだとは思うが.だが科学の最先端に触れると言うことは,コストもかかるわけなので,遊びではできないのである.権利が生じるかわりに,義務も生じる.Piyotaのポリシーは,権利はしっかり認める代わりに,義務に関してもなるべくきっちりとりたてて,学生の間での不公平感がないような運営にしたいな,というものである.頑張ってくださいませ. ただし,彼のやっているテーマ,メルク社のDr.MCや基盤研のM先生からも注目を集めているテーマで,うまく仕上げることができたらひさびさにでかいネタになるであろう.請うご期待.なお,その前段階でこれもうまく早く仕上げられたらそこそこのネタになる予定だった大学院生NIさんのほうは・・・・哀しいけれども完全に失速してしまった.いい結果が出ることが見込まれたので,なるべく全部が彼女の手柄になるように,と彼女に全面的に任せてみたのだが,どこかに(というかもともと?)無理だったようだ.現在,善後策を検討中.ぼやぼやしていると卒業できなくなって就職も不可能になってしまう. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.07.07 13:21:24
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