カテゴリ:日記
6月12日はボレロ歌手アルバーソ・チカさんの命日。あれから6年経ちました。
彼の自作の曲を聴きながらアルバムを整理しています。 最後のステージになった兵庫県三木市森林公園の「第7回フォルクローレ音楽祭」、入院先の病院のロビーで歌うチカちゃんの姿、そして「国東半島全部を歌って巡礼しましょうよ」と語っていた柔和な顔と久しぶりに会いました。 チカさんを知ったのは阪神大地震の翌年。かれは宝塚で理美容店を営んでいましたが、地震で半壊した店の再建が不可とわかるとハサミをギターに持ちかえました。若い頃からトリオ・ロス・パンチョスに傾倒し、音楽の勉強と演奏活動を続けていたので切り替えができたのです。そして、食べるためにレストランや街角で歌いました。皿洗いのアルバイトもしました。 そんなときでした。エキゾチックな風貌と真紅のポンチョがよく似合い、甘い声に惹かれて異業種交流会やイベントへの縁をつなぎました。故郷での囲炉裏コンサートからスタートした歌の巡礼の地は、学校や公民館、健老施設にひろがってゆきました。かれの雰囲気に魅力を感ずる人たちが支えてくれたのです。しかし、からだの中では癌が進行していました。 自作の叙情歌『夢の旅人』の一部です。 あー 夏の緑の あー さわやかな 地に根ざし生きる 豊かなる大地 夢にまでも想い続けた パインの甘き香りにも似て 轍の続く細い道に 今日も種まく君の姿 あー 丘の木漏れ日 あー おだやかな 揺れ動く君の 黒髪なでるしぐさ 夢にまでも 想い続けた 空遠く ちぎれ行く雲に似て 牛車に揺られながら 君は軽く手を振り 家路につく 想い出を辿りながら 幼き頃に出会った人に似て 夢よ もう一度と問えば 聞こえるものは風の音 先月の帰省で、かれの消息を尋ねる人がいました。 「あーんし(あの人)は、ゲンキにしちょるかい。忙しくてこれんのかな」 本名、二井内親善、享年53歳。今頃は「来年は還暦入り。たっぷり歌ってお祝いをしましょう。アミーゴ」とあごひげをなぜながらにこにこ笑っていることでしよう。 13日は千里中央の公民館で「老いじたく~エンディングノート」の勉強会、そして月末28日の日曜はスーさんの「生前葬」をにぎやかに行う予定です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.06.15 20:43:22
[日記] カテゴリの最新記事
|
|