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テーマ:猫のいる生活(138411)
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京都の祇園と云うと一般人にとって昔は敷居の高いものでした。
だいたいお茶屋さんでなく普通の料亭でも一見客はお断りってお店が多かった。 私も祇園のお茶屋さんにあげてもらったのは10年くらい前に京都で事業されてる方のお誘いで行ったきりです。 大阪の北新地にあるクラブでも一見客を入れてくれないお店が多かったけど、最近はど~なんでしょうね。 そう云う高級なとこ、久しく行ってないので分かりません。 舞子はんなんて、まだ子供でご贔屓さんに誘われても、お姉さんが必ず着いてくるほど閉ざされた世界の人なのに、知らないとは云えこれはイカンですなぁ。 ちなみに舞子はんふたりくらい連れ出して、それにお姉さんが同行して、食事でもとなると、帰りの車代やら心付けも含めて、食事代抜きで50万円では足りません。 それに連れ出すときは、あんな日本髪結って綺羅びやかな着物ぢゃなくて、普通の垢抜けない女の子のいでたち。 しかも連れ出し料は月末に置屋から請求くるまで分からないのが通例。 置屋から請求きたら、どんだけの請求でも何も云わずに支払うのも通例。 連れ出して、食事するだけでこんだけの費用がかかるのです。 それで手元に残るのは、「花名刺」と云うちっちゃな短冊に舞妓はんの名前を書いた紙くらい。 そんな祇園に「壹錢洋食」と云うお店があります。 「壹錢洋食」=近畿では昔懐かしい「一銭洋食」です。 一銭洋食とは、あのお好み焼きの元祖の一銭洋食です。 昔、どこの駄菓子屋さんでも売ってた水溶き小麦粉に刻みネギを乗せて焼き、ウスターソースを塗ったものです。 ウスターソース=洋食なんですからどんだけ古いのか。 今のお好み焼きより「クレープ」に近いですね。 この一銭洋食は大正時代に1枚1銭で売られていたので「一銭洋食」です。 大阪の天六商店街には一銭洋食と同じバリエーションで、刻みキャベツと卵だけの「キャベツ焼き」も売ってましたが、現在はお店を見かけないですね。 どっちにしても「壹錢洋食」=「一銭洋食」と「祇園」と云うのは何ともアンマッチング感がぬぐえない。 ところが、この祇園に「壹錢洋食」のお店が実在するのですね。 あんな粉モン、それも粗末な料理とも云えないのを商ってて、不思議な気もしますが今では全国区で有名らしい。 最初は祇園に遊びに来る旦那衆や舞子はんたちを対象にしてたのが、いつの間にか観光地と云うこともあり口コミで有名になったらしい。 今では、祇園だけではまかないきれなくなって、四条通縄手近くにもお店を出してるそうです。 そんな祇園の壹錢洋食は、昔の一銭洋食と違って、生地にネギや卵を乗せるのに加えて、天カス、紅ショウガ、味付けこんにゃく、輪切りちくわ、牛肉など具だくさん。 もはや一銭洋食と云うより、お好み焼きの生地薄い版ですな。 ソースもお客さんの好みで、甘味と辛味の2種類が用意されてるらしい。 それに加えて冷やしあめやラムネ水も販売されてるそうですよ。 要するにレトロ感がこのお店のウリなんですな。 具材に桜エビと天かすが入ってますが、完全な一銭洋食です。 兵庫の明石にも「ぺったん焼き」がありますが、こっちは生地にチーズと明石だこをセットして、高熱の鉄板で圧力をかけ、薄く焼き上げた「おせんべい」です。 勇壮な「だんじり祭り」で有名な大阪の岸和田には一銭洋食のバリエーション「かしみん焼き」のお店が多く存在します。 かしみん焼きは岸和田独特の粉モンですね。 かしみん焼きの特徴は生地に刻みキャベツと鶏肉と牛脂のミンチを乗せてることです。 粉モンに鶏肉そのものが珍しいのですが、焼くとぱさつきが出る鶏肉をおぎなうため牛脂を加えて濃厚さを出してるのですね。 お好み焼きと云い、一銭洋食と云い、美味しいのは美味しいけれど、そんな積極的に食べたいと私はなりませんね。 やっぱ品のないバッタもん料理。 だいたい大阪そのものがお好み焼きやタコ焼きと粉モンのオンパレード。 ウスターソースばっかの、いかにも大阪。 同じタコ焼きでも、お出汁につけていただく「明石焼き」の方が好きです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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