ヴェトナム・カンボジア旅行記(13)シェムリアップ市とオールドマーケット
2011年4月6日、いよいよこの旅行も最終日となった。昨夜のアプサラ・ダンス観賞でホテル帰着が遅くなったので、今朝はゆっくりの出発である。行く先はシェムリアップ市郊外にあるシルク・ファーム。途中、これからお祭りに行くのだろうか、民族衣装を着た若者を乗せたトラクターが走っていた。シルク・ファームはフランス政府の援助で運営されている一種の職業訓練所である。若いカンボジアの女性たちが蚕の世話から糸の取出し、染色、機織りまで手掛けているのを見学。その後、隣接の商品展示場でショッピング。とても品質の良い生糸製品である。私もネクタイを1本購入。織柄も細かく、また表面の艶が素晴らしい。皆がショッピングしている間、戸外に出る。中庭の植え込みに蝶々が舞っていた。それを追いかけて裏庭へ。すると変な動物がひょっこりやって来て、こちらを見て挨拶した後ごろりと横になった。この暑いのにしかも焼けている砂の上に寝転がった。ただし、尻尾だけは落ち葉の上に乗せて。面白い猫である。ここの見学後、シェムリアップ市に戻り、アンコール美術館を見学。昼食後、オールド・マーケットへ行く。入口付近にはトゥクトゥク(バイクの後ろに2~3人乗りの座席を付けたもの)がたむろしていた。中へ入ると観光客用の店と地元の人用の店が混在している。にわとり屋さん。丸裸になった鶏がずらっと並んでいる。そしてお魚屋さん。近くのトンレサップ湖で獲れた魚であろうか。新鮮な魚が置いたあった。いずれも若い女の子が客待ち顔で働いていた。こちらはお惣菜屋さん。食事もできるのだ。この店は乾物屋なのだろうか。干物とおぼしき物がずらりとぶら下がっている。その店の前には売り物のバイクが並んでいた。果物もヴェトナム ホーチミンのベンタイン市場ほどの規模ではないが、それでもかなり豊富に置いたあった。そして何よりも懐かしかったのは、氷屋さんである。かっての日本もこうやって氷をのこぎりで切って売っていたのだ。もっともこれを知っているのは相当な年配の方かもしれない。ベンタイン市場で見たような雑貨や生地屋さんが並んでいる。そしてやはりここでもゲテモノがあった。蛇&さそり酒。ギャー!昆虫の標本の中にはさそりも入っている!このオールド・マーケットはベンタイン市場ほどの大きさはないが、より地元の人に密着した市場のようであった。このシェムリアップ市をホーチミン市のような大都市と比較するのは酷だが、感じとしてヴェトナムの方が経済的には優れているのかなと思った。ヴェトナムはミトーのようなメコン川近くの田舎町へ行っても、クチのような山岳地帯へ行ってもバイクが一般的だったが、ここシェムリアップではバイクはごく少なく、日常の交通手段は自転車が主体のようであった。ただ、ルーマニアで良く眼にした馬力車は全然見なかった。戦前や戦中、日本では馬力車や牛車が都会でも活躍したいたのだが。そして、馬力車が通った後、落として行った馬糞を拾っては食糧難のため庭に作った畑の肥料にしたものである。私は外国へ行くとその土地で採れた蜂蜜を買うことにしているのだが、シェムリアップ市内の土産品店で買った竜眼の蜂蜜はヴェトナムのものより香りがよく、美味しかった。また、土産品店では「アンコール・クッキー」が置いてある。これはカンボジア人と結婚した日本女性が開発したもので、特に日本人がお土産として買っていくことが多いようである。今回の旅行はこれで全行程が終了、ホーチミン経由で成田に翌日朝帰国した。なお、シルク・ファームで購入したネクタイなどの絹製品はシェムリアップ空港の直売店でも販売していた。価格も変わらなかったように思う。今回は2011年4月2日から7日までの6日間の旅行であったが、両端の日は飛行機による移動日なので実質の観光は4日間である。でも、いろいろ変化に富んだ面白い旅行であった。なお、カンボジア入国にはビザが必要である。インターネットでも取得は可能になっているようであるが、我々は青山のカンボジア大使館へ行きパスポートを預けて申請し、翌日交付された(旅行社に依頼すると¥7,500/人 )。つまり申請と受理で2回行く必要がある(即日交付ではない)。申請書には滞在先がシェムリアップであるなら、それを英文字で書く必要がある。スペルはSIEM REAPである。参考まで。