北は雪南は梅のたよりかな 青穹
ひととせや春は母御のご命日
壬生浪も食いなん鍋の水入菜
とりどりの歯応え愉し春菜哉
梅椿早咲きそめよ灰衣
【註 1】
「壬生浪」は言わずと知れた後の新撰組。NHKの大河ドラマ『八重の桜』で先週あたりから登場しはじめている。京都山科の壬生村を根城にしていたが、この壬生は壬生菜の産地。関東では京菜ともいう。いわゆる水菜である。施肥をしなくとも水だけで育つので水入菜ともいう説がある。
【註 2】
「灰衣」という成語があるわけではない。枯木に花を咲かせましょうと灰を蒔く花咲爺さんのイメージに、古歌の「わが衣手(袖)に雪は降りつつ」のイメージになぞらえて「わが衣手に灰は降りつつ」をイメージし、椿の灰で布を紫に染めた故事を重ね、さらに花よ蝶よと浮かれているうちに私が灰衣(火葬)になってゆくのだという思いなどが重なった。さらに芭蕉の句「梅椿早咲き褒めん保美の里」を本歌として、その替え歌のようなものである。芭蕉が「褒めん」としたところを私は「染めん」と韻をあわせるように音感を遊んだ。
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Last updated
Feb 27, 2013 05:12:17 PM
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