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January 21, 2006
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カテゴリ:カメラ
ボクの写真趣味履歴は、
銀塩(フィルム)カメラ時代から続いている。
今はデジカメを中心に使っているけれど。

ま、今30代という世代の人たちは
自動的にそうなるわけだけど、
逆にいえば、
今の若い20代以下のヒトからみれば、
『フィルムカメラって、何?』
というヒトもいるだろうし、
実際、徐々にそういう時代になりつつある、
ということもわかっています。
カメラよりも前に起こったアナログ→デジタルの波ですが、
CDとレコードの世代差に似ていますね。


で、フィルムカメラの時代には、
単焦点レンズのカメラ、というのは
コンパクトカメラでも、一眼レフのカメラでも、
そんなに珍しくありませんでした。
というか、昔は主流だったことを思い出します。

デジタルに切り替わる頃には、
結構普及してきていたズームレンズでしたが、
写真を楽しむには単焦点、という、
不文律が存在し、実際ボクは経験からそれを信じてました。

理由は、単焦点の利点というより、
ズームレンズの難しさにあったと思います。

(1)どうしても大きく重くなること、
(2)設計や生産に高い技術とコストがかかること、
(3)レンズが暗くなること、
(4)レンズ性能が単焦点に比べて比較的落ちること、

主な理由はそんなところだったと思います。

ボクはそんなわけで、単焦点レンズ派でした。
若かった頃には特に(2)の販売価格がネックで、
バイトして背伸びして一眼ボディを買っても、
レンズにまでかける金がありませんでした。
一眼ボディメーカー純正ではなく、
レンズメーカー製(タムロンやコシナ)の
単焦点レンズをやっと買っていた覚えがあります。

その単焦点レンズというのは、実際不便なものでした。
被写体を決めたら、それをどう収めるかを考えて
自分の立ち位置を決めなければなりません。
ズームレンズだと、「左右」を決めれば前後の位置は
ズームで調整できるのですが、
(正確には遠近圧縮効果があるのでズームは簡易調整なわけだが)

単焦点レンズだと、「前後左右」を決めないといけない。
自分が被写体に対して、考えながら縦横無尽に
歩きわまらなければならない。

昔は、カメラを構えた(ファインダーを覗いた)ままで
そうやって迂闊に歩き回るヒトが、
観光地では迂闊に車道まではみだしてきて
危ないことが多かったけど、
最近はズームデジカメ流行になって、めっきり減りましたね。

そういう撮り手の「動き」が、写真趣味の難しさでもあり、
楽しさでもありました。
ひとつの風景に一生懸命になって頭を使って向き合うという、
緊張感が心地よかった。
そして、歩き回るうちにその被写体の別の一面が見えたりで、
新鮮な経験をすることも多い。

それが、現在のデジカメでは便利なズーム機能採用によって、
あまり考えなくてよくなった。
写真趣味なんかじゃなく、
シーンを残しておければそれでok、という大多数のヒトには、
ズームのほうが断然使い易かったのは、
確かにそのとおりです。

今や、デジカメのほとんどに、ズーム機能がついている。
光学式ズームがなくとも、デジタルズームがついている。
それだけデジカメでは写真撮影が簡単になった。
そんな時代になって、
写真趣味のヒトが、昔のように生まれてくるのかな?
と思うことがあります。

不便で苦労して、ナニクソ!と勉強して慣れて克服して、
いい写真が撮れたときの快感と充実感、
これが写真趣味への入り口だと思うのです。

フィルムカメラの時代は、
焦点調整、露出、ズーム、フラッシュ、
フィルム選び、焼きの指定など、
1台のカメラに慣れるのに、
本当に時間がかかった。

今のデジカメを見ると、簡単で、
買って箱をあけて、充電して、
シャッターボタンを押せば、
はい、キレイな画像。
失敗写真かどうかも、その場でわかります。
そんな失敗さえ少ない、よくできたデジタルカメラ。

技術の勝利です。
きっと、デジタルカメラを完成させ進化させてきた技術者たちには、
万人に失敗なく簡単に写真(画像)を撮ってもらいたい。
そんな崇高な思いで、開発してきたものと思います。
敬服します。
技術者のそういう崇高な情熱が、技術を発展させる原動力であったと信じます。

しかし、気がつけば、
誰もが同じに撮れる、
つまり誰が使っても同じようにしか撮れない、という
趣味性が薄れたデジタルカメラが、巷にあふれています。

これは、誰かが望んだ形でしょうか?

広く浅く、デジタルカメラは普及しました。
入門機からハイエンド機まで、ラインナップは揃っています。
お安い入門機から使っていただいて、
写真趣味になった方は、ハイエンド機で、どうぞ。
ということになっている。

でも、ちょっと待てよ。
ハイエンド機に移行していく御人は、
これから減っていくのではないだろうか。
実際、コンパクト機でもサービス版程度に印刷するには
十分な画質を持つようになっているし、
今後もコンパクト機の性能はさらに上がり続けるでしょう。
今後、現実に必要のない、過剰性能競争になるのはわかっています。

デジカメのハイエンド機には、
写真趣味人の矛盾するエゴな欲求を満たすのか。

『誰でもオレと同じに撮れない、手ごわさ。
このジャジャ馬を使いこなせるのは、俺だけさ。』

このような「趣味性」がきちんと備わっているのか、
簡単かつ失敗なく撮れるというデジカメの本質的な性能と
矛盾していないか。
そんなことを考えながら、
ボクは売り場のショーケースのなかの高価な一眼デジカメを見ています。

売値が高価であることだけが、唯一ハイエンド機の条件、
という世界が、遠くない未来にいつか来るのではないだろうか。





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最終更新日  January 21, 2006 09:55:05 PM
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